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はじめに(読み飛ばしていただいて結構です)

 このエッセイに興味を持っていただいた方は、ミステリーに興味があるのであって、僕には興味はないとは思いますが、まずは簡単な自己紹介からさせてください。


 菱川あいずといいます。中性的なペンネームですが、Twitterのbioに「巫女フェチ」と書かれていることから性別は容易に察することができるかと思います。


 2015年7月になろうユーザー登録をしてますので、なろうユーザー歴は5年半となります。



 僕が好きな小説のジャンルは「ミステリー」です。


 僕にミステリーを教えてくれたのは、東野圭吾です(以降も,プロの作家は愛着を込めて敬称略とします)。

 ここ数年はあまり追えていませんが、デビュー作の「放課後」から直木賞を受賞した「容疑者Xの献身」くらいまでの作品は、ほぼ読破していると思います(「ある閉ざされた雪の山荘で」と「仮面山荘殺人事件」は多くのミステリーファン同様、僕にとってもバイブルです。マニアックなところだと、「魔球」、「ブルータスの心臓」、「鳥人計画」あたりが好きです)。


 その後、京極夏彦にハマり、中山七里にハマり、綾辻行人にハマり……と、日々ミステリーにのめり込んでいます。

 最近では、海外の古典作品もチェックするようにしています。



 というか、ぶっちゃけると、僕は、ミステリー以外の小説をほとんど読んだことがありません。

 非ミステリーで紙の本でちゃんと読んだことがあるのは、小中学生の頃に読んだハリーポッターシリーズとローワンシリーズくらいかもしれません。


 僕の中では、小説=ミステリーです。

 読書遍歴が完全に読書「偏」歴となってしまっています。




 さて、このあたりで自分語りは終えまして、ミステリーについて述べたいと思います。


 ソースとして適切かどうかは分かりませんが、導入としてはとても分かりやすいので、ニコニコ大百科さんより、「ミステリー」の定義を引っ張らせていただきます。



………………


〜ミステリー、推理ものとは〜


【定義】


 なかなか万人が納得できる定義をあげるのは難しい。


 狭義に考えるなら、「殺人などの事件を探偵が捜査し、犯人を指摘する」ような筋書きを、おそらく推理物と聞いて多くの人間が連想するであろう。


 あるいは広義には「謎解き」や「事件」の存在によって、ミステリーだと判断する場合もある。


(後略)


……………



 冒頭の、「なかなか万人が納得できる定義をあげるのは難しい」というのは、納得せざるを得ません。さらには、時代や媒体によっても変わってくるでしょう。


 とはいえ、個人的には、ニコニコ大百科さんが挙げる「狭義」の定義は狭すぎる気がします。


 たとえば、探偵ではなく、刑事や高校生が謎に迫っていく作品も「ミステリー」でしょうし、犯人が最初から分かっていて、動機や手段だけを明かしていく作品も「ミステリー」でしょうし、幽霊や超自然現象など、人為的ではない怪奇の正体を解き明かしていく作品も「ミステリー」でしょう。



 どちらかというと、「広義」の定義の方が腑に落ちます。


 「謎解き」、そして「事件」。


 これらはたしかにミステリーのエッセンスですし、世の中に数多あるミステリー小説の最大公約数はこのあたりに落ち着く気がします。




 ただ、このエッセイにおいては、偏に僕の好みに基づき、以下の条件を満たしている作品のみを「ミステリー」と捉え、紹介の対象にします。



① 謎があること


② トリックがあること


③ 人の生死にかかわる事件があること


④ 結末に意外性があること



 ①について、謎は大きければ大きい方がいいと思っています。その意味では、島田荘司作品なんて最高ですよね。バラバラ死体を組み合わせた人形が生命を持ったり、木が人を食べたり。典型的には、密室もそうなのですが、謎、すなわち、「ありえないこと」の存在がミステリーの心臓部分です。



 ②は、①の謎がちゃんと論理的に説明される、ということです。実はネクロマンサーがバラバラ死体を再生したとか、実はその木はお化けの木だった、とかじゃダメなわけです。論理則、経験則によって、その謎が説明されなければいけません。特殊設定を排除するわけではありませんが、特殊設定が論理則や経験則を吹き飛ばしてはいけません。



 ③は別に満たす必要がない、と考えている方は少なくないと思います。ただ、僕の趣味嗜好に基づき、このエッセイでは要求させてもらいます。いわゆる「日常の謎」がミステリーにあらず、とまでは言う気はありません。ただ、やはり殺人こそがミステリーの花形であり、偉大なる先人たちは、ミステリーの起源と言われる「モルグ街の殺人」以降、「殺人を巡る知的な営み」こそをミステリーだと捉え、競ってきたように見えるからです。



