第21話「全員敗北 Part.2」
今回はルークにライバルが登場します!
「遠方から・・・・とんでもない奴が来るとは聞いていた。その第1号は君ということか。」
「・・・・」
王牙は何も言わずに私の前で立ち尽くしている。
(すごい・・・パパより背高い人、初めて見たかも・・・・)
メアリは私より背の高い男を見て、まじまじと王牙を見ていた。すると、王牙はギロリとメアリを睨んだ。
「ヒィッ!!」
怖がったメアリは私の後ろに隠れた。
「・・・・ニューヨークに、強い者がいると聞いて来た。それが、お前か。」
「・・・そう思ってくれているなら嬉しいよ。」
「今すぐにでも、立ち合い・・・・いや、闘争を始めたい。」
“闘争”・・・・そう言った王牙の目は闘志をギラギラと燃やした男の目だった。それを見た瞬間、私は身震いした。恐怖を感じたんじゃない。嬉しくてたまらなかったのだ。
こんなに嬉しくさせる男が、この世にいたなんて・・・・この男と戦える・・・・!そう思うだけで全身がゾクゾクする・・・!
「ここじゃ人が多い・・・・人気のないところへ移ろう。」
私ははやる気持ちを抑えながら、王牙を人気のない場所へ連れて行った。
連れて行った場所は、採掘場だ。ここなら人気もないし、障害物もそれほどない。ここなら思い切り戦える。
「メフィスト、いくぞ。」
『ああ・・・・言っておくが、あいつ、かなりヤバイぞ。』
「それはわかってるよ。でも、だからこそさ。」
『・・・そうか。』
(あの王牙という男のすぐ側に悪魔の気配を感じる・・・・それも強大で、恐ろしい・・・・私もよく知っているような・・・気のせいか?)
メフィストは何やら王牙に違和感を抱きつつ、身体をファウストスーツに変化し、私に装着させた。
「メアリ、隠れてなさい。」
「う、うん・・・・」
(・・・どうして?パパがあの人に勝つ姿が見えない・・・・)
メアリも何か違和感を感じつつ、私の側を離れ、物陰に隠れた。
「さぁ、やろうか。」
私は構えを取りながら、じりじりと王牙に近づく。対し、王牙は何もしなかった。ただ仁王立ちしているだけ。
(構えない・・・?私の様子を伺っているにしては不用心すぎる・・・・ならば、先手必勝!!)
私は一気に王牙の間合いに近づき、ストレートパンチを一閃する。
だが、その瞬間、私はもの凄い衝撃にぶち当たり、逆に突き飛ばされた。
「なっ・・・!?ぐあぁぁぁぁぁぁ!!」
「パパ!」
私は地面を転がりながらも、立ち上がり、再び構え直す。
(どういうことだ・・・!?今のは一体・・・・)
あの瞬間、王牙は何もしてこなかった。というより、王牙の前に作られたバリアのようなものが、私の攻撃を防ぎ、私を突き飛ばした・・・・といった方が近い・・・・
(だったら・・・こいつだ!)
「メフィスト、筋力強化だ!」
私の呼びかけに応じ、メフィストは「筋力強化」のアーツを発動した。「筋力強化」で私の筋肉が2倍にまで肥大化し、それに応じて身体も大きくなる。
「デモンズラッシュ!!」
私は再び王牙の間合いに飛び込み、今度はフック、ボディ、アッパー、ストレートなど、ボクシングのありとあらゆるパンチを両手で交互に連続して繰り出す技、「デモンズラッシュ」を叩き込む。だが、攻撃が届かない。パンチが王牙の手前で止まってしまう。まるで王牙の目の前に巨大な壁が現れ、その壁に拳を叩き込んでいる感触だ。
(なぜ・・・なぜ攻撃が届かない!?まさか、バリアでも張れるというのか・・・!?なら、遠距離からだ!)
