第12話「心の中のヒーロー」
今回もロック回です。今回は「ヒーローとはどういうものか学ぶ」回でもあります。
本編の最後に、おまけ的なもの・・・というか、後々出てくるキャラが台詞のみで登場します。
よぉ!俺ぁ、ロック・オルグレンだ。覚えてっか?・・・・えっ?なんで今回もおっさんじゃなくて俺なのかって?そんなの、決まってんじゃねぇか!今回も俺が主役だってことだ!!
つーわけで、前置きはこの辺に終わりにして本題に入るぜ!これは、俺のとある1日の話だ・・・・
天気のいい朝・・・・俺は目覚まし時計の音で起こされた。
「ふあ~あ、もう朝か・・・・・ん?」
俺は寝起きのだるい体を動かして、目覚まし時計の時刻を見た。時間は、もう9時半になっていた。
「やっべ!もうこんな時間かよ!?」
俺は寝坊して事務所の仕事すっぽかしちまったのかと思って、急いで起きて部屋を出た。
「やべぇやべぇ!!仕事すっぽかしたら、おっさんに怒られちまう!!」
俺は慌てながら廊下を走った。で、途中にあるメアリの部屋の前を通り過ぎようとした瞬間、メアリの部屋のドアが開いた。
「へっ?ごぶはっ!!」
呆気にとられてる間に、俺はドアに顔をぶつけ、その場で転んだ。
「あれ?ロック起きたの?おはよ!」
「お、おう・・・・」
メアリは俺に気づき、ニコッと笑いながら朝の挨拶をした。俺はドアに顔ぶつけた影響で、鼻から血を出しながら挨拶を返した。
「って、こんなことしてる場合じゃねぇ!仕事いかねーと怒られちまう!!」
俺は今、急いでることを思い出し、再び走り出そうと、立ち上がった。
「えっ?今日事務所休みだけど?」
「えっ?」
メアリの言葉に、俺の足は止まった。
「昨日、パパが言ってたじゃん。今日は事務所は休みだって。」
「昨日・・・・」
俺は顔を上に向けながら、昨日のことを必死に思い出そうとした。・・・・確かに、思い返してみれば、言ってた気がする。確かその時、おっさんは「『パラディンフォース』の休日は1週間に1回だ」って言ってたような・・・・
「言われてみれば・・・・なんだよ、慌てて起きて損したぜ。」
俺がため息混じりで言うと、メアリは笑った。
「フフッ、まぁいいじゃん!日本だとこういうのって『7文の得』っていうんだよ。」
「ナナモン・・・?よくわかんねーけど、すげぇ!」
※正しくは「早起きは三文の得」
「にしてもなぁ・・・・早く起きてもやることねーんだよなぁ・・・・そういや、他のみんなは?」
「パパとリンお姉ちゃんは買い出し、後、ルイスは前にナンパした女の子とデートだって。メフィストは発明の材料になる物を探すって言って、ゴミ捨て場行ってる。」
メアリからみんなの休日の過ごし方を聞いて、俺は少し感心した。みんな結構休日を満喫してるっぽい。
「俺はどうすっかなぁ・・・・」
(久しぶりに「デラシネ」に行ってみるか。)
俺は、昔地下で闘技場をやっていたバー「デラシネ」を思い出して、そこへ久しぶりに行こうと思った・・・・と思ったら、メアリが・・・・
「あっ、もしやることないんだったら・・・・私とデートしない?」
その台詞を聞いた瞬間、俺は一瞬耳を疑い、頭の中が真っ白になった。
「・・・マジ?デート?」
「マジですけど?」
俺は聞き違いかと思って、なんとか心の中で平静を保ちつつメアリに確認した。
結果、メアリは即答した・・・・
(よっしゃああああああああ!!メアリとの初デートだあぁぁぁぁぁぁ!!)
