表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
傭兵、人外、理外。  作者: ポコ丸
5/28

第2話第一戦 In to the trap.

依頼所で資料を受け取り、現場へ向かう。

なにかの建物に入り、進んでいく。

「…ここですか。」

「詳しくは違うが…まぁ、見覚えあるだろ?」

見覚えも何も、ここは…

自然と肩に力が入る。

「…俺が…売られた場所…」

奴隷商売、その現場だった。

しかし、あいつらはもう師匠が全て捕え、連行されたはず…

「ま、実際私らが用があんのはこの先さ、行くぞ。」

資料を見ながら奥へ向かっていく。

「あ、はい!」

やっぱり、ここじゃなかった。

しかし、ここ以外に何が…

何も思いつかず師匠について行くと、

「ここからは少し静かにな。」

「了解!」



「ここだ…」

「…」

目の前に広がるは、謎の施設の入口…

そこには見張りがおり、アサルトライフルを手に周囲を見張っている。

「少し待ってろ。」

そう師匠が言って、返事する間もなく…


«バジッ»


何か飛ばされた音がした。

実際飛んでったのは見張りの意識だった。

「…早っ…」

なんて、キルスピード…

「ガラ空きだ、この場合能力持ちもクソもない、行くぞ。」

ホルスターから灰色の『デザートイーグル』を取り出し、中へ入っていく。

俺もそれに続き、腰から『グロッグ17』を抜いてついて行く。

しばらく中を進む。

「…な〜んか人少なくないっすか?…」

「…やはりそう思うか…実は私もだ…」

どうするかふたりで思案していると。

不意に、


«バンッ»


「んっ?!」

「なっ?!」

ありのまま、今起こったことを言おう。

角でクリアをした後仮の作戦会議をしようとしたら。

「「床がッ!?」」

床が抜けた。

重力は容赦なく俺たちを押さえつける。

「師匠、掴まって!」

師匠へ左手を伸ばし、

「おう!」

師匠もそれを掴んだ。

お互い焦っていない、焦るのはどうしようもなくなった時だけである。

師匠が左手を掴んだことを確認して、右手を下に向ける。

そして、

(行くぞ〜鬼神!)

念じる。

(はいはい、負荷は低めじゃな…)

声が聞こえ、

「オラァッ!」

下に衝撃波を放つ。

正直これの原理がわかっていない…咆哮なのか、気迫なのか…

1回聞いたことあるが、『妾の技じゃよ』といいように誤魔化された。

まぁ今はそんなこと気にしてる暇はあんまりない。

衝撃波によって勢いが紛れ、安全に着地できた。

衝撃波が強すぎたのか、その着地した地面が若干凹んでいたことは気にするでなし。

「相変わらず圧巻だな、いい能力だ。」

腕まで組んでうむうむと頷いている。

か、貫禄がすげぇ…

「師匠、能力無しでトップまで登り詰めた師匠に言われても皮肉にしか聞こえやせんよ…」

「まぁまぁ、その能力使っても私には勝てなかったろ?」

「…任務集中しましょ。」

なんかいいようにまとめられたので逃げると、師匠はひと笑いして、

「多分お客はあれだな。」

上の方を指さした。

そこには、複数の研究員が見える。

高さ4、50m、横60m、縦40mぐらいの場所である。

「…嵌められましたね、俺ら。」

「あぁ、完璧にな。」

どうするかと上を見上げると、ノイズ音とともに

「あ、あ〜…よし、君たちは何者かねー?まぁここに来る時点である程度察せるがね」

アナウンスのようなものが流れ、大声で師匠が答えた。

「そうだぞ〜!正々堂々勝負して捕まれ〜!」

遠目にだが、研究員がキレたように見え、

「無能力者に用はない!我々が用があるのはそっちの能力者だ!」

音割れするほどに叫んだ。

「うるせ…」

たまらず耳を塞ぐ俺、

「無駄に声がデカイな…」

うざってぇ、と顔をしかめる師匠。

俺はもう我慢ならんと思い、


«バンッ»


発砲した。

が、ガラスには少し傷が入っただけで、弾は弾かれた。

「っち、やっぱ硬ぇか…」

文句を言いながら全弾撃つ。

無論全弾弾かれた。

「気は済んだか?」

横で見ていた師匠に声をかけられる。

「あぁ、1発ごとに奴らがビビってるのが見えるので満足だ…」

返事をした…のはいいのだが、興奮のあまり、気付かぬうちにタメ口になっており…

「…ほう、ようやく敬語を外したか……これからもタメ口で話せよ?」

ニヤついた師匠に揚げ足を取られた…

「…後にするぞその話は…」

「ははは!まぁ、そうだな。」

呑気な会話を終え、完全にビビっていた奴らの方を見ると、

「…お、お前ら、ゆ、ゆるさんぞ!」

あ、ようやく復活したようだな。

震え声で脅してきた。

「許さねぇからって何すんだ〜?」

半笑いで聞き返した。

「き、きき貴様らにちょうど良い実験体がいる…こ、こいつらにやられてしまえ!」

初めの態度と全然違う…

「ふふふ…」

「無理もないがあんまり笑ってやるなよ。」

2人で笑っていると、前後左右から、


「ガルゥァァ…」

「グルゥゥゥ…」


という唸り声がかなり多く聞こえた。

見た目はゾンビとゴブリンを足す時に猿を混じらせたような見た目である。

「これがお客か?」

その声の主を、

「みたいですね。」

お互い見据えて、

「そこそこ腕がたつといいが…」

銃を片手に、

「まぁまぁ、期待しときましょうよ。」

構えをとる。

「ガルルルル…」

「グルルルル…」

唸り声を上げながら何匹かが寄ってきて…

「グルァァァ!!」

「ガルゥァァ!!」

飛びかかってきた。


«バンッバンッ»

«バスンッバスンッ»


開戦の合図の代わりに、銃声が鳴り響いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