会議
更新遅れました。すみません
――――さあさあ、教えておくれ。
まどろみの中で誰かの声が聞こえた。黙ってくれ、もう少し寝かせておくれよ。
――――聞こえるかい、クリムゾン
聞こえてる、聞こえてるから黙ってくれ。
――――何故、あれを選んだ。もしかしたらあの娘が……
「五月蝿いなぁっ!」
全てを打ち消そうとするかのように私は叫んだ。けど、起きてみても自分の周りにいるのは自分のみであった。嗚呼、またこの声がした。誰だよ、私の眠りを妨げるのは。私が誰を下につかせたって私の勝手じゃないかよ
こんこん。
ドアを叩く音がした。
「マシューさん。どうしたんですかー?」
メイルの声がして私は急いで返事をした。それはさっきの叫びのように幼稚な叫びではなく、あくまでも冷静な囁きのような声。
「問題ない。」
ただ、それだけを言ってベットを立った。窓際に飾ってある花は月明かりに照らされていて電気が着いていない部屋でも十分美しく見えた。遠くの丘の鐘はもうほとんど全てが寝静まっている夜には鳴る訳がなく、ただその大きな身体を停止させて夜の静寂を手伝っていた。
「私が、何をしたんだよ。」
問おう。
「夢よ。私から何を奪おうとしている? クリムゾンという伝説を作って、あの娘を否定して、挙句の果て私の心まで侵食しようとして。私に何をさせたいんだよ」
子供。
私の本心。私の真実は子供のように幼稚だ。本当は冷静さの欠片もないんだ。なのにあの日、人の愚かしさを知ったあの日に夢が連れてきたモノはそんな私を絶望の淵に追いやるようなものだった。
誰もいない、何もいない。私の前に現れるのは夜と闇だけであり、太陽など光など私には許されなかった。誰かの前でこれを曝そうものならば夢の中でまた夢が私に何かを問いかけてくる。だから、私は壊し、殺し、叫びを聞く。いつになったら逃れられるのかと夢に問うが勿論答えなど返ってこなくて。
ならばと、夢の存在を忘れようとするがやはり夢は其れを許さなかった。不意に夢が来た
――――僕のことを言っているのかい。そう、それは誉れだ。君は僕を知っていてくれている
その程度で喜ぶのか。そう嘲笑いたい。哀れんで哀れんで哀れんで
だけど、知っていてくれて喜ぶのは自分もそうだと分かっているから嘲笑えない。
「夢、君は何なんだ」
そう問うも夜がただ欠伸をするだけで夢は何も。
クリムゾンと夢の回。
夢は何を言っているのだろうね?
【なんて無駄なことを言う】