小倉百人一首殺人事件
「小倉百人一首殺人事件」
【作者】
iris Gabe 様
【あらすじ】
(難易度★★★★★)
密室の中、遺体となって発見された被害者が握りしめていたものは、一枚の百人一首の札であった。瀕死の被害者が最期に残したダイイングメッセージが明示する奇怪な事件の真相とは?
如月恭助シリーズ第4弾で、シリーズ最難の事件――。
【紹介文】
あらすじにもあるとおり、如月恭助ミステリーシリーズの第4弾です。
この如月恭助ミステリーシリーズ(というより、iris Gabe様の作品)の大きな特徴は、いわゆる「読者への挑戦状」にこだわり、フェアさを大切にしているところかと思います。僕も、iris Gabe様からはかなり学ばせていただきました。
そして、この如月恭助ミステリーシリーズも、可能であれば第1弾の「白銀の密室」(これも目から鱗のトリックが使われています)からお読みいただきたいですし、個人的には第2弾のオンラインゲームオフ会をテーマにした「白雪邸殺人事件」も捨て難いのですが、この「小倉百人一首殺人事件」がどうしても外せません。
密室、そして、ダイイングメッセージ。
ミステリーファンとしては堪らない謎が正々堂々と提示されます。
そして、密室トリックの説得力もさることながら、ダイイングメッセージの完成度が素晴らしいです。
作品の中で、(検証はしていませんが)小倉百人一首のほぼすべての歌の意味が解説され、考察されます。それだけでも読み物として十分面白く、とても勉強になるのですが、その解説・考察が伏線となり、ダイイングメッセージへと繋がります。
「シリーズ最難の事件」とあらすじにもあるとおり、ダイイングメッセージの真意を当てることは簡単ではなく、僕もできませんでしたが、手がかりは本文中に十分に示されており、かなりフェアです。種が明かされると、それはそうだよな、となります。
ぜひ「読者への挑戦状」に挑んでみてください。
【リンク】
https://ncode.syosetu.com/n3329cr/