 ④も大事ですね。結末の意外性こそがミステリーの醍醐味かもしれません。とはいえ、結末が意外であればすべてミステリーかというと、そうではなく、たとえば、ハリーポッターシリーズでは、4巻以降、終盤に「まさか」という意外な主要人物が死にますが、それをもってハリーポッターシリーズをミステリーに分類する人はいないでしょう。結末の意外性は、やはりトリック(②)によってもたらされる必要があります。



 少し語りすぎました。



 本エッセイでは、上記の①〜④を満たすと僕が判断した作品のみを対象に、紹介していきます(以下、便宜上、①〜④を満たす作品のみを「ミステリー」と呼称します)。


 ただ、もちろん、単に①〜④を満たせばいいわけではありません。



⑤ とびっきり面白いこと



も絶対条件です。この⑤を満たす作品を適切に選び抜くことが、僕の最大の腕の見せどころでしょう。



 誰かに後ろから刺される覚悟で申し上げます。



 現状、上記①〜⑤を満たしている作品は、なろうの「推理」ジャンルのランキングを隅々まで探してもほとんどありません。



 決して、ランキング上位の作品を妬み、disっているわけではありません。


 僕が言いたいのは、⑤ではなく、①〜④を満たしている作品(つまり、僕が思う「ミステリー」)がランキングにはあまりないということです。



 しかし、なろう全体を見れば、①〜⑤を満たしている作品はたくさんあります。


 なぜこれを無料で公開しているんだろう、プロが書いたんじゃないか、と思うようなクオリティーのミステリーがたくさんあります。


 密室殺人、館トリック、クローズドサークルなどなどが用いられたミステリーファン垂涎の作品がたくさんあります。



 もっとも、このような作品はことごとく評価されません。



 ラノベ主体のなろうにおいて、ミステリーを投稿するというのは、イタリアンレストランで麻婆豆腐を販売するようなものです。


 どんなに創意工夫を凝らして美味しい麻婆豆腐を作ろうが、凡庸なペペロンチーノにさえ勝てません。


 そもそも注文されることすらありません。



 さらに、ミステリー書きの方は、大抵の方が謙虚で奥ゆかしく、自らの作品をほとんど宣伝しません(僕は例外です。ガンガンTwitterで宣伝しています)。



 ゆえに、僕は、このエッセイを書こうと決心しました。


 決して、なろうにミステリーがないわけではなく、同時に、なろうにミステリー需要がないわけでもありません。


 世の中には、僕のようにミステリーしか読まないという人種は相当数いて、それはラノベしか読まないという人種よりもきっと多いはずです。


 Twitterを眺めていても、ネットで読めるミステリーを探している読者様を頻繁に見かけます。


 ただ、そういう方々は、きっとなろうの「推理」ランキングを見て、「あ、ここはイタリアンだから、麻婆豆腐はないんだな」と諦めて帰って行ってしまってると思うんです。



 そこで、僕は、潜在的にはたくさんいるであろうミステリー好きの皆様に、なろうに存在している素晴らしいミステリーに出会えるための手助けをしたいのです。



 このエッセイを始めるにあたり、僕は、活動報告を使って、僕のお気に入りユーザーの方々(ミステリー書きの方が多い)に、「あなたの最高傑作を教えてください」と呼び掛けました。


 そうしたところ、謙虚で奥ゆかしいミステリー書きの方々は、自薦ではなく、他薦で面白い作品をたくさん教えてくれました。

 

 なろうミステリーにおける伝説的な名作をたくさん教えてくれました。



 そうやって他薦によって知った作品や、僕がたまたま見つけた作品のうち、①〜⑤を満たす作品を、ジャンジャン紹介していくのがこのエッセイです。


 

 ミステリー無くして、今の僕はありません。


 今僕が就いている仕事は、ミステリーに頻繁に出てくる仕事です。

 ミステリー好きの母親から、幼い頃より、この職を目指すよう言われていました。

 そして、小学生の頃に見たミステリードラマの主人公がこの職に就いていて、僕はそのドラマの影響でこの職を志すようになりました(……あ、探偵ではないです)。


 そして、今の僕は、オフの日まで、ミステリーを書いたり読んだりして過ごしています。



 皆様にも、人生を変えるような素敵なミステリーとの出会いがありますように。



 このエッセイが、少しでもその手助けになればと願うばかりです。



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