「メフィスト!」
『よし!』
スーツの腕が鞭のように伸び、しなる。それを用いて鞭のように王牙に攻撃する。だが、それでも攻撃が王牙に届かない。
「何故・・・何故だ!?」
「我がアーツは『闘気』!!」
私の疑問に、王牙が答えた。「闘気」・・・・リンから聞いたことがある。人体に流れるエネルギーのことで、中国の拳法家はこれを利用して攻撃や怪我の治療を行える。
『闘気・・・・!そうか、わかったぞ・・・奴から匂う悪魔の気配の正体が・・・・!!』
そこに、メフィストがブツブツと呟いた。
『出てこい!いるのはわかっているぞ!!バルバトス!!』
と、メフィストは王牙に向かって叫んだ。私は訳が分からず、王牙の方へ顔を向けた。すると、王牙はニヤリと笑った。
「さすがは自称天才科学者だな・・・・バルバトス、ご指名だ。」
『うむ・・・・』
すると、王牙の影の中から一体の悪魔の姿が現れた。その悪魔は龍と人を足したような姿をしており、王牙のようにマントを羽織り、全身に厳つい鎧を装着している。
『我、ソロモン72柱の一角、闘神バルバトスであるッッッ!!!』
バルバトスは叫んだ。そして、その叫びと同時にバルバトスを中心に巨大な衝撃波が放たれた。
「きゃっ!!」
「くっ・・・・!!」
凄まじい衝撃波に、私とメアリは吹き飛ばされそうになる。
「な、なんだ・・・!?この衝撃は・・・・!!」
『これが奴のアーツだ!奴のアーツは「闘気」!その名の通り「闘気」を自由自在に操ることができる上に、奴が少し叫んだだけでもその力の一部が解き放たれるほどだ!!』
メフィストの説明を聞き、私は戦慄した。
今のでほんの一部・・・・?ということは、本気を出せば私などは立っていられない。それどころか、一息に殺されているかもしれない。
「あ、あれがほんの一部だと・・・・?」
『だが解せぬ・・・!バルバトス!貴様、なぜ人間に味方している!?貴様は人間如きの小さい争いなど興味がないと言っていただろう!!』
メフィストは自分が感じていた疑問を、バルバトスにぶつけた。すると、バルバトスは笑った。
『ククッ、それを・・・・人間に味方している汝が言うのか?』
『くっ・・・!!』
『よかろう、教えてやろう。我は・・・・この漢の使う拳法に惚れた。』
「け、拳法・・・?」
バルバトスの答えに続くように、王牙も答え始めた。
「俺の拳法は”羅刹剛拳”!!中国拳法の一派であり、「闘気」を用いた戦闘を得意とし、攻防一体を備えた最強の殺人拳だ!!」
『「闘気」を用いた拳法に、「闘気」のアーツ・・・・つまり!』
メフィストは王牙の拳法の内容と、バルバトスのアーツの繫がりから答えを導き出した。
『そうだ。我のアーツと・・・・』
「俺の羅刹剛拳・・・・二つが合わされば最強となる!俺はこの力で世界の全てを手に入れる!!」
『そして、こいつが世界を手に入れようとすれば、世界の軍隊が黙ってはいない。毎日毎朝毎晩・・・・!戦いが繰り広げられる!我が欲した闘争が手に入るのだ!』
二人の言うことをわかりやすく言うならば、「利害一致」・・・・いや、「自分の欲の為に互いを利用しあう」と言った方が正解だ。
二人の関係は私とメフィストによく似ている。だが、違うのはその強さ、信念の違い・・・
『そういうことか・・・・フン、貴様らしい答えだな、バルバトス!』
『口に気をつけよ、三下。我らと貴様らの戦力差・・・・わからんわけではあるまい。』
『くっ・・・・』
バルバトスの言う通り、私達と彼らの戦闘力は天と地の差がある。だが・・・!
