どん底に落ちるきっかけって奴かな
まあなんやかんやで一年間は『情報科』で過ごしたわけだ。
来年も落ち着いて何事もなく過ごせるかなぁ、なんて俺の期待を見事に裏切ってくれたのは、当時序列七位であった雨坂大輝、奴である。
あいつの目的はそう、例の噂の本人、すなわち俺の暴挙を収めるために俺と決闘しようとしていた。
つーか、俺の暴挙って何だよ。なんも悪いことしてないじゃん。課題出すの遅れただけじゃん、三ヶ月ぐらい。
つーかなんだよ。
自分の異能についての考察って。わけ分からん。俺が一番知りたいわ。
まあ実際は俺をだしに『六魔』に上がろうとしていたらしい。
まじではた迷惑なやつだわ。許さねぇ。
話がそれてしまったが、その決闘で俺は悪役の如くお決まりのように負けてしまった。
常識的に考えて,速く計算できるやつが雷出すやつに勝てるはずがないよな。そして、大輝が言った『お願い』が次の通りである。
「お前さぁ、武術を習ってたのか?」
「あぁ、実家が名門なもんで」
「んじゃ、お前は武術を禁止な」
……マジデ、ナニイッテルノコノヒト。ワケワカラナイ。
大輝は危ないもんな~、とか独り言をつぶやいていたが、
それにもちろん俺は反論しようとしたのだが、『お願い』は絶対遵守されるため、呆気なく俺の数少ない特技である武術は幕を閉じた。
ちゃんちゃん。またの来世にご期待を~。
……なんて放心状態の俺に、大輝はなんて言ったと思う?