月【yue】——殺人邸で瞼を閉じて——
「月【yue】——殺人邸で瞼を閉じて——」
【作者】
乾レナ 様
【あらすじ】
愚かな女どもめ。悲劇は、アノ破鏡の夜からはじまっていた。
曰く付きペンションに集うのは、強烈な個性を持つ六人の宿泊客。煮え滾る憎悪に悶え苦しむ者が、ひとりだけ紛れていたとも知らずに。さっそくドス黒い血が噴き出し、残虐な連続殺人へ。
全員の食事に盛られた毒、満月の晩まで開かない扉、真夜中のアリバイ聴取。死者が遺した血文字の意味と、密室のトリックを暴け! 隠れたミッシング・リンクが、犯人の正体を示唆している……!
【紹介文】
嵐の山荘、雪山のペンション、絶海の孤島——こうした脱出不可能な環境を、ミステリーの世界では「クローズドサークル」と呼びますが、この「月【yue】」はクローズドサークルの名作です。
クローズドサークルはミステリーファンにとっては麻薬のようなものですが、この作品の誘引力はそれにとどまりません。
連続殺人、無差別殺人、密室トリック、館トリックといった、様々なトリックが一作に詰まっています。特上海鮮丼のようですね。
そして、面白いのは、連続殺人のそれぞれが全く違う類型の、別々の個性を持った事件だということです。
個人的にお気に入りなのは、1件目の毒殺であり、発想がかなり独特でとても印象的です。
さらに、この作品でもう一つ魅力的なのは、最後に明かされる犯人の動機でしょう。
東野圭吾のデビュー作の「放課後」が奇抜な動機を評価されて乱歩賞を取ったように、動機の新奇性というのは、ミステリーの価値を決める重要な指標です。
この作品の動機はかなり斬新で、インパクトがあります。
個性的なキャラクターとともに、ミステリーの醍醐味の詰まった殺人邸の夜をお楽しみください。
【リンク】
https://ncode.syosetu.com/n7169el/
(2021年2月11日追記:現在,作品が削除された状態です)