俺は嬉しさと喜びのあまり、心の中で声ではち切れそうになるぐらい叫んだ。最悪、泣いちまうかもしれない・・・・
「用事あるなら別に・・・・」
「行かせていただきます!」
俺は食い気味に答えた。
その後、俺とメアリは出かける準備をし始めた。
「よし・・・・完璧だ。」
先に準備が終わった俺は、先に外へ出てメアリを待った。
歯はちゃんと裏まで洗った。髪も整えたし、顔も石けん使って洗ったし、シャワーもした。服もキレイな奴にしたし・・・・匂いやら服やらで嫌われる可能性はないはず・・・・
「お待たせー!」
後ろからメアリの声が聞こえて、俺は振り向いた。その瞬間、俺は目を奪われちまった・・・
メアリの服装はピンクのTシャツの上に青のジャケット、下は裾が広がったパンツ・・・・キュロット?っつーのを履いてて、足には黒のストッキングを履いてる。ちなみにジャケットの胸の所にはスパイダーマンの缶バッジがついてた。
「~~~~ッ!!」
俺は声にならないような声を出しちまった。その理由は、私服を着たメアリの姿に見とれちまったからだ。
実を言うと、俺はメアリの私服姿を見たことがなかった。家にいる時は、大概袖の長いTシャツにハーフパンツを着ていることがほとんどで、朝飯を食った後、俺ら「パラディンフォース」は事務所の方に移動して、メアリは部屋の方で着替えて、裏口から出て行くから、見る機会がほとんどなかった。
「・・・破壊力・・・・抜群・・・・!!」
メアリに見とれた俺は、その場に倒れた。メアリのファッションセンスは、他の奴らから見たら、「普通」って言われるかもしれねぇ。でも、俺にとっては破壊力抜群のファッションをしていたことには変わらない。というより、好きな女の服装なんて、どれも破壊力高いに決まってるからな・・・・・
「ロック!?だ、大丈夫!?」
倒れた俺に驚き、メアリは急いで俺のところに駆け寄った。
「だ、大丈夫だ・・・・!」
本当は大丈夫じゃねーけど、俺は強がってみせた。つーか、近づかれたら余計にダメージが・・・・
「服装・・・・変だった?」
メアリは申し訳なさそうに謝る感じで、俺に聞いてきた。
「いや!そんなことねぇ!すっげぇかわいい!!」
俺はメアリを傷つけちまったと思って、思い切って、思ったことを口に出した。
すると、メアリは「かわいい」って言われて照れくさかったのか、顔を少し赤くして、ニカッと笑った。
「えへへ・・・ありがと♪」
メアリは笑顔で俺にお礼を言った。その時の笑顔はすっげぇかわいくて、まるで天使みてぇだった・・・・その笑顔を見ちまった俺は・・・
「ぶほぁッ!!」
メアリのあまりのかわいさに思わず口から血を吐いた。
「キャーーー!!ロック、どうしたの!?」
「な、なーに、ちょっとした貧血で・・・・ごふっ!!」
メアリを安心させようと俺は強がってみせたが、また口から血を吐いた。
「ギャーーーーー!!」
それから俺は2分間血を吐き続け、なんとか吐血が収まり、デートを始めることにした。
「ほ、本当に、大丈夫?」
「なーに、大丈夫だぜ・・・・ちょっと血が足りなくて、頭がクラッとするけどよ・・・・」
俺は吐血のせいで少しやつれながらも、メアリと隣り合って歩いていた。好きな女とこうして歩けるなんて・・・・それだけで俺は、また血を吐きそうだ。
「あっ、ここ!」
メアリはある店の前で足が止まり、店の看板を指差した。その店の名前は「Hero Park」。ヒーローもののコミックを多く取り扱っているコミックショップだ。
「ここに来たかったのか?」
「うん!ここ結構穴場なんだよ!有名なヒーローから結構マイナーなヒーローまで、幅広いコミックが置いてあるんだよ!」
メアリはそう言って、目をキラキラと輝かせた。
「へぇ、すげぇな。」
俺は相槌を打った。実を言うと、俺、あまりヒーローの漫画とかってあんまり興味はない。
大体、俺はおっさんに会うまでストリートチルドレンとして生きてきて、漫画を読む機会がなかったんだ。
(それにしても、メアリ、女の子なのに少女漫画とか読まねーのかな・・・)
俺はふとしたことを少し気になりながら、メアリと一緒に店の中に入った。
店の中は名前の通りヒーローものの漫画ばっかで、他には読書スペースと自販機、それにレジと小さいがヒーローグッズのコーナーがある。
「うわっ、こりゃあすげーな。確かに、ヒーローオタクには穴場だな。」
「でしょでしょ!?私、新作コーナー見てくるから!読書スペースのところで待ってて!」
メアリはそう言うと、俺の有無を言わさず、新作コーナーへと直行した。
「ったく、ヒーローのことになると、夢中だなぁ・・・・」
