真実の愛を見つけた殿下が婚約破棄をしたいといったのですが、運命の恋のお相手は私の妹で、お腹に殿下の子がいるの! と言われた私が、二人にした仕返しとはいったい何だったのでしょうか?
「私は、おなかに殿下の赤ちゃんがいますの!」
「真実の愛を私は見つけたんだ。メーリア、婚約を破棄してくれ!」
いつも私にずるいずるいと言ってくるわがまま妹と、婚約者の王太子殿下からの申し出に、どうしたらいいか私は思考が止まっていました。
おなかにでんかのあかちゃんがいて……。
しんじつのこい。
「……」
私が黙っていると、怒るのはわかりますわ。でもこの二人の愛の結晶を! と妹が大声で言います。
「……」
私はどうこたえていいかわからず黙り込み、殿下は婚約を破棄させてくれとまた言うのです。
ええ、私はこの後どうも気絶してしまったようで、よく覚えていません……。
気が付いたら自分の私室、家に帰され、お父様とお母さまには妹と殿下のことを許してやれと言われて。
折れましたわよ、仕方ないのですけど……。
婚姻式に来いと言われて、納得がいかない私です。だって私は婚約者を奪われた姉なのに、祝福しろというのです。
「わかりました……」
納得したふりをして、私はあの二人に復讐するためにあることをすることにしたのですわ。
「私たちのこの婚姻の祝福を!」
私はじいっと殿下をまっすぐに見ました。ええ、祝福しろっていうのですわよね。私ははいはいと頷きます。
そして私は花束を持ち、妹のもとに歩いていきます。しかしこの茶番劇イライラしますわ。
私は妹の耳元であることを呟きました。
「お、お姉さま」
「お幸せにね」
うふふと笑う私を見て恐れるように身を引く妹、私はええただでは転びません。
妹は殿下をじいっと見て、まさかといったように首を振ります。手紙も花束にしこんでますわ。
ええ不信の芽は蒔き終えましたわ。
殿下の子供がお腹にいるのに某令嬢と大喧嘩をして、妹はそのあと流産し、断罪され辺境送りになりましたわ。
私は殿下は女好きでもう妊娠したあなたの代わりをみつけて閨にひきこんでますわよと言っただけ。
あの子は嫉妬深いからこうなるとは思ってましたが。好色なのは陛下もですし予測がつかなかったのですかね。うちのお父様にも側室はいますのに。殿下も手紙でほかの女に愛を告白とかねえ、手紙を手にいれて仕込んだ自分ですが、さすがに頭痛がしましたわ。
殿下は責任をとらされて廃嫡になりましたわ。私は連座にならないように隣国に逃げてスローライフを送っています。覚悟が足りない妹と裏切り者の殿下と離れて清々しましたわ。あれにいつもイライラさせられてきたので、家が連座になっても後悔はしませんでしたわ。
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