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プロローグ
初めて投稿します! 割と短めの異世界系になると思うのでよろしくお願いします!
恐ろしく広い花畑だ。香りは……しない。ただ雪のように白くて、目が痛む。
あの花は何という名前だったか。そうか、マーガレットだ。いや、違うな。もう少し小さい。あいつだったらきっと教えてくれただろう。得意げに、「君は知らないだろうけどね」と言うのだろう。
ああ、なんだ。そこにいるじゃないか。
あいつは花を一本だけ摘んで、口元に当てながらじっとこちらを見た。
……なんで、そんな悲しそうな顔をするんだい。
あいつの長い髪が揺れたのと同時に、風が吹いているのだとわかった。花弁が塵みたいに舞う。
夢でも見ているんじゃあないだろうか。なんせ、さっきから意識が朦朧としているんだから。これじゃあまるで
水の中にいるみたいだ。