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プロローグ

初投稿です。あたたかーい目で見守ってください。

鳴海優唯。26歳。OL。というよりも、もはや社畜。大学卒業して、希望した会社に入ったまでは順調だった私の人生。


しかし、そこから一気に崩れた。


労働基準法なんてクソくらえ。遊びも恋も全て犠牲にして仕事し続けた。今日も残業を終え、フラフラになりながら家へと歩く帰り道。周りから悲鳴が聞こえたと思ったら、



そこでブラックアウトした。



で、目を覚ました、


「ホントにごめんね!!わざとじゃないんだ!わざとじゃないんだけど、こっちのミスだし、ほんとにごめんなさい!!」


神様らしき人が私に謝り倒してる(←今ここ)



『あの、意味わかんないんだけど。まず、あなた誰?』


「あぁ、ごめんね。私は……神だよ」


『何、その間。そういうことを聞いてるんじゃなくて、名前を聞いてるの、名前を』


「あ、あぁ、名前ね。ディオースっていうんだ。ある異世界では、原初神とか創造神って言われてる」


『そう』



やっぱり神様なんだ。いや、神様ってホントにいるんだ。全く信じてなかったわけじゃないけどさ。というか、異世界って何?ラノベですか?



『それより、こっちのミスって何?私、死んだ?死んだの?いや神様目の前にいるんだから死んだのか……え、なんで?』


「いやー、ちょっと暇つぶしに遊んでたら、楽しすぎて力がちょこ~っと暴走しちゃって。その余波でトラックまで暴走しちゃって……」


『…………』


「あはは……っ」


『…………』


「あはっ、」


『…………』


「すみませんでしたっ!!!」



目の前で土下座する神、もといバカを思いっきり見下ろす。



どこの世界に楽しくて、トラック暴走させる神がいるんだよ。


あ、ここにいたわ。


物理的に被害出てるし。つうか、異世界の神が現代に遊びに来てるって何?実はこれは夢で、起きたら自分の部屋だったりしない?



試しに目をつぶってみる。で、開ける。つぶる。開ける。つぶる。開ける…………うん、現実。



どうやら、ほんとに死んだらしい。まだうら若き乙女の人生をなんてことしてくれるんだ!!



『はぁ……』


「ほんとにごめんねっ!!」


『もういいよ。起きたことはしょうがないし』


「お詫びに願い叶えるよ!!」


『願い?なんでも?』


「なんでも!!あ、とりあえず生まれ変わらせようか。転生ってやつだね。僕の創った異世界はどう?」


『そういえば、あんた神なんだっけ?』



あんまりにもバカすぎてすっかり忘れてたわ。まぁ、神なんだから世界の1つや2つ創れるか。うん、そうだよねなんだが、もう非現実ウェルカムよ。うん。



『ちなみにどんな世界?』


「魔法が使える世界だよ。精霊とかもいるよあと、能力者なんかも」


『魔法!?精霊!?能力者!?』



なにそれ超楽しそうじゃん!!って、なると答えは決まったね。



『転生する』



死んだんなら、次の人生楽しまなくっちゃね。魔法のある世界とか絶対楽しいに決まってるもん!!



「わかった!!他に願いはある?」



『んーと。せっかく魔法がある世界に転生するんだから色んな魔法が使いたいな。あと、癒しが欲しい』


「癒し?動物とか?マッサージ?」


『動物に決まってるじゃん!!』



なぜだか分からないが、私は動物にとことん嫌われる体質らしい。実家で買っていた猫には尽く嫌われ、抱っこしようもんなら全身傷だらけの大惨事。近所の犬も、ほかの人が撫でると擦り寄るくせに、私が近寄ると「こっち来んな!!」と言わんばかりに吠えまくる。なぜ!?


しかし、この疲れた心と体を癒せるのはあのもふもふしかないのだよ!!分かる!?あのふわっふわでもっふもふの触り心地。クリクリとした愛らしい目。触りたくても触らせてもらえないこの体質がどんなに憎たらしかったことか!!


そう力説する私に、思いっきり引いてくれちゃってる神様。



「と、とりあえず、強大な魔力と万物に好かれる能力でいいのかな?他には?」


『他は……特には』


「そう?容姿とかいいの?女の子は美人になりたいとかあるでしょ?」



いや、なんで自分で言っときながらうんざりしてるの?つうか、おい。それって、私がブスってことか?そりゃあ、そんなに麗しい容姿をしてればこんな私なんてブスで凡人に見えるだろうよ。でも、言い方ってもんがあるでしょうよ!喧嘩売ってんのか、この野郎!!


思いっきり睨みつけると、慌てて「違う違う!」と言い訳してくる。



「もちろん、今でも十分可愛いよ!ただ、女の子はそういうのに憧れるって言うじゃん?だからさ!ね?」


『ふーん』



何が「ね?」なのかわからないんだけど、まぁいいだろう。



「ま、まぁ、こっちで適当に色々と付けておくよ」



神様はそう言うと、急に悲しそうな申し訳なさそうな顔で私の頭を撫でる。



「ごめんね。君の人生を奪ってしまって」


『もういいって。正直人生疲れてたし』



そりゃあ、それまでは楽しかった思い出しかないから、家族や友達に会えないのは寂しいけど、起きたことを悔やんでもしょうがないし。



『だから、大丈夫』



神様に向かって微笑むと、向こうも安心したように微笑んだ。




「────────」




その瞬間、意識が遠くなった。



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