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始まりの始まり
「んでさぁ、そん時……って、聞いてんのか? 翔太」
「……ぁあ、悪い。聞いてなかった。何の話だっけ?」
隣を歩く、このチャラそうな茶髪の男。
彼の名は、雨坂大輝。能力は『電撃』。
雷レベルの電気を相手へと確実に当てれるどころか、近くにいるものまで伝導するというおまけ付き。学園が誇る最高レベルの能力者である。
その証拠とばかりに、学園で行われた序列付けの大会、「太陽祭」で見事に準優勝し、序列2位の座を勝ち取っている。
羨ましい。チャラいくせに。
ああ、俺の序列は聞かないでくれよ。
本当に下なんだから……。
そして、その序列六位までを集めたのが、「第六魔導生」、通称「六魔」と呼ばれる存在である。
コレって差別だよね。差別は良くないと思うよ、俺は。
羨ましくないし、なんかうまく言えねぇけど、こう死なねぇかな。
さて、ここらで話を一年前に戻すとしようかーー