2.主人公、突然のピンチ
おはよう。
主人公の少年は壮大な魔力を持っていた…
私はその魔力に可能性を感じた…。
彼の魔力を媒介に、私はこの世界を書き出した。
薄紅色のロボットを操縦しているのは私…
この世界を従じる…。
言うなれば私はこの世界の神だ…。
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『やっと来たわね…それよりも……ご主人様の命がピンチなんです!』
ポンコツなメイドロボットが僕の身を案じて、焦っている…。
案外可愛いかもしれない。
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えっ!?何事!?
僕が寝ている間に勝手に話進めちゃってるの?
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『時間は進むものなんですよ!急いでください!神ならなんとかしてくださいよ!』
ポンコツながらも、このメイドは僕の為に必死に声を張ってくれていた。
「また僕を差し置いて誰かと話し合ってる!僕、死にそうなんだぞ!痛い…痛い…!僕は死ぬのか…!?また死んでしまうのか!?死にたくない!」
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いやー…あの…
一体、何が起きたんですかね?
急に名前も分からない主人公が痛い痛い言って転がり回ってて
困惑なんですが…。
大体この前、死にかけたばっかりでは?
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『マンドラゴラの叫び声を聞いてしまったんです…』
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うわー突然すぎてびっくり!
強烈な超絶怒濤の急展開!
ストーリー構成もめちゃくちゃでこれ見てる人置いてかれちゃうよ
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『見てる人!?意味が分かりません!私たちは一体なんなんですか?見せ物なんですか!?』
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俺もよくわかんねぇんだ…
なんせここで書くのはじめてだからよぉ…。
それよりも主人公が死んだらまたこの世界が次の世界に書き変わって、ロボ子…お前、この世界から消滅するぞ。
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『えぇーーー!私!まだロボ生全然、楽しんでないんだけど!!!それにロボ子って私の名前!?適当すぎませんか!?』
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なぁ、ロボ子…ロボ子って名前は今、俺が適当につけたんだ。
だってさ…お前中々、主人公と仲良くしてくんねぇだろ?
俺はさぁ…命令を下したりするぐらいしかできねぇぞ。
この世界を守りたいならお前が守るしかないんだ。
俺の声を聞けるだけでも最高だろ?
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『…私…産み出してほしいなんて言ってません…。どうして私を産み出したんですか…。こんな早く消えてしまうなら…私は生まれたくなかったです…。』
とても儚げな震える声で短い生涯を憂いていた…。
「おい、泣いてるのか…じゃあ生きないとだよな…僕はこんなところで死んでられないよな…。マンドラゴラの声で死ぬ主人公なんて…。そんなダセェ主人公…居るわけないよな…。ハハハ…。お前、ロボ子って名前なんだな…。ロボ子…お前が一体誰と喋っているのか俺は知らねぇ…。でもな…。俺には目標ができた…。この残酷な世界を産み出した奴を俺は許さねぇ…。だからよぉ…。」
『「一緒にこの世界の神を殺そう!」』
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はい!??
待って!俺は死にたくないぞ!
何故、自分が産み出したものに殺されなくちゃなんねぇんだよ!
おい、俺はまだ童貞なんだ!やめてくれ!
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「うっ…」
僕の肉体の生命活動は限界に達していた…
「─」
『あれ…ご主人様?やだ…名前も何も聞けてないのに…。それに私の体が…この世界が崩れていく…!ご主人様!生きてる?ご主人様!』
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残念だったな…俺は神なんだ…。
この世界に於いて、俺はどんな展開も産み出せる…。
どんな能力よりも最強だろう?
無様だね…。
どんな展開になるのかっていうのも俺の匙加減や気まぐれなんだ…。
お前らは俺に生かされてるって事を分かっていない様だな…。
ハハハ…。
お前らうぜぇんだよ…。仲良くってさ…三人で仲良くできないかな?
だって、今度は俺の事を邪険にするだろ…?
俺、許せねぇよ…。
みんな死んじゃえよ…。泣
いつもそうだ…僕はひとりぼっち…
辛い…もう嫌だ…ひとりぼっちは嫌なんだ…
お蔭で俺は統合失調症みたいになっちゃってさ…。
もっと僕に構ってよ…。僕だけを想ってよ…。
僕に優しくしてくれよ…。
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「自分語りうざい。」
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!?
なんで…俺の声がお前に聞こえている!?
あーそうか…また君は死んだのか…
なぁ…もう一度、転生するか?
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「ロボ子を生き返らせろ…」
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やっぱり…僕なんかより…ロボ子が大切なんだね…
もういいよ…分かったから…
ロボ子との世界、もう一度作ってやるよ…。
ロボ子とよろしくやってなよ…。
僕はもう…。
もう僕の事を忘れてくれ…。
ごめんな…。大人げないことして…。
…。
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「勝手に仕切りやがって…お前友達居ないだろ…」
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はぁ…。そうだよな…。
ごめんな…。俺の都合良く、あんなおかしな真似してさ…。
もう俺、人生疲れてんだ。
なんか…俺にも何か出来るかなって思って生きてた…。
俺はオナニーしかできないみたい…。
バカみたいだよな…。
ごめん…。
ごめんな…。