妖精館殺人事件 -完全改訂リメイク版-
「妖精館殺人事件 -完全改訂リメイク版-」
【作者】
庵字 様
【あらすじ】
映像芸術部の部長を務める高校生、石上誠司は、アマチュア映画を撮っている大学生の先輩に請われ、宮城県の山中に撮影旅行に出掛けた。
だが、撮影を終えての帰路、橋を渡った石上たちは、どういうわけか山中に建つ謎の館へと迷い込んでしまうこととなった。館に続いていたはずの橋も消え、屋敷の敷地内に閉じ込められてしまうこととなる撮影班のメンバーたち。石上が連れてきた部員の中には、高校生探偵の顔を持つ後輩、乱場秀輔もいた。
孤立した館というクローズド・サークルと名探偵。この符号を待ち受けていたかのように、〈妖精館〉と呼ばれる謎の館で事件が……。
【紹介文】
「なろうの伝説的名作」として複数の方から紹介され、一定の期待を持って読んだのですが、期待以上というか、完全に虚を衝かれました。
「本格ミステリファン」を自称し、ミステリーに関するエッセイなども執筆されている庵字様の腕前は、第1話目から遺憾無く発揮されています。
第1話目が独立した一つの事件(謎解き)になっていて、それだけでも唸るような出来なのです。
もちろん本編はより圧巻です。
橋が「消えた」ことによって迷い込んだ「妖精館」という建物。そこに監禁される主人公たち。そこに住む妖艶な美女。できすぎた舞台設定において、意外な人物が殺されます。
そして、ミステリーファンなら誰でも知っている綾辻行人の「十角館の殺人」の例の台詞のような、すべてを覆す一言が終盤にあり、作品の世界がガラリと転回します。
まさかそんな真相が、と半信半疑で最後まで読むと、トリックによってちゃんと説明されているんです。お見事です。
ミステリーファンはもちろん、ミステリー初心者にも読んでもらいたい一作です。
【リンク】
https://ncode.syosetu.com/n0088fm/