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魔力0で最強の大賢者~それは魔法ではない、物理だ!~  作者: 空地 大乃
第三章 マゼル学園入学編

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第490話 魔力0の大賢者、バトルロイヤルに挑む

「お前ら、やると決めたんだからさっさと五人決めろよ」


 イロリ先生が面倒くさそうに言いながらも、眼差しからは真剣さも感じられる。


 バトルロイヤル方式になったとはいえ、出場できるのは五人――その選抜は重要だ。


「マゼルは決まりね。だけど私はパス。正直、足を引っ張るだけになりそうだし」

「マゼルに関しては絶対だな」

「ライバルとしては癪だが、マゼルがいないと話にならないな」


 メドーサの発言にアズールとガロンが頷く。

 うん、もう当然みたいな空気だ。まあ、ギャノンも僕のことを狙ってるみたいだし、出ないわけにはいかないよね。


「僕も本格的な戦闘では力になれないと思う。それならメイリアの方が最適だ」


 ドクトルが冷静に言った。

 確かにメイリアの分析力と戦闘能力があれば、三年生相手でも心強い。


「俺は出るぞ。あのギャノンって奴、マゼルしか見てねぇのが気に入らねぇ」

「俺も出たい。上級生相手に、力を試してみたいんだ」


 アズールとガロンが名乗りを上げる。二人とも頼もしい。誰も異論はなかった。


「リミットはどうする?」

「出てみたいけど、一発しか魔法を撃てないしね~。だから私は……シアンちゃんがいいと思うな」


 リミットが隣のシアンの肩に手を置く。けれど、シアンは目を伏せて首を横に振った。


「ごめんなさい……。私、役に立てそうにない――」


 小さな声。でもはっきりとした拒絶。

 リミットは一瞬だけ驚いたけど、すぐに笑って首を振った。


「ううん、無理にとは言わないよ。得意不得意はあるもんね。ごめんね、無茶言っちゃって」


 優しくそう言えるのが、リミットらしい。

 気まずい空気を作らないのも、Zクラスらしいなと思った。


「そうなると、あと一人は――」


 アズールの視線が自然とアニマに向かう。

 その隣では、シグルとメーテルがじっとこちらを見ていた。


「なぁウィンガル先生。アニマの飼ってるシグルとメーテルも“あり”だよな?」

「使役しているなら、魔法の一種として認められるだろう」


 先生の言葉に、ガロンがうなずいてアニマに声をかける。


「アニマ、いけるか?」

「う、うん! 私もZクラスの一員だもん! 頑張るよ!」

「ガウガウ!」

「ピィ~!」


 アニマの決意に、シグルとメーテルが鳴き声で応える。

 これで五人が決まった。マゼル、アズール、ガロン、メイリア、アニマ――Zクラスの主力だ。


「よし行くぜ、お前ら! Zクラスの力を見せつけてやる!」

「なんであんたが仕切ってんