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「決戦!!グランバラン」の巻

作者: 累ヶ淵

マナ、ファンケル、ガイルの3人は、魔王グランバランを倒すための旅を続けていました。彼らは、魔王城にたどり着くまでにいくつもの試練を乗り越えなければなりませんでした。


まず、彼らは「暗黒の森」を通過しました。この森は、昼間でも薄暗く、恐ろしい魔物たちが潜んでいました。マナの魔法の光で道を照らしながら、ファンケルの剣で魔物を退け、ガイルが盾で仲間を守りながら進みました。


次に、彼らは「炎の山脈」に差し掛かりました。ここでは、溶岩が流れる危険な道を進まなければなりませんでした。ガイルが先頭に立ち、溶岩の飛沫を盾で防ぎながら進みました。ファンケルは、剣を使って岩を砕き、道を切り開きました。マナは、冷却魔法を使って溶岩の熱を和らげました。


最後に、彼らは「氷の洞窟」を通過しました。この洞窟は、氷の壁が迷路のように入り組んでおり、寒さが厳しかったです。マナの火の魔法で道を温めながら進み、ファンケルが氷の壁を剣で砕いて道を作りました。ガイルは、氷の魔物から仲間を守りながら進みました。


こうして、数々の試練を乗り越えた3人は、ついに魔王城の前にたどり着きました。彼らは、これから待ち受ける最終決戦に向けて、決意を新たにしました。

魔王城の扉がゆっくりと開かれる音が響いた。


私たち3人は、その向こうに魔王グランバランが待っていることを知っていた。


私たちのパーティは、アタッカーのファンケル、長身の剣術使い。ディフェンダーのガイル、ニヒルなハンサム。そして私、マナは後方支援、攻撃魔術、治癒魔術を担当している。


魔王のいる玉座の間に入るには、大きな扉の両脇に立つ2体のガーディアンを倒す必要がある。


そのガーディアンは、6本の腕にそれぞれ異なる武器を持ち、計12本の武器がそれぞれ別の意志を持っているかのように襲ってくるという。


戦闘が始まった。


息もつかない直接攻撃だ。


防御力もカッチカチ!


ファンケルの攻撃が入っても、キーンと金属音がして剣が跳ね返る。


戦闘シーンは割愛させていただくが、切って切られて、殴り殴られ、回復させての体力を削り合う持久消耗戦が続いた。


3時間47分38秒。


ある意味死闘の末、やっとガーディアン戦に勝利した。おめでとう。


しかし、ガーディアンとの闘いはもう二度とやりたくない。戦いの間、食事どころか休憩すら許されない地獄のような時間だった。


戦闘が終わり、私たちは精根尽きて立っているのがやっとの状態だ。私はフルポーションを取り出し、ファンケルとガイルに渡した。


「サンキュ、マナ」


ファンケルは一気に飲み干すと、体が蒼白く光り、体力と魔力を回復させた。ガイルがフルポーションを飲み終わるのを確認してから、私も口にした。


『うう、染みわたるぅぅ。』


いよいよ最後の決戦だ!本当は休憩もしたかったが、日帰りのプランだったため、タイムスケジュール的にもすぐに取り掛かる必要がある。


思ったよりガーディアン戦に時間を食ってしまった。私たちは大きな扉を開け、魔王の玉座の前に立った。


玉座には魔王グランバランが鎮座していた。先程のガーディアン程の大きさはないが、その圧倒的な威圧感はこれまでの強敵とは比べ物にならない。

ゴゴゴゴゴ…


地鳴りのような空気の振動が体の芯を痺れさせる。これが魔王グランバランか…。私はファンケルがツバを飲むのを確認した。そして剣を魔王に向け叫んだ。


「これが最終決戦だ!行くぞ!!」


「おう!」


『うん!』


互いに顔を見合わせると、微笑みさえ浮かんだ。この瞬間が、私たちの冒険の中で最も重要な瞬間であることを感じた。


魔王グランバランとの壮絶な戦いが繰り広げられた。大太刀からの強力な物理攻撃、爆裂魔法、連射熱線と、魔王の攻撃は隙がなかった。


しかし、私たちはファンケルの剣と魔法を駆使して応戦した。魔王に攻撃が当たると、ファンケルの剣は魔王にダメージを与え、魔法も効果があるように見えた。


私は詠唱を続け、ファンケルは剣を振りかぶり、ガイルは盾で攻撃を受け止めた。そして、私たちは徐々に優勢になっていった。


ファンケルは剣に鋭さを見せ、積極的にアタックを始めた。私も受けに回っていた魔法を、隙を見ては攻撃魔法を織り交ぜて詠唱するようにした。魔王グランバランはいまだ力強いながら、時折私たちの攻撃によろめきを見せていた。


私は詠唱を続け、魔法の力を集めていた。しかしその時、魔王グランバランの指から黒い闇の球体が私に向かって放たれた。


『やばっ!!』


ファンケルの剣とガイルの槍がその球体を防ごうと伸ばしたが、届かなかった。私は死の宣告を受けてしまった。


『くっ!!』


痛みがあるわけではない。ただ体の奥底が細い糸のようなもので引かれる感覚を覚えた。


「マナ!!」


ファンケルが私に振り返って叫んだ。


『大丈夫!』


私は構わず詠唱を続けた。残された時間以内に魔王グランバランを倒せば、死の宣告は解呪されるはずなのだ。私たちは最後の一矢を放つ覚悟で立ち向かった。


魔王グランバランの大太刀がファンケルに向かって振り下ろされた。


グワァガンッ!!!!!


ガイルがファンケルの前に立ち、大盾で攻撃を受け止めた。衝撃にガイルの体が沈み込んだ。


「護りは全部俺に任せろ!ファンケル殿、お主は攻撃に集中されろ!!」


「わかった!!」


ファンケルは魔王グランバランに向かって飛翔した!風の加護によって、ファンケルの動きが空中で加速された。魔王グランバランは多方角魔法フレイムデスラインで迎え撃った。次から次に現れる魔方陣がファンケルを囲み、魔法攻撃が繰り出された。攻撃の度、ファンケルは翻り魔方陣に剣を突き立てた。バリン、パリンと音を立てながら壊れていったが、無情にも際限なく魔方陣が発生した。


「埒が明かんな」


ファンケルはそういうと剣を両手で立て、先端に気を込めた。


『ヤバっ!』


私は咄嗟に内ポケットからサングラスを取り出した。


「はああああっっっ!!!」


眩いばかりに光を放ち、辺り一面魔法陣をかき消した。


『やるんなら教えてって、何度も言ってるじゃん!』


「すまん。」


ガイルは目をしばしばさせて明らかに目が眩んでいる。


『このバカ!防御力低下じゃない!!』


「すまん。」


『すまんすまんで、済ませてたからラスボス戦でもやるんでしょ。このバカンケル!!』


「お主ら、喧嘩しながら戦うでは御座らん。」


とガイルは言いつつも、情勢は徐々に私たちが優勢になっていった。ガイルが魔王グランバランの攻撃を抑え込み、ファンケルが息もつかぬ攻撃の嵐、そして私は状況に応じて、攻撃、回復、支援と魔法詠唱を続けた。魔王は腕を落とし、障壁で身を防ぎやっと抵抗しているという状態だった。


そして、ついにその時がやって来た。


「これで最後だぁっっっ!!!」


ファンケルが剣を大きく振りかぶり、魔王を一刀両断、、、、かと思った瞬間、床一面が光りだし魔法陣が現れた。


『マズっっ!』


転移魔法!!!


「クソおぉぉっっっ!!!」


ファンケルの剣は空振りをし、地面に突き刺さった。


私たちは深い森の中に投げ出された。


セコい。これが魔王のすること?敗戦濃くなったからといって、戦闘放棄とは。。。あとチョットだったのに。。。


ファンケルは岩に向かい衝撃波を放つ。岩は木っ端微塵となり、辺りに飛び散った。ガイルは盾を地面に突き刺し無言のままその場に座る。そして空を仰ぎ大きくため息をついた。


私は先程までの緊迫した戦場から開放され、その場に立ち尽くした。杖を立て両手で体重を預けながら二人の様子を眺めていた。息を大きく吸うと緑の香りがする。小鳥達の歌声が聞こえてきた。心を落ち着かせて気持ちを整えた。


うん、とりあえず良しとしよう。今はボロボロだけど、全員無事五体満足だし、あと一歩で勝てたんだから次は転移魔法対策をすればなんとかなるね。取りあえず町に戻って、体を休まなくっちゃ。計画は練り直しが必要ね。ガーディアンが復活していなければいいけど、それは望み薄か。となると装備も自然治癒系の物にして、回復のアイテムも補給しなければいけないわ。討伐が失敗した上出費が重なる。はぁぁ、頭が痛いわ。でも、まぁ、戦略は立て易くなったわ。


私はさっきまで行われていた激戦を振り返ってみた。


あっ。


ファンケルが八つ当たりを止め、こちらに近寄って来る。それを見てガイルも立ち上がり、お尻に付いた土を払う。私は二人の顔を見て泣きそうになった。


『ファンケルぅ、ガイルぅ、私、私。。。。』


死の糸は私の魂を身体から引き離し、全ては暗闇となった。

マナ、ファンケル、ガイルの3人が、数々の試練を乗り越え、ついに魔王グランバランとの最終決戦に挑む姿は、これまでの冒険の集大成です。彼らの友情と勇気、そして困難に立ち向かう力を描くことで、読者の皆様に感動と興奮をお届けできたことを願っています。


物語の結末で、マナが死の宣告を受けてしまうというバッドエンドを選びました。これは、必ずしもハッピーエンドだけが物語の魅力ではないという考えからです。人生には予期せぬ出来事や悲劇がつきものです。それを乗り越える力や、仲間との絆が試される瞬間があるのです。


マナの死は、彼女の仲間たちにとって大きな試練であり、彼らの成長と次なる冒険への布石でもあります。悲劇的な結末が、物語に深みを与え、読者の皆様に強い印象を残すことを意図しました。バッドエンドもまた、物語の一つの形であり、そこから新たな希望や物語が生まれることを信じています。


この短編集を通じて、私自身も多くのことを学び、成長することができました。物語を書く過程で、キャラクターたちと共に冒険し、彼らの成長を見守ることができたのは、私にとっても貴重な経験でした。


最後に、この短編集を支えてくださった全ての方々に感謝の意を表します。読者の皆様からの温かいフィードバックや応援が、私の創作活動の大きな励みとなりました。今後も皆様に楽しんでいただける作品をお届けできるよう、精進してまいります。


次回作もどうぞお楽しみに!

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