俺はメアリの勝手なところにため息をつくが、同時にそれが愛らしく思えた。
俺は、ただ読書スペースで待つのも暇だと思い、店のコミックを物色することにした。
「はー、こうしてみると、ヒーローにも色々いるもんだなぁ。」
俺は並べられているタイトルを眺めながら、小さく独り言を呟いた。しかし、漫画の中とはいえ、ヒーローの数はかなりいる。並べられているタイトルは「スパイダーマン」、「アベンジャーズ」、「X-MEN」・・・・上げていったらキリがない。
(どれか一つ読んでみるかな・・・・でも、どれが面白ぇのかわかんねーし・・・・)
「ん?」
何を読むか迷っていると、俺の視界に小さくて細い箱が見えた。その箱には「第一巻無料BOX 読み終わったら箱に戻してください」と書かれていた。
「一巻だけ無料・・・・」
それを手に取って見てみると、箱に入っているのは人気ヒーローシリーズの第一巻・・・つまり、一番最初の奴がそれぞれ一冊ずつ入ってて、封が開けられている。
「これで気に入った奴を探せってわけか・・・・とりあえず、これにするか。」
俺はとりあえず、箱の中から一冊選んだ。選んだのは「スパイダーマン」。メアリが好きな奴だし、これをきっかけに仲が発展するかもしれないと思ったんだ。
俺は漫画を持って読書スペースの椅子に座り、漫画を読み始めた。
「どーら・・・・ふーん、主人公はオタクなのか・・・・まだこの時点じゃヒーローじゃねーな・・・」
俺はゆっくりと時間をかけ、「スパイダーマン」を読み始めた。最初はメアリの買い物が終わる時間潰しのつもりでゆっくり読んでたんだが、途中からそんな気持ちは薄らいだ。
「やべぇ、面白い。」
読んで5分もしない内に、俺は「スパイダーマン」の世界に引き込まれた。
「うわっ、マジかよ!1巻ここで終わりかよ!」
俺は読んでいくにつれて、自分で気づかない内に、つい思ったことを声に出していた。店にいる客の何人かが俺の方をチラチラと見てくるが、今の俺には全然聞こえなかったし、気にする暇もなかった。
そして、俺は漫画が終わってしまったショックに、テーブルに顔面を突っ伏した。
「ただいまー!」
そこに新作を買い終え、ホクホクの状態のメアリが戻ってきた。
「あれ?スパイダーマン読んでたの?」
「あ、おかえり・・・・退屈しのぎにちょうどいいと思って読んだんだけどよ・・・・クッソ面白ぇな、これ・・・・!」
俺が暇つぶしに漫画を読んでいたことを話すと、メアリは嬉しくなったのか、パーッと笑った。
「でしょでしょ!?」
「ベンおじさん死ぬなんて思わなかったぜ・・・!続きどうなんだよ・・・!!」
「私、続き持ってるよ!」
早く続きが読みたい俺の気持ちを察して、メアリは漫画の続きを持っていることを教えてくれた。そして、それを聞いた俺の気持ちは昂ぶり、デートよりも「続き読みたい」っていう気持ちが強くなった。
「マジか!?じゃあ早く帰って読もうぜ!!」
「うん!私も新作読みたい!!」
俺達は早く漫画を読みたいが為に、店を後にし、全速力で家に戻っていった。
・・・よくよく考えれば、おかしいよなこれ。漫画読みたいが為にデートやめる奴らなんているか?・・・・いねぇよな。
とにかく、家へ戻った俺達は、早速漫画を読むことにした。場所はメアリの部屋、メアリは買ってきた新作の漫画、俺はメアリの部屋にあるスパイダーマンの続き。
ちなみに、俺的に女の部屋ってのはカワイイぬいぐるみとか化粧品とか置いてあるとばかり思ってた。だけど、メアリの部屋はそんなことはなかった。部屋全面がスパイダーマン尽くしだ。スパイダーマンの漫画はもちろん、フィギュア、ポスター、ぬいぐるみ・・・・
ありとあらゆるグッズが揃ってる。
でも、今はそんなことは気にならない。それよりも漫画の方が優先だ。俺はメアリからスパイダーマンの漫画を借り、その場で読み始めた。メアリも自分のベッドに横たわりながら新作の漫画を読み始めた。
「マジかよ・・・グリーンゴブリンの正体、こいつなのかよ!俺こいつは敵にならねぇって思ってたのに!」
「フフフ・・・ロック君、楽しんでますねぇ・・・・」
俺が漫画の感想を声に出していると、メアリはニヤニヤと笑いながら、芝居がかったような口調で俺に話し掛けてきた。
「おう、正直バカにしてたけど、スゲー面白ぇぜ。映画化されるだけあるな。」
「あったり前じゃん!スパイダーマンは私にとって最高のヒーローだもん!」
メアリは両腕をバッと開き、満面の笑みを浮かべながらそう言った。その瞬間、俺の胸は少し痛くなった。
(・・・?なんで胸がイテーんだ?)
