契鬼伝説殺人事件
「契鬼伝説殺人事件」
【作者】
東堂柳 様
【あらすじ】
夏合宿と言う名目でサークル旅行に出かけた俺たちは、学友・槻英介の所有する別荘がある長野へとやってきた。そこで地元に伝わる、ある伝説を耳にしたのだが、まさにそれになぞらえたような凄惨なバラバラ殺人事件に巻き込まれてしまったのである。
カクヨムでも公開しています。
【紹介文】
皆さんお待ちかねの首切り殺人です(おい)。
というよりも,本作はバラバラ殺人ですが。
東堂様の作品の特徴は、直球ど真ん中の本格、そして、物理トリックだと思います。作者サイドとしては、物理トリックは読者需要が高い一方、知識と閃きが必要なので、なかなか使えません。比較的書きやすい心理トリックに頼りがちです。ただ、東堂様は難関な物理トリックに挑戦し、斬新なアイデアで成功させています。
本作の契鬼伝説殺人事件では、密室トリックが使われているのですが、見事な物理トリックです。個人的にとても好きです。
クローズドサークルとなった別荘で起きる、連続殺人事件。それは、死体を貪るという「契鬼」の伝説になぞられた異常犯罪。
蓋を開けると、本作で用いられた複数のトリックは、この伝説なしでは成立しないものだったと分かります。よく練られてるな、と感心します。
東堂様には他にも多くの名作があり、「鏡館殺人事件」も館トリック、さらには物理トリックを使った名作です。どちらを紹介するか悩んだのですが、僅差でこちらを選びました。
ミステリーの王道である物理トリックの魅力をぜひとも堪能してみてください。
【リンク】
https://ncode.syosetu.com/n0863da/