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パラグラント公爵家とルーナシア

大陸で最も広い領土を統治するエスパラディエ帝国。その皇族に連なる血筋を持つパラグラント公爵家の第4子 ルーナシア。それが転生した私。


今の家族は宰相のお父様と隣国ラネージュの王女だったお母様。ちなみに恋愛結婚。そして、父方の祖父母である前公爵のおじい様とこの国の元皇女だったおばあ様。こちらも恋愛結婚。兄弟は長男のシリルお兄様、長女のベルトリアお姉様、次男のテオドールお兄様。


生まれて、いや、転生して?から2週間。集められた情報はそんなところ。産まれたばかりの私を見て、みんなが大騒ぎしていたのはなんでだろう?お父様が紫水晶の瞳だの、王位継承権がうんちゃらかんちゃらって言ってたのと関係あるのだろうか?そんな中でも、おばあ様だけはその麗しい顔をにこにこさせて上機嫌だったけど。


それより、なんで赤ちゃんからスタートなのさ、神様!!とんだ羞恥プレイじゃない!!せめて3歳くらいにしろよ!誰が喜ぶんだよ!!目が覚めたら、体は上手く動かないし、全然しゃべれないし、超絶美形の面子が上から覗いているからびっくりしたじゃないか!!しかも、もふもふ出来ないんだけど!!そもそも、もふもふがいない!!私は今すぐに癒されたいのよ!!もふもふカモーン!!


と、思っていたら、この家には狼レベルにでかい犬がいた。あと、白猫も。犬の名前がノアで、猫がグラス。優しいお兄ちゃんみたいなノアとツンツンツンデレなグラスはいつも傍にいてあやしてくれるの。守役みたいな感じ。


寝て食べて寝て食べて遊んで、また寝て食べてたら、いつの間にかハイハイが出来るようになったぜ!そしたら、余計に過保護になって傍を離れなくなった2匹。ちょっとでも調子に乗ると前足で頭を押さえつけられる。


ごめんごめんっ、もう階段には近づかないからうなじ咥えないで!!私、犬でも猫でもないから!首しまってる!!



で、また寝て食べて寝て食べて遊んで。そんな赤ちゃん生活という名のニート生活を繰り返していたら月日が過ぎるのはあっという間。早々と1歳がすぎて、気がついたら2歳(+半年)になってました。よちよちだけど1人で立って歩けるようになったぜ。やったね!ちなみに今は、部屋の中を歩き回ってます。


この頃になると、周りのことが色々わかるようになってきた。


まず、我が家はとんでもなく権力を持っていること。


元々、4大公爵家として地位は高かったらしい。しかし、おじい様が自国の皇女だったおばあ様と恋に落ちた結婚。さらには、お父様が隣国の王女だったお母様と恋に落ち、結婚。自国の姫と隣国の姫を2代にわたって妻に迎えたことで貴族筆頭の地位を手に入れてしまったらしい。

加えて、この家の人は元々文武の能力も魔力も高くて優秀だったため、文官なら宰相、武官なら騎士団長、魔術師なら宮廷魔術師団長に上り詰めるものが多いとか。チートかよ。


まぁ、例に漏れず、お父様は宰相だし、おじい様は元々騎士団長だったらしいし。二人いる叔父様も片方は宮廷魔術師副団長、片方はおじい様の跡を継いで騎士団長になっているそうだ。フルコンしてんじゃねーか。


え、ほかの貴族から危険視されないかって?


されてるよ!!されるに決まってんじゃん!!むしろ、されなきゃおかしいでしょ!!


と、言っても、実は4大公爵家同士の仲はいいらしい。4大公爵家は帝国建国に最も貢献し、初代王からずっと皇帝の治世を支えてきた名家。常に互いを支え合ってきた家同士なので、家族のように仲がいい。珍しいよね。ラノベだと常にバトってるのに。


まぁ、それは置いといて。うちを危険視しているのはその下、侯爵や伯爵、それ以下の面子。やれ権力が偏るのは良くないだの、やれ公爵家だからだのと文句ばっかり。みんな優秀なんだから仕方ないじゃん。結婚だって、政略結婚ならまだしも、大恋愛の末の結婚なんだから引き裂けるわけがない。

あれだね。くだらないことばっかり言ってるどこぞの国の政治家たちみたい。



「ルーナちゃん」



2歳児らしからぬ顔でうんぬんと考えていたら、名前を呼ばれて、優しく抱き上げられた。



「ふふふ、今日も本当に可愛いわ!」


『ばーば!』



にこにこと上品に微笑んで私を抱きしめる、ブロンドが美しい、紫水晶(アメジスト)の瞳の老婦人。彼女が祖母のラティシアだ。

上皇陛下の妹であり、現皇帝の叔母である彼女は、この国の皇族の血筋であることを示す紫水晶(アメジスト)の瞳と防御の魔法の持ち主。そして、



「ルーナちゃんのお目目はわたくしと一緒なのよ」



私も紫水晶(アメジスト)の瞳を持って生まれてきた。今の私の容姿といえば、ふわふわと波打つプラチナブロンドの髪に、頬の淡いピンクが映える白い肌。大きくて優しげな紫水晶(アメジスト)の瞳に桃色の唇という、もはや誰と言いたくなるほどの美少女ぶり。将来が約束されたと言っても過言ではないほどだ。


確かに神様が色々と付与してくれたようだが、これはさすがにやり過ぎじゃない?初めて鏡を見た時の衝撃は今でも忘れられないんだけど!


そんな色合いがそっくりな私を、おばあ様はことのほか溺愛している。なんでも、息子3人は夫そっくりで、色合いも一緒。3人の孫も息子と嫁の色合いで、自分には似ていない。もちろん息子も孫も可愛い。だけど、母・祖母としては自分に似た子が欲しかったらしい。そんな中生まれたのが、髪の色も目の色もえくぼまで瓜二つな私。もはや目に入れても痛くないレベルで可愛がっている。そのため、誰よりもおばあ様に可愛がられて育った私は見事におばあちゃんっ子に育ったのだった。


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