いじめという人殺し
自殺の話です。つらい人は読まないでください。決して自殺を美化するものではありません。
これはある学校でのいじめっ子、いじめられっ子の話。いじめっ子の名は秋子。いじめられっ子の名は優心。秋子は優子のことをひどく嫌っていた。秋子自身、優心をなぜ嫌ったのか理由など覚えていなかった。理由など嫌いになったときだけだ。嫌いになった後に理由など関係ない。嫌いだから嫌うのだ。秋子ははじめ、いじめることを何とも思っていなかった。よく言うだろう。大勢の人で1人を責めてはだめだと。でも秋子は一対一だから、としか思っていなかった。クラスの人は秋子が優心をいじめているのを知っていたが、次に自分が的になるかもしれないと怯えてとくに止めもしなかった。それどころか、みんな秋子の言うことに従っていた。ただ一人従わなかったのは優心だけかもしれない。それで、秋子はさらに優心を嫌っていじめ続けた。ありとあらゆる方法でいじめた。
まず、そもそもこんなことになっているのになぜ先生は気づかないのだろう?まさか先生まで秋子に怯えているのだろうか?クラスの子達は秋子に従いながらも、先生の助けを心で求めていた。そんな時の先生の心の中はというと、
『本当に迷惑だ。秋子を注意するとモンスターペアレンツがやってくるし、面倒なことはしたくない。そもそも、子ども同士のことなのになぜ、教師の責任になるんだ?いじめをするような子どもに育てた親に責任はないのか?頼むからやめてくれよ』
先生は気づいていながら気づかないふりをしていた。ついに、優心は不登校となってしまった。
優心が不登校になってからもネット上で優心は悪口を言われ続けた。もう、秋子だけじゃなかった。クラスのみんな優心の敵になっていた。
両親は何も知らない。優心は学校の時間にランドセル背負って家を出て、下校の時間に帰宅する。だから気づかない。気付けないのだ。優心はいつも通り笑っているし、何も言わないし。
冬のある日、優心は死んでいた。ベットの上で息絶えていた。優心の机に遺書があった。長い手紙のようだった。
『死にます。私、死にます。いや、殺されました。心に棘を刺されました。大勢で私一人をいっぱい刺した人達がいます。私を殺したのはクラスのみんなです。先生もです。いじめというのは人殺しです。直接殺すことだけが殺人ではないんです。あなたたちは私の心に棘を刺した。だから私は死んだ。私はあなちちに棘を刺されなければ死んでいなかった。私が死んだ原因はあなたたちにあります。
いじめは罪になりにくいです。たとえそれが原因で自殺した人がいたとしても、相手にけがさえさせていなければ、言葉を浴びさせるだけでいじめているとしたら、証拠が残らなかったとしたら、罪にはなりにくい。だからいじめというのは殺す人にとって、最高の人の殺し方かもしれません。
私は自殺しました。私が死んであなたたちは喜んでいますか?でも、あなたたちは私を殺すつもりはなかった。だけど私は死んだ。これはあなたたちへの復讐です。
私が死んだことで、私の家族から恨まれるでしょう。そしてあなたたちは自分たちの所為で私が死んだという罪悪感に襲われるでしょう。それはいつになっても忘れられない。忘れてはならない。まだまだ未来のあるあなたたちにとってそれは大きな心の傷となるでしょう。
最後にお父さん、お母さん、これはみんなに読ませてください。今まで本当にありがとう。2人だけが私の心の支えでした。 優心』
優心は自分が死ぬことでクラスの人達に忘れられない、忘れてはいけない悪夢と大きな心の傷を残し、クラスのみんなが死ぬまで苦しめ続けた。これは優心の復讐。優心は最後の最後まで秋子の言いなりにはならなかった。優心は勝った。死んでも勝つことはできる。これはクラスの人達にとって最大の爆弾。爆発して消えない火がみんなの心の中で燃え続けるのだ。
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