ダチョウの肉って鶏の肉?
皆さんは、’某アメリカの州の名前が由来のフライドチキンの店’って行きますか?
え、なんの店かわからない?……あれです、サンダースさんがガソスタの横から始めた店です。
かく言う私は、おそらく普通程度の頻度です。たまに、無性にフライドチキンが食べたくなったときに買いに行きます。
前にどういう話の流れだったのか、友人とその店の話をしていました。
「フライドチキン食べたくなってきたー」
友人が言います。私もお腹が空いていたからか、ジューシーに揚がったチキンを思い浮かべていたからか、それに同意します。
「食べたいなぁ」
そこで友人が言いました。
「そういえば、あれってダチョウ肉なんだよ」
「……は?」
数秒のフリーズ後、私の頭の中は、ジューシーなフライドチキンから、野山を駆けるダチョウに一変。一瞬にして食欲が失せます。いえ、ダチョウが嫌いというわけではないんですよ。……予想外過ぎて。
この友人は少し変わったところがあり、偶に突拍子も無い事を言うので、今回もその一環なのだろうと思いました。
「いや、そんなわけ無いって。鶏肉でしょ」
当然否定します。これを読んでいる皆さんだって、おそらくダチョウ肉だとは思っていないはずです。え、ですよね??
友人は困惑顔で言います。
「え、ダチョウも鳥だし、鳥肉じゃん」
いや、字、字!!
違うから。鳥じゃなくて、鶏だから!!
鶏って、にわとりって意味ふくまれてるよね!?
そう言っても、全く納得してくれません。
何故か、自信アリげにダチョウ肉を肯定し始めます。
「ダチョウの肉は食べれるし、前お母さんが買ってきたよ」
そ、そんなこともあるのかもしれません。でも、あの店がダチョウ肉を使ってるってことはない。私はそう思い反論しようと思います。
……なんて言えばいいんだろう?
まさかダチョウ肉を使ってるなんて言われるとは思っていなかったので、そのための反論なんてありません。ダチョウにも店にも、したり顔で語たれるほど詳しくないんです。
圧倒的情報不足
でも、ここで負けを認めては、あの店がダチョウの肉を使っていることになってしまいます。ですがそれが、いい事なのか悪いことなのかすらわからない。
ただ、ダチョウの肉は流石に……。と思います。
だって、赤身で、脂肪少なめで、確か鉄分多めで……。
え?悪いことなくない?
ちらりと友人の顔を見ると勝ち誇った笑み。
負けん気を燃料に、今度は店の方に意識を向けます。
果たしてあの肉は、ダチョウの肉なのか、にわとりの肉なのか、と思いをめぐらし……いや知らんし!
例えば店員さんに、「これって、にわとりの肉使ってますよね?」と聞いて、「え、ダチョウ肉ですよ?」(困惑)
となれば「あ、すいません。そうでしたねHAHAHA」とうっかりいってしまうレベルに知らないのです。
いよいよ、にわとり肉説得どころか、ダチョウ肉自爆しそうになった私は、最終兵器を使います。
そう、インターネット。
ダチョウの肉なわけない。常識的に考えれば、にわとりの肉でしょ。これでダチョウだったら、ダチョウ肉使用と店の看板に、いえ、店の名前にするべきです。サンダースさんの右手がダチョウの胴体を力強く掴み上げている様を思い浮かべながら調べ……
――国産若鶏100%
ですよねー。というか、鶏肉どころか、国産若鶏です。ナンノコッチャわかりませんが、少なくともダチョウの肉ではないですし、なんか美味しそうです。
安堵感と満足感を覚えながら、友人にそれを伝えますが、
「うーん。でもなー」
などとほざきやがります。
何がでもなんだ……。ともかく、ダチョウ肉疑惑は終わりました。
後日、別の友だちにその話をすると爆笑しておりましたが、私は、某店のフライドチキンを見ると、脳内にダチョウが走るという後遺症に見舞われています。