第2話:Youtuberデビューで大炎上!
日本人は、自己主張をしてはならない。
その主張は全くもってその通りだ。
なぜなら、そうしないと謙虚でないからだ。
しかしながら、私は自分の飛んだ姿をYoutubeに投稿している。自己主張の塊となったのだ。
だからその分
―自己主張で謙虚じゃなくなった分―
動画内では謙虚にしなければならない。
私の動画投稿を始めたのは弟のタケであった。彼は小学生。
高校生の私といつも一緒に居て、仲は悪い。ケンカばかりしている。
私が初めて飛んだ次の日、タケと川に遊びに行っていた。
昨日あんなことがあっても、意外と日常に戻ってしまった。
橋の下でDSをしていたとき、私はまた飛んでしまった。
幸い橋に引っ掛かったが、タケはチャンスと言わんばかりにDSで私を撮影した。
いや、正しくは3DSだ。飛び行く私は3D機能で浮き上がり、後で家族を爆笑させた。
それに味をしめた悪ガキのタケは
あろうことか勝手にその映像をYoutubeにアップロードしてしまった。
最初の時点で再生回数は十何回だったものの
その後何度も飛んでしまった私は、
その度にタケに動画を撮られ、投稿され、通行人に撮影され―
それらをワイドショーで紹介されたことをきっかけにバズってしまった。
あとはご想像の通り、前回の新聞記事に繋がってしまった。
記事から分かるように、私は世間から批判を受けた。
確かに動画でははしゃぎ過ぎたかもしれない。
浮いた状態でメントスコーラをやって通行人にかかったり
男湯を覗いたりした。
でもいいじゃない!
若いってそういうもんでしょ?