「あっ、私、映画のDVD持ってるけど、見る?」
「見る見る!」
俺達は早速、2階に降りてスパイダーマンの映画のDVDを再生し、映画鑑賞を始めた。
お供にポップコーンとコーラを忘れずに。
「・・・懐かしいなぁ。」
映画が始まって数分が経ったとき、メアリが呟いた。
「これね、小さいころ、ママとパパと私の3人でよく見てたの。楽しかったなぁ・・・3人でいたころ。」
メアリは続いて、映画を見ながら寂しそうに言った。
「・・・おっさんから聞いたよ。メアリの母ちゃん、すっげぇ美人で、優しい人だったんだよな。」
俺はおっさんから聞いたことをメアリに話した。すると、メアリはゆっくりと口を開き始めた。
「うん・・・すごくキレイで、優しい人。パパが『マリアと出会わなければ、私は人を愛することはできなかった。マリアは、私にとって女神だ。』って言ってた。」
「おっさんにそこまで言わせるとはなぁ・・・・すっげぇ人だったんだなぁ・・・」
「私とパパにとって、ママは世界の中心だった。ママを中心に、私とパパがその周りをぐるぐる回ってるの。太陽とその周りの地球とか火星みたいに・・・・でも、ママが死んじゃった途端、その世界が壊れたみたいで・・・私、ずっと泣いてたなぁ・・・パパもしばらく塞ぎ込んじゃって・・・・」
メアリの話を聞いて、俺はマリアさんの凄さを知った。話の通り、メアリとおっさんにとって、マリアさんは全てだったんだ。話を聞くと、多分、昔のおっさんは凄く荒れてたんだろう。そこにマリアさんが現れて、今のおっさんを作った・・・・すげぇ人だ。
「・・・メアリは、悲しくねぇのか?その・・・・ママがいなくなっちまってよ・・・・」
俺は恐る恐るメアリに尋ねた。本当はこんなこと聞いちゃいけねぇのかもしれねぇ・・・・メアリを悲しませるかもしれねぇ。それなのに、俺は聞いてしまった。
「全然?」
俺の予想とは裏腹に、メアリは率直に答えた。
「えっ?」
「だって、ずっと悲しんでたら、天国のママに怒られちゃう!それに、私にはパパもいるし、ルイスも、リンお姉ちゃんも、ロバートさんも、メフィストも、ロックもいるもん!」
「!!」
「それに・・・私には大好きなスパイダーマンがいるもん!だから全然大丈夫!」
メアリは「大丈夫!」って言って、俺にとびっきりの笑顔を見せた。その笑顔はまるで太陽みてーだった。自分の心が温かくなるみたいな気持ちになった。でも、それと同時にまた胸が痛くなった。
その時、テレビの方で再生していた映画がいい場面を迎えていた。
「あっ!ここすっごいいいシーンだよ!」
「おう・・・」
俺はメアリに言われ、映画を見直す。
「キャー!!やっぱりスパイディかっこいい!ウルヴィーとキャップもかっこいいけど、スパイディが一番!」
メアリは楽しそうに映画を楽しんでいる。でも、俺は全然楽しめなかった。別に、映画自体が面白くなかったわけじゃない。自分の胸に走った痛みが気になり始めたんだ。体調はなんともないのに、メアリが大好きなスパイダーマンのことを話す度、何故か胸がズキズキ痛む。
(まさか・・・俺、嫉妬してんのか?テレビの中のヒーローに・・・・)
俺はどうやら、気づかない内に、嫉妬していたみたいだ。俺の好きな女をこんなに笑顔にしてくれるヒーローに・・・・
その夜、俺は地下のトレーニングルームにいた。俺は部屋に設置されてるリングの上で、トレーニングをしながらある人を待っていた。
そして、その人はやってきた。
「やぁ、どうしたんだ?ロック。」
「おっさん・・・・」
俺は夜遅くにおっさんをトレーニングルームに呼んだ。俺は、あることをおっさんに聞きたかったんだ。
「・・・なぁ、おっさん。俺、どうやったらスパイダーマンみてーな強くて格好いいヒーローになれるんだ?」
「・・・?」
俺の言ってることに、おっさんは理解してないみたいだ。俺は昼間のメアリとの会話と、その時の俺の気持ちを話した。・・・ちなみに、俺がメアリの事好きだってことは話してねぇ。言ったら何されるかわかったもんじゃねぇからな・・・・
「そうか・・・マリアのことを聞いたのか・・・・」
「ああ、それで、メアリは俺達がいるから、全然大丈夫だって・・・・強いなぁ、あいつ・・・・」
「そうだな。あの子の強さは、自分の大好きなヒーローがいるからこそなのかもな。」
おっさんの一言に、俺の頭の中である疑問が浮かんだ。
「大好きなヒーロー・・・・なぁ、なんでメアリはあんなにスパイダーマンが好きなんだ?」
「そうだなぁ・・・・」
俺の質問におっさんはしばらく黙った。すると、
「ロック、スパーリングでもするか?」
おっさんは突然提案をしてきた。
「ああ?」
「スパーリングでもしながら話そう。」
俺は、おっさんの提案に従い、グローブと防具を着け、おっさんとのスパーリングを始めた。
