流浪園殺人事件
「流浪園殺人事件」
【作者】
若庭葉 様(ユーザーネーム わかば 様)
【あらすじ】
謎の言葉を残し、瀬戸藍児は大学を去った。それから半年経ったクリスマス・イヴ。緋村奈生と若庭葉の二人は、ある人物と謁見すべく、絶海の孤島に建つ館──“流浪園”を訪れる。図らずも、亡き当主の遺言を公開する場に立ち会うこととなった彼らは、そこで奇妙なお告げを聞かされ……。直後、その内容をなぞるかの如く、「幻獣の骸」が出現した!
剥製、標本、美術品、古武器、錬金術、託宣、迷宮──博物学的趣味の横溢する「珍奇の園」で、想像を絶する悪意が胎動する。見立て殺人の謎に挑む、シリーズ第二長編。
【紹介文】
タイムリーなことに、なんと、昨日(2021.1.31)完結したばかりの作品です。
率直に言います。
僕は、仮にこの作品が今年のこのミス(本家本元)の1位であっても、少しも驚きません。
それくらいに、謎の魅力も、トリックの練り具合も、動機の斬新さもヤバいです。語彙力を失うレベルです。
30万字超えの作品で、登場人物も多いので、読むのに少し集中力がいるかもしれませんが、読む価値はある、というか、読まなければならないと思います。
首が切られ、首のあるはずの部分に牛頭の剥製を縫い付けられた男性の死体、それと立て続けに発見される、牛の身体に人間の首を縫い付けられた女性の死体。
作中にも「狂気のパズル」という表現が用いられていますが、ここまで緻密で、かつ完成されたパズルはそうそう見られるものではありません。震えました。
現状、作品のクオリティーとptがあまりにも比例しておらず、憤りすら感じます。ミステリー好きの方は必読でお願いします。
【リンク】
https://ncode.syosetu.com/n0696gl/
(2021年9月20日追記:「流浪園殺人事件」ですが、なんと第9回ネット小説大賞の2次選考を通過しました!本格ミステリで通過する作品はほとんどないので、快挙です!!おめでとうございます!!)