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DASH IN SHORT
ここまでが過去の回想シーンなわけだが、今思うと俺はよくこの隣の男と友達をやってるよな。
ホントびっくりだわ。
そもそも友達とはナンゾヤ? 後でグー●ルさんに聞こう。
「なぁ、翔太」
と言って少し早足になる大輝。
「なんだぁ?」
未だ回想に浸っていた俺は、目を閉じたまま無意識にそう返した。
「あーー……、言いにくいんだけどな」
そう続けて走り始めた大輝。
「んじゃ、言わなくていいよ。お構いなく」
というか、そのまま黙ってて欲しい。
「あと五分で遅刻になるぞ。大丈夫か?」
もう遙か先を走り、大声で叫ぶ大輝。
「…………それは早く言えよぉぉぉ!!!」
俺たちは学園までの距離を全速でダッシュするはめになるのだった。