出会いの春(期待してません)
初投稿です。
長すぎて読みにくいかもしれません。
皆さんのコメントお待ちしてます。
「翔太。お前を……破門とする…」
「なんでだよ!あの技を身につけた程度でか?待ってくれよ、父さん!」
「もう決めたことだ。それに、あれは禁忌の技だと、何度も教えただろうに……」
「考え直してくれよ! むやみに使わなければ大丈夫だろうが!」
「ダメだ。その上お前は『異能』までも発現させたのだ。……お前を例の学園に転校させる手続きはもうしてやった」
「ふざけるな! 勝手なことをするなよ!」
「勝手なことをしたのは、お前の方だ。もう、ここには戻ってくるなよ、翔太よ……」
「そういや久しぶりに嫌な夢を見たな……」
武術の名門、黒崎家の長男として生まれた俺は、周りから秀才と呼ばれるまでの力を発揮したのだが、父親に破門にされたのがちょうど1年前のことである。
今の状況が分かるように説明しよう。
20●●年、日本において思春期の少年・少女たちに突如として『異能』が発現した。
当時科学者たちが躍起になってその理由を調べたのだが、ついぞその詳しい現象を解明できる者はいなかった。
この現象は名目上、未曾有の大災害として、あらゆるメディアによって放送された。
俺たちが発現した『異能』というのは、極めて不可思議なもので、その特徴は大きく分けて戦闘に優れているか、否か。
誰もが抱いた疑問だろうが、いったいだれと闘うというのだろうか。
平等を重んじる今の社会において、この『異能』というのはだれの目にも明らかな格差であり、差別対象であったのだろう。
そんな力を手にした者がたどり着く先は、言うまでもなく排除である。
一つの腐ったミカンが、箱全体のミカンを腐らせるの防ぐために、そのミカンをとり除く。まさしく俺たちはそんな扱いを受けた。
実際には数年後に起きた、差別を受けたという一人の異能者が死傷者300人にも上る大事件を起こしたことがきっかけとなり、
『異能を持つ者は危険だ』
という観念のもとで俺たちを恐れた政府がとある学園を作り出した。
そう、その学園こそが俺が通うことになった「府立太陽ヶ丘異能育成学園」である。
異能者を正しく導くのが校風らしいが、その実情は学園という名で俺たち異能者を縛り上げた一つの隔離場所にも思われる。
ちなみに破門当時、俺が発現した『異能』は『速算』。ただ早く計算ができる、それだけ。
つまりは戦闘に優れていない方の能力ってわけだ。
別に誰かと闘いたかったわけではないが、くだらない能力のために破門にされてしまったわけだ……。
チッ、胸クソわりぃ……。本当にこんな能力をくれた奴、まじで許すまじ。いつかころ……。
っと、危ない危ない。否定的な考え方は捨てることにしたんだった。というか、今の俺の能力は違うわけだが……。
最後まで読んでくれてありがとうございます。