「よし、ロック!思い切り来い!」
「っしゃあ!」
俺はおっさんの胸を借りるように、さっそく拳を繰り出した。しかし、おっさんは軽くかわす。
「オラッ!」
俺はさらに拳を繰り出すも、これはダッキングでかわされ、代わりに俺の腹におっさんのパンチが命中した。
「がっ・・・!」
防具越しなのにかなりの痛みが俺の腹に走った。流石に元チャンプなだけある、一筋縄ではいかねー・・・・
「あれは・・・・あの子が9歳の時のハロウィンの時だった。」
腹の痛みにうずくまる俺をよそに、おっさんは昔のことを話し始めた。
「この辺じゃ毎年ハロウィンになると街中お祭り騒ぎになるんだ。みんな好きなコスプレをして楽しむんだ。幽霊や化け物のコスプレはもちろん、スーパーヒーローのコスプレをする人もいた。私とメアリも参加したんだ。私はフランケンシュタインで、メアリはパンプキンっぽいドレスを着て・・・・かわいかったなぁ、メアリ・・・・見た目は悪魔っぽいのに、天使みたいなかわいらしさだった・・・・流石は私とマリアの子・・・・!」
「いや、そういうのはどうでもいいから・・・・よっ!!」
俺はおっさんが思い出に浸っているのをよそに、拳を連続で繰り出す。
「おっと。」
おっさんは身を少し低くして、腕を盾にして防ぐ。
「だが、その時事件が起きたんだ。事件といっても、大したことはないが・・・・」
おっさんは俺の攻撃を防ぎながら、続きを話し始めた。
「メアリが迷子になってしまったんだ。何分、人が多かったし、あの子はまだ小さかったから、探しても見つかりにくかったんだ。私は大勢の人だかりの中で、あの子を探し続けた・・・・で、そのころ、メアリは何をしていたかなんだが・・・・これはメアリから聞いたんだが・・・・私とはぐれた後、メアリも私を探して、あちこちを探し回ったらしいんだが、一向に見つからなかった。その内心細くなって、マリアが亡くなってしまった時のことを思い出して、歩道でうずくまって、1人でワンワン泣いてしまったらしい。」
「そ、それで・・・?」
俺はおっさんの話を聞き、話が気になった俺は、思わず攻撃の手が止まった。その瞬間、その隙を突かれ、俺は顔面にパンチを食らい、リングのマットに倒れた。
「油断しない!」
「クソッ・・・!」
拳をもらった俺は、フラフラと立ち上がり、もう一度構える。
「で、その時だった。あの子の元にヒーローが現れた。小さいあの子の前に現れたのは、スパイダーマンだ。」
「は、はぁ?」
「といっても、コスプレした人だけどな。スパイダーマンのコスプレをした男は、あの子に手を差し伸べた。『大丈夫?何があったの?』と聞かれて、メアリは私とはぐれたことを伝えた。すると、コスプレした男は、『大丈夫、僕が君の笑顔を守る。』・・・そう言って、メアリの手を握って、あの子を安心させ、泣き止ませた。それから、メアリはその男に連れられて、近くの交番で自分が迷子だということを知らせたんだ。それから私は、街の人に『メアリは交番にいる』って聞いて、交番にたどり着き、メアリと再会できた。」
「そっか・・・・よかっ・・・ウボァッ!!」
メアリが無事なことに安心した瞬間、おっさんに殴り飛ばされた。
「だから油断しない!で、その男はメアリが私と再会したとわかると、その場から立ち去ろうとしたんだ。その時、私はお礼を言おうと思って、彼を引き留め、礼を言った。それと、名前を聞こうとしたんだが・・・・・彼はこう言った。『親愛なる隣人、スパイダーマン』と・・・・」
「親愛なる・・・隣人・・・」
俺はそのフレーズに聞き覚えがあった。メアリと見たスパイダーマンの映画にそのフレーズがあったのを思い出した。
「それから、あの子はスパイダーマンが大好きになった。あの子自身、『自分を助けてくれたのは、本物のスパイダーマンじゃない。スパイダーマンの格好をしただけの人』・・・・小さいながらもそれはわかっていた。だけど、あの子がスパイダーマンを好きになったのは、人をも動かしてしまう、その偉大さ、強さ、心の強さ、誇り・・・・その全てが、好き・・・あの子はそう言ってた。」
「なんだよそれ・・・・」
おっさんの話を聞いた俺は、その場に倒れ、大の字に寝転がった。
「そんなの・・・勝てねぇじゃねぇかよ・・・・」
俺はその話を聞いて、改めてスパイダーマンの凄さの全てが分かった気がした。物語の中のスパイダーマンは、いろんな事を乗り越えて、戦って戦って戦い続けたから、あんなに好きな奴がいるんだ。その点、俺はまだ駆け出しの中途半端な奴・・・・この差は大きい。