「だからといって・・・・はい、そうですかと諦めるわけにはいかないな!」
『ルーク!?貴様・・・・!?』
「これは格闘家として、ヒーローとしての答えだ!王牙!君の野望を聞いた以上、見逃すわけにはいかない!」
私は王牙に向かって啖呵を切り、再度構える。
すると、王牙はフッとため息をつき、目を閉じた。
「・・・・愚か者めがッ!!」
そしてカッと目を見開き、右手に闘気を溜めた。
「羅刹掌ッ!!」
王牙は右手を前に突き出した。それと同時に手のひらから巨大な闘気の塊が私目掛けて放たれた。
「!!」
私は横に跳んでそれをよけた。だが、よけた時に少しだけ左手がかすった。
「くっ・・・!!ぐあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
その時だった。左手に痛みが走った。まるで左手の骨をハンマーで叩かれたような・・・・
『ひ、左手が折れている!?かすっただけで・・・・!?』
メフィストの言う通り、私の左手は折られていた。確かに左手の感覚が無くなって、指が動かない、手首のスナップもできない。
ただかすっただけでこの威力・・・もし全身でくらっていたらと思うとゾッとする。
「なぁに・・・・ただ左手が折れただけだ!メフィスト、『速度強化』だ!」
「今の喰らってもまだ立ち向かうか・・・・その意思は褒めてやろう!」
王牙はそう言うと、再度右手に闘気を溜め始めた。
「させるかッ!!」
私は闘気が溜め終わる前に「速度強化」のアーツで一気に近づく。
「羅刹掌!!」
「!!」
王牙の羅刹掌が、間合いに近づいた私に向かって放たれた。
『ウェーブブースト!!』
その時、私の左肩からメフィストの口が現れ、「音波」のアーツでブーストをかけ攻撃を回避した。
「ありがとう、メフィスト!」
『お前を心配したわけじゃないからな!とにかく、奴は手に入れたアーツを駆使しなければ倒せん!』
メフィストの言う通りだった。私は今までドレインバングルで手に入れたアーツを使わないで戦ってきた。それは、私自身の力だけで相手と真剣勝負をしたいからだ。それに奪った力を使って圧倒するのはフェアな戦いとはいえない。だから私はよっぽどのことがない限り、手に入れたアーツは使わないと決めた。
だが、こいつは・・・王牙にそんな私の考えは通じない。私が得た物を総動員しなければ・・・負ける!!
「『音波』のアーツを攻撃ではなく回避に利用するとは・・・・やるな。」
「私は必死だからな!」
(まずは、彼を守っている闘気のバリアをどうにかしなければ・・・・一つ破れる可能性があるのは・・・あの技だ。)
王牙の闘気のバリアを破ることができる技・・・・恐らく、「デモンズスクリュー」のみ。
だが、破ったとしてもすぐにバリアを張ってしまうだろう。そうなる前に、バリアを破った後、すぐさま攻撃を加えなければならない。
(賭けるなら・・・これしかないか!!)
「メフィスト、『筋力強化』に『速度強化』を最大で頼む。」
『・・・・生身の人間が耐えられるとは思えんが・・・自己責任だぞ。』
メフィストはそう言うと、「筋力強化」と「速度強化」のアーツを最大まで引き上げた。
「くうっ・・・・!!うおおおおおおおおおおっ!!!」
一瞬、私の身体に痛みが走るも、それを上回る強大な力が沸き上がってくるのを感じた。
私の身体は3倍にまで肥大化し、両脚は獣のような異形の足に変身した。
「羅刹掌連打ァッ!!」
王牙は闘気の塊を飛ばす技、羅刹掌を連発する。私はそれをかいくぐりながら王牙の元まで近づく。
筋肉が肥大化したことで移動速度は落ちるが、「速度強化」のアーツでそれを補い、肥大化した肉体を保ちながら高速スピードを出すことができる。
「デモンズ・・・スクリュー!!」
王牙の間合いに入った私は、足を一歩踏み込み、体重とスピードを乗せたコークスクリューを繰り出す。
私が繰り出した一撃によって、王牙を守っていた闘気のバリアが音を立てて破れた。
「ぬうっ!!」
「まだだ!!」
私はそのまま跳び上がり、左、右と力を込めた蹴りを叩き込む。
『3連撃!!』
「まだまだァァァァ!!」
宙を反転し着地した後、一回転しながら、すぐさま懐に飛び込み・・・・回転しながらの前進とコークスクリューの回転を合わせた2重の回転力・・・!それに加えた筋力、体重、スピードを合わせた一撃!
「ツインスクリュー!!」
土壇場で生み出した新しい技を、王牙に叩き込んだ。今、この状況で私が出せる最大最強の技だ。
「・・・・見事だ。だが、所詮はその程度だ。」
しかし・・・王牙はこの技を喰らってダメージ一つなかった。
「な、なにっ!?」
「バリアを破壊した後、すぐさま追い撃ちをかけたのは上等だった。だが、今の一撃を撃つ際、貴様の心に一瞬の迷いが生じていた。『これで倒れなかったら』、『これが外れたら』、『負けてしまったら』などと思った・・・・違うか?」
「・・・・!!」
王牙の言い分に、私は何も言えなかった。確かに、新しい技を繰り出す際、一抹の不安があった。失敗したらどうしよう・・・・そう思ってしまった。
「阿呆がッッ!!!」
私の心を見透かしたのか、王牙は大声を上げ、腕を振り上げて全力のパンチで私を殴り飛ばした。
「うあああああああ!!」
殴り飛ばされた私は、5メートルほど吹き飛ばされ地面に倒れた。
「かはっ!!」
『ぐはっ!!』
私はマスクの下から血を吐いた。メフィストもかなりのダメージを負ったようだ。
私が倒れたことで、「筋力強化」と「速度強化」のアーツが切れ、元の身体に戻った。
「なんと惰弱な・・・・こんな奴に期待した俺がバカだったか。」
王牙はそう言いながら、私の元に近づいて来た。
「せめて、俺が作る新しい歴史に・・・・名前だけは刻んでやろう。」
王牙は私の頭を掴み、上に持ち上げた。それと同時に、左手に闘気を溜め始めた。
私を0距離からの羅刹掌で殺す気なのだ。こんな男に殺されるなら、悪くない・・・と思ってしまった自分が憎らしい。だが、完敗だ。この男に勝つ術は・・・・ない。
と、その時だった。王牙の身体に小石が当たった。
「・・・?」
王牙は後ろを振り向いた。そこにはメアリが立ちはだかっていた。メアリの腕には一杯の小石を抱え、片手で小石を掴み、振り上げている。
「それ以上、パパに何かしたら・・・・私が許さないから!」
メアリは王牙の前で啖呵を切った。だが、メアリの両足は震えている。怖いんだ。それは当然のことだ。人をパンチだけで5メートルも殴り飛ばす奴を怖がらない奴なんていない。
「メ・・・アリ・・・早く、逃げ・・・ろ・・・・!」
私は頭を掴まれながらメアリに逃げるように促す。だが、メアリは聞かず、王牙に石を投げた。
「・・・小娘、本気か?」
「あ、当たり前じゃない!私、本気だから!本気でアンタを倒すから!」
メアリは王牙に向かって叫び、次々と石を投げてはぶつけていく。
「・・・面白い。」
王牙はボソリと呟くと、私を放り投げ、メアリに近づいていく。
「や、やめろ!!王牙、その子だけは殺さないでくれ!!私の娘なんだ!!どうか・・・・頼む!!」
私は王牙に向かって懇願する。だが、王牙はそれを無視して進む。
「この俺に反抗の意思を示すか・・・・やるではないか。」
王牙はボソリと呟く。それに対しメアリは石を投げるが、ついに無くなってしまい、ポケットから護身用の果物ナイフを取り出し、切っ先を王牙に向けた。
メアリの目は近づいてくる王牙を捉えている。その目に恐怖は見えない。だが、体の方は違った。足が後ろに下がっていた。どれだけ強がっても、本心では怖がっている。草食動物が肉食動物を恐れるように、恐怖とは野性的な本能なんだ。だからメアリも恐れているんだ。
「小娘、お前も父親と同様・・・俺の作る歴史に名を刻んでやろう!」
王牙はそう言って、メアリに向けて手をかざした。羅刹掌で殺す気なんだ。
「やめろ・・・!やめろっ!!」
『貴様ァ・・・!メアリに手を出してみろ!ただではすまんぞ!!』
私はなおも懇願する。だが、王牙の手に闘気が溜められ、今にも放たれそうになる。
羅刹掌が放たれたのなら、メアリの体はバラバラに砕け、地面に倒れ、虚ろな目をしながら・・・・私とメフィストはその光景を見ることになる。
そんな光景・・・そんな光景は・・・!嫌だ!
