Liar 2
「Liar 2」
【作者】
貴堂水樹 様
【あらすじ】
會田美姫殺害事件の解決からおよそ三ヶ月。
修学旅行で広島を訪れていた池月祥太朗だったが、宿泊先のホテルで、一般の宿泊客・瀧田要が何者かに殺害される事件が発生。
部屋はホテル錠によって完全に閉ざされており、瀧田は鋭利な刃物で腹部を数カ所刺されて絶命していた。
何よりも不可解だったのは、瀧田の遺体が見つかった部屋の中に、なぜか祥太朗と同じ男子バレー部に所属する同級生・中井陽太が昏睡状態で倒れていて――?
「頼む、百瀬! このままじゃ中井が殺人犯にされちまうんだよ!」
最重要参考人として警察に目をつけられた中井の無実を晴らすべく、祥太朗は体調不良で修学旅行を欠席していた秀才(だけど出席率低めの不良少年)・百瀬龍輝に一縷の望みをかける。
瀧田を殺したのは誰か?
なぜ中井は瀧田の部屋にいたのか?
現場に来られない百瀬に真実は見抜けるのか?
『Liar』の百瀬と祥太朗――水と油の男子高校生コンビが密室の謎とアリバイトリックの解明に挑む、シリーズ第二弾・修学旅行編。
【紹介文】
タイトルからも分かるとおり、シリーズ第2弾です。
貴堂様の文章はとても読みやすく、かつ、登場人物の心情もよく描けているので、まずもって読み物としてとても面白いです。
そして、第1弾の「Liar」のあらすじもぜひ読んでいただきたいのですが、探偵役とワトスン役が1人の死んだヒロインを巡る者同士という設定もかなり個性的です。
その意味で、濃密な人間関係が描かれる第1弾の「Liar」から読んでいただきたいとも思うのですが、ミステリーとしての完成度としては第2弾の本作かなと思います。
密室の中にいたのは、死体と昏睡状態の同級生。同級生の無実を証明すべく事件に関与する主人公。
貴堂様の作品の特徴は、人間描写であり、どうしてその行動をとったのか、という広義の意味での「動機」にあるかと思いますが、本作はその魅力が存分に出し尽くされた上で、それがトリックともよく絡まっています。
今後の活躍にも大きな期待が持てる作者様の一人です。
【リンク】
https://ncode.syosetu.com/n8962fz/




