「戦いと出会いのプロローグ」
平成も終わり、新しい年号、新しい時代が始まるということで・・・私も新しい作品のスタートを切りました!
良かったら読んで欲しいです!
悪魔・・・それは信仰の対象であり、人の害となる存在である。
地獄界。それは悪魔や罪を犯した者達が住む、文字通り地獄の世界。
その世界で、一人の悪魔が逃げていた。
『後少し・・・後少しで私の野望は・・・!!後少しだというのに・・・・!!』
『いたぞー!!追えー!!』
『チッ!』
その悪魔は罪を犯し、追っ手から逃げている最中だった。そしてその手には、一つの腕輪が握られていた。
(これだけでも守らねば・・・!これは私の野望には必須だ!)
悪魔は走った。地獄と人間界を繋ぐ扉に向かって。腕輪を掴んだ手を固く握り、全速力で走った。
『後少し・・・!』
扉が目の前に見えた。後少し・・・そう思った次の瞬間、悪魔は突然浮遊感を感じたと思った途端、その場に転んだ。
『くっ・・・!!なんだ!?』
悪魔は後ろを見た。そこには自分よりも遥かに巨大な悪魔がいた。そして、その手にはちぎったと思われる下半身があった。
悪魔は咄嗟に自分の半身を見た。見ると、そこに自分の下半身が無くなっていることが分かった。
『わ、私の足が・・・!ハーデス・・・!!貴様ァァァァァァァ!!』
悪魔の下半身を奪ったのは、冥王ハーデス。この地獄に君臨する王だ。
『―――よ、貴様は大罪を犯した。この罪は貴様の死で償ってもらう。』
『バカが!私がそんなことに屈すると思うな!・・・それに、貴様も詰めが甘いようだなぁ・・・』
悪魔がニヤリと笑ったその瞬間、舌を近くの枯れる寸前の灰色の木に伸ばして捕まり、回転し、その反動を利用して扉の中へ入った。
『し、しまった!』
ハーデスの取り巻きが叫んだ。
『お、追えッ!!』
『追う必要はない。』
取り巻きが後を追おうとしたが、ハーデスはそれを止めた。
『し、しかし・・・』
『地獄は問題が山積みだ。奴如きに兵を割くことはできん。戻るぞ。』
ハーデスはそう言うと、その場から立ち去り、地獄にある自身の城へ戻り始めた。取り巻きは納得できていない様子だったが、その場はハーデスに従い、後に続いた。
『フハハハハハハハッ!!ハーデスの愚か者め!これは始まりだ!この私の復讐劇のなぁっ!!クハハハハハハハ・・・・・!!』
悪魔の言う通り、それは始まりに過ぎなかった。その悪魔にとって一人の男の出会いと、長い戦いの始まりだったのだ・・・・
登場する悪魔の台詞は、『』で統一するつもりです。読みにくいかもしれませんが、ご了承ください。