「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
私は叫び、立ち上がり、手を前に突き出した。
すると・・・・私の手のひらから青色の閃光が飛び出し、王牙を吹き飛ばした!
「ぬうあっ!!」
王牙は3メートルほど吹き飛ばされるも、すぐさま体勢を立て直し、地面に着地する。
その間、私とメフィスト、メアリはポカンと口を開け、呆然としていた。
「い、今のは・・・・!?」
私はすぐさま自分の両手を見た。すると、両手から煙が上がっていた。まるで沸騰したお湯のように。だが、不思議と熱くない。むしろ冷たい。まるで冷水のように・・・・
『こ、これは一体どういうことだ!?』
頭の良いメフィストも、理解できていないようだ。
「それが闘気だ。」
すると、王牙が一言呟いた。
「闘気・・・・これが・・・?」
私が放ったのは闘気・・・・今まで味わったことのない感覚だ。
(間違いない・・・今のは間違いなく羅刹掌だった。こいつは、俺の技を見ただけで自分の物にした・・・・!なんという男だ、こんな男がいたとは・・・・!)
「ククク・・・クハハハハ・・・・フハハハハハハハッ!!ハーハッハッハッハッハッハッ!!!」
王牙は突然高笑いを浮かべた。
「大したタマだ・・・・ルーク・エイマーズ、メアリ・エイマーズ、貴様らのことは覚えておいてやる。そして・・・俺を一瞬だけ楽しませた礼だ。見るがいい、この俺が鬼と呼ばれる由縁を!!」
王牙はそう言うと、マントと兜を脱ぎ捨て、私達に背中を見せた。そして、私はその背中を見て驚愕した!
「こ、これは・・・!」
「お、鬼が・・・!」
『取り憑いている!!』
王牙の背中には、巨大な火傷があった。その火傷の形は、まるで鬼の顔のようだった。王牙が鬼と呼ばれる由縁・・・・それは王牙自身の強さと、この背中に取り憑いた”鬼”から取られているんだ・・・!
「さらばだ。」
王牙は私達に背中の”鬼”を見せ終わると、再びマントを羽織り、その場から立ち去った。
『・・・・な、なんとか、なったのか・・・・』
メフィストは安心したのか力を抜き、腰を地面に下ろした。
「メアリ!大丈夫か!?」
私はメアリに駆け寄り、安否を尋ねた。すると、メアリは両目に涙を浮かべ始めた。
「こ、怖かった・・・!で、でも、私・・・な、泣いてない、から・・・!!」
メアリは涙を流しながら強がりを言ってみせた。涙が出るのを堪えようとしているが、涙はポロポロと地面に落ちている。
よっぽど怖かったんだろう・・・
「・・・よく泣かなかったな、えらいぞ!」
私はその姿を見て、メアリをギュッと抱きしめ、慰めるように頭を撫でた。
『それにしても・・・・この人間界にあんな奴がいたとは・・・!』
「本当だな・・・・これは、大きな課題ができたな。」
「課題って・・・パパ、まさか!?」
メアリは私の一言を聞き、私が何を考えているか察した。
「ああ・・・必ず、彼を倒す!」
この日、私は誓った。必ず王牙を越え、彼をこの手で倒して見せると・・・・!
王牙のモデルは「北斗の拳」の拳王様ことラオウ。今回の話を読んだ時点で分かった人がいるかもしれませんが・・・
他のライバルキャラ4人が濃いので、それに負けないぐらいのキャラを作ろうとした結果、世紀末覇者になりました(笑)