「だが、あの子は何もスパイダーマンだけが好きというわけじゃない。X-MEN、アベンジャーズ、バットマン、スーパーマン、みんな好きさ。あの子にとって、ヒーローは心の支えでもある。いや・・・誰の心にもヒーローが、みんなヒーローを愛してる。心の中にヒーローがいるからこそ、人は強くなれるし、優しくなれる。現に、メアリは私の気づかない内に、強く成長した。本当に強くなった・・・・」
「・・・・」
なんだか話を聞いて、俺が小さいことにこだわってる小さい男のように思えてきた。
「聞きたかったことは・・・・全て話したつもりだ。今日はもう休みなさい。明日からまた忙しいぞ。」
おっさんはそう言うと、リングから降り、トレーニングルームから立ち去った。
「・・・心の中のヒーローか・・・・」
静かなトレーニングルームの中で、俺はボソッと呟いた。
「俺も、なれっかなぁ・・・・誰かの心の支えになる、ヒーローに・・・・」
翌日・・・
「オラ!こいつで最後だ!」
俺達は銀行を襲ったテロリストどもを捕まえ、銀行内にある柱に全員縛り付けた。さっきまで縛られていた人質も全員解放した。
「もう終わりだな、テロリストども!」
おっさんがそう言うと、テロリストどもは突然笑い出した。
「クックックッ・・・甘いのはお前らだな。」
「なに?」
テロリストのリーダーらしき男は覆面の下でニヤリと笑った。
その瞬間、俺達の向かい、そしてテロリストを縛っている柱の後ろにある壁が爆発した。
「爆発した!?爆弾が仕掛けられたのかよ!」
「ドラゴンガール、人質を早く逃がすんだ!」
おっさんはリンに命令を出した。
「みんな、こっちよ!早く逃げて!!」
リンは大声を上げながら、人質にされていた人達を外まで誘導する。
リンの呼びかけで、中にいた人達は次々と銀行の外へと出て行った。
「こっちは終わったわ!」
「よし、後はあいつらだけだ!」
「ガハハハハハッ!随分威勢のいいことだな・・・・だが、これを見てもそう言えるかな!?」
テロリストのリーダーが、笑いながらそう言うと、壊された壁の向こうから、キャタピラが動くような音が聞こえ、こっちに近づいてくる。
「な、なんだこの音・・・?段々でかくなって・・・・」
俺達がその音に疑問を抱く中、そいつは、自分が入りやすいように壁を破壊して現れた。
そいつの体は巨大で、身長は3、4メートルはある。横幅もかなりでかく、まるで装甲車だ。
両腕もかなりデカイ。身長の半分以上はあって、手首がコマみてーにぐるぐる回転しやがる。反面、足はデカイが戦車のキャタピラを足にしてる。・・・ここまで言えばわかるかもしれねぇが、こいつは・・・・ロボットだ。
『ロ、ロ、ロボットォ!!?』
俺達は驚きのあまり、大声で叫んだ。
「ハハハハハハハッ!!これが俺達の秘密兵器、その名も『デストロイドα』だ!」
テロリストのリーダーがそう言うと、ロボットの後ろから他のテロリストが現れ、縛られていたテロリストを解放しようとし始めた。
「あっ、待て!」
おっさんはそれを阻止しようと、テロリストの所まで行こうとした。その時、ロボットの目から2丁のマシンガンが飛び出し、おっさんに向かって乱射した。
「ぬおっ!!」
激しいマシンガンの攻撃に、おっさんは足を止め、メフィストの腕を盾に変化させ、攻撃を防ぐ。
「くっ・・・これはなかなか激しいな・・・・!」
「だったら俺が!ウォォォォォォォ!!」
俺は体を硬質化させて、ロボットに向かって突っこんだ。そして、渾身の一撃を食らわせようと拳を繰り出したが、逆に俺の方が殴り飛ばされてしまった。
「な、なんてぇ力だ・・・・!」
「こいつはいい!あの『パラディンフォース』が手も足も出ないとはな!高い金払って”スポンサー”から買った甲斐があったぜ!」
今、テロリストの口から「スポンサー」という言葉が出た。話から察するに、このロボットは”スポンサー”から買い取った奴ってことになる。
「またスポンサーか・・・・あの時はよくも僕を騙してくれたな!このロボットに八つ当たりしてやる!!」
ルイスは前にスポンサーに騙されたことに怒りを燃やし、両手から土で作られた固い槍を発射した。
土の槍はロボットに直撃する。しかし、ロボットには傷ひとつつかない。
「ウッソ・・・!」
ルイスが呆気にとられていると、ロボットは今度は胸から砲身が飛び出し、ルイスに向かって放った。
「やばっ!」
ルイスは正気を取り戻し、間一髪よけた。外した弾が床に激突した瞬間、弾は爆発した。
「グレネードランチャー!?そんなのまであるわけ!?」
『ロボットか・・・ならば、操縦者がいるはず。おい、ウシ乳女!外へ出てロボットの操縦者を探せ!』
「わかったわ!後、牛って言うな!」
リンは文句を言いながらも、メフィストの指示通り外へ出た。
「メフィスト、どういうつもりだ!?」
『恐らく、あのロボットは遠隔操作で操縦されている。あのロボットが最新型なら、もっと遠くから遠隔操作できるだろうが、あのロボット、ところどころ錆やら汚れやらがついている。』
メフィストが言うように、あの「デストロイドα」とかいうロボットは、所々ボロい。関節は中古車のフレームみたいだし、装甲のところは塗装が剥げてるし、汚れも目立つ。
『となると、通信回路も相当古いものと想定される。通信距離は恐らくそこまで遠くはないだろう。』
「・・・・なるほど、だからリンを外へ・・・・」
「でも、ドラゴンガールだけで大丈夫かなぁ・・・」
『心配ない、助っ人も呼んでおいた。』
俺達が攻撃の手を止め、ロボットを睨みながら遠巻きに話していると、ロボットはマシンガンを撃ってきた。
「うおっ!」
俺達はマシンガンをかわす。
「どうしたヒーローども!ついに諦めたか!?」
「そんなないだろ?お前達を倒す為の作戦を考えていたのさ!君はもう終わりだ!」
おっさんは啖呵を切って、テロリストに向かって指を差す。
「何を!」
ロボットは胸のグレネードランチャーを俺達に向けて連続発射する。
「ケッ!撃つしか脳が・・・・?」
俺はその瞬間、あるものを見つけた。それは銀行内の児童預かり所のところだった。そこに、子どもがいた。恐らく、逃げる際に親とはぐれたんだ。
そしてマズイ事に、グレネードが子どもの方に向かっている。
「~~~~ッッ!!」
それに気づいた俺は、子どもの方に向かって無我夢中で走り始めた。
「スティール・キッド!?どうしたんだ!?」
俺の異変に気づき、おっさんは俺を呼び止めようとした。
「おじさん、見て!あそこ!」
ルイスは俺と同様、子どもがまだ残っていることに気がつき、子どもの方を指差した。
「まだ子どもが残ってたのか!?」
「ウオオオオオオオオオッ!!」
俺は全速力で走った。子どもを助けるために。だけど、グレネード弾も子どもの方に向かおうとしてる。このままじゃ間に合わない・・・・そう思った次の瞬間、急に室内に強風が吹き、俺はその風に背中を押された。
「助っ人登場だ!」
風の正体はルイスだった。ルイスが強風を飛ばして、俺の背中を押してくれたんだ。ルイスはニヤリと笑い、俺もそれを見てニヤリと笑った。
「ありがとよ、チャラ男!」
ルイスの風のおかげで、俺は子どものところにたどり着いた。だが、運の悪いこと、グレネードランチャーがもう目の前まで来てしまった。
「ッ!!」
「キッド!!」
俺は体を硬質化させ、子どもをかばった。そして、グレネード弾が爆発した。俺とかばった子どもは爆風に飲み込まれた。
「キッドーーー!!」
おっさんは大声で俺のヒーロー名を叫んだ。
「・・・・ゲホッ、ゲホッ!!」
しばらく間を空けて、俺は咳き込んだ。爆風を思わず吸ったからな。
グレネード弾の爆発は、硬質化した俺の体で防ぐことができた。子どもも無事だ。
「キッド!無事か!?」
俺のことを心配してか、おっさんとルイスが俺の所に駆け寄ってきた。
「当たり前だろ?俺は『スティール・キッド』だぜ?」
俺は得意気にそう言うと、視線を子どもの方に向けた。
「大丈夫か?ガキンチョ・・・・」
俺が大丈夫かと尋ねると、子どもはコクリと頷いた。遠くだとわからなかったが、この子は女の子だ。
「母ちゃんと離れたか?多分、外でお前のこと待ってるぜ。ほら、行きな。」
「うん、ありがとう!」
女の子は俺に笑顔を見せ、お礼を言うと、走って外へ出て行った。
「さーてと、俺を呼吸困難にしやがって・・・・そのボロクズともてめぇをぶっ壊してやろうか?ああん?」
俺はテロリストに向かってチンピラのような口調で脅してみる。テロリストの方は、俺が無事なことに驚き、冷や汗を掻いている。
「う、うるさい!まだこっちには『デストロイドα』が残っている!やれ!」
テロリストのリーダーは俺達を指差して、ロボットに攻撃命令を出した。
・・・だが、ロボットは動かない。
「な、何故だ!?何故動かない!?」
リーダーは動かないロボット見て困惑している。
「なんで動かないのか知りたい?」
その時、リーダーの背後から女の声が聞こえた。その声を聞いたリーダーは後ろを振り向いた。だがその瞬間、鋭い蹴りがリーダーの腹に飛んだ。
「ぐぎゃああああ!!」
蹴り飛ばされたリーダーは遠くまで吹き飛んだ。
「ドラゴンガール!」
そこに現れたのは、リンだった。そしてその横には、メフィストが言っていた助っ人もいた。
「ライトニンガーも!」
そう、助っ人はライトニンガーことロバートだったんだ。
「メフィストから無線で連絡をもらったんです。『仕事手伝え』って一言だけで、後は場所だけ言ってきましたけど・・・・」
「さーて、なんでロボットが動かなかったのか、教えてあげましょうか。」
リンはそう言うと、手に持っていたものをリーダーの前に投げ捨てた。
