第二章:二人の少女の対人事情――3
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――話が随分とややこしいことになってんなあ……。
道真は、頬杖を突きつつ、半眼で吐息する。
永劫の命を手に入れた錬金術師、アデプト。その目的は、〝完全〟を求めて研究を続けることらしい。
一体全体、バハムートと呼ばれる人物が、何を考えているのかはサッパリ分からないが、一般人の自分には思いも付かぬ考えあってのこと、だろう。
転生者たちの中にも、複雑な事情があるようだ。
とにもかくにも、疑問は本人にぶつければ良い。幸いなことに、捜索は容易だ。
何故ならば、
「あんたとバハムートって人は、友人関係なんだな? じゃあ、話は簡単だ。容姿の特徴さえ掴めてんなら、片っ端からカメラをハッキングすりゃあ、一日以内に解決だよ」
武と自分とで、錬金領土の監視カメラ、防犯カメラに手当たり次第侵入すれば、この場にいながらでも捜索は進められる。
電子機器は武の支配下にあるのだ。
壁に耳あり障子に目あり。プライバシーの侵害過ぎるが、……まあ、あれだ。事情が事情だし、ヘルメスも黙っていてくれるだろう。
緊急避難的な合法手段ってことで。
しかし、ヘルメスが神妙な顔つきで首を振った。横にだ。
「残念だけど、ワタシの記憶は頼りにならない。バハムートは生体系錬金術のエキスパート。容姿の偽装なんて訳がないんだ」
何せ、
「彼女は、自分の〝塩基配列〟――つまり、遺伝情報を自在に編集できる。それによって、人外の特殊能力すら会得可能なんだ。場合によっては、年齢すらも誤魔化している。そんな可能性もあるからね」
……チートな能力者がいたもんだなあ――。
正直な感想だ。
確かに、この地球上には、再生能力を持っていたり、若返ることができたりする生物はいる。
〝ベニクラゲ〟に至っては、不老不死の生物だと噂に聞くが、そのバハムートっていうアデプトは、そんなことが可能なのか?
「ワタシ一人で捜索しても、手掛かり一つ掴めないかもしれないんだ。――動機は分かってくれたかい?」
「まあな。見ず知らずの地で、実質上の変身能力者を探すなんて、ツチノコの発見くらい難しそうだ」
ヘルメスの依頼の理由は、良く分かった。
都合の良いことに、自分と武は〝システムギルド〟に所属している。錬金領土のネットワークを管理する職業柄、粗方の情報は掌握できるだろう。
彼女に取って、パーティーとするなら適任だ。
「引き受けてくれるかな?」
尋ねてきたヘルメスに、
「一つ、聞いても良いか?」
道真は尋ね返した。
「その複製されたアルス・マグナを用いたら、何が可能になるんだ? 話の流れから言ったら、ろくなことじゃねえんだろ?」