「こ、これは・・・・!『デストロイドα』の・・・!!」
なんと、リンが持っていたのはあのロボットの操縦機だったんだ。形はリモコンみたいで、かなり古くさい。
「今時リモコンでロボット操縦って・・・・ラジコンじゃねーんだぞ。」
「せめてタブレットかスマホの方がよかったんじゃ・・・・」
俺達がリモコンのことを罵倒すると、リーダーはわなわなと震え始めた。
「し、しかし、これは護衛がいたはず・・・!!」
「ああ、あのハイエースにいたクソ弱い奴らのこと?それなら全員ぶっ飛ばしたけど?」
「な、何ぃっ!?」
リンの発言に、リーダーは驚いた。
「倒すついでに、逃げられないように手足の骨を粉砕したぞ。」
「なんだとぉ!!?」
ロバートの一言でさらに驚いた。
「これでもう終わりだね。おじさん、このロボットどうする?」
「うーん、そうだな・・・・ぶっ壊すか。」
「ええっ!!?」
おっさんの提案にリーダーはまた驚き、大声を出した。
「こんなのがあったら、また誰かが悪用する。悪用されるぐらいなら、壊した方がいい!」
おっさんの言葉に、みんなコクリと頷くと、みんなロボットに向かって構えを取り始めた。
「ま、待ってくれ!これ買うの高かったんだぞ!?それを壊すなんて・・・・やめろーーー!!」
リーダーが必死に呼びかけているが、俺達はそれを無視し、ロボットに向かって行った。
「デビルスインパクトォッ!!」
「龍連脚!!」
「マシンガンフレイム!!」
「正中線雷光突き!!」
「アイアンハンマー!!」
俺達はそれぞれ必殺技を思い思い繰り出し、ロボットに命中させていく。攻撃が命中するたびに、装甲がゆがみ、ひびが入り、砕けた。そして、ついにロボットは全身を砕かれ、床にバラバラになって落ちた。
「ざまーみろ!オンボロロボット!!」
その後、テロリストは全員逮捕。壊れたロボットの部品は警察が全て押収。これにて、事件は終わりだ。
「あー、久々に暴れたらスッキリしたぜ。」
「コラコラ、私達はヒーローだぞ?そんな言い方じゃ悪党だと思われてしまうぞ。」
「へーい。」
俺達が話し込んでいると、
「あの・・・」
1人の女が俺達に声をかけてきた。振り向いてみると、そこには女と、その下にさっき助けた女の子がいた。
「あっ、お前さっきの・・・・母ちゃんに無事に会えたんだな。」
俺はかがんで女の子の視線に合わせ、女の子に話し掛けた。
「うん!お兄ちゃんのおかげ!」
「本当にありがとうございます・・・!この子を助けてくれて・・・・!!」
2人は俺に対して礼を言った。女の子の方は笑顔で、母親の方は涙目になりながら。
「いや・・・・別に俺は、そんな大それたことは・・・」
俺はあまり言われ慣れてないことを言われて、思わず謙虚な感じを装ってしまった。
すると、女の子は俺の手に触れた。
「私ね、大きくなったらお兄ちゃんみたいなヒーローになる!」
「・・・ッ!」
俺は女の子の突然の告白に、驚いて、声が出なかった。それと同時にその言葉が何故かこそばゆく感じた。
「ほら、そろそろ行かないと・・・・」
「じゃあね、お兄ちゃん!」
女の子は母親に連れられて、俺の所から立ち去っていった。女の子は、俺の姿が見えなくなるまで、ずっと手を振ってくれた。俺はそれをただただ呆然と眺めてるだけだった。
「ロック、どうした?」
おっさんは呆然とする俺の肩を叩いた。
「いや・・・結構、こそばゆいもんだな・・・こういうの・・・・」
俺は自分が感じたことをおっさんとみんなに話した。
「鬼の目にも涙って奴?」
ルイスは笑いながら俺のことをからかい始めやがった。
「うるせぇ!誰が鬼だ!」
「というよりも、あの子こいつを目標にしちゃって大丈夫かなぁ・・・・粗暴は悪い上に頭も悪い、おまけにチェリーボーイときてる。」
ルイスはここぞとばかりに俺のことをバカにしてきやがる・・・・さっき助けてくれたからいいものを・・・・!
「てめぇ、言わせておけば!!」
「あっ、チェリーが怒った!」
「誰がチェリーだてめぇ!!ブッ殺すぞ!!」
「コラ!やめなさい2人とも!!」
・・・今回を学んだことは、ヒーローってのは人の心の支えになれるってことだな。だから人は優しくなれるし、強くなれる。あんたにはそんなヒーローはいるかい?俺?俺は・・・教えられねーな!
「やーれやれ、『デストロイドα』は大破・・・か。やっぱり試作機は試作機か。量産に向けて、もっと素材を集めてこないとな。その間、せいぜい、俺の手のひらの上で頑張るんだな。ヒーロー諸君・・・・♪」
人によって、ヒーローがどういうものであるべきなのかは違うと思いますが、「自分にとってのヒーローはこう」、「ヒーローはこうじゃなくて、こうだ!」という意見がございましたら、是非コメントをください!
アイディアとして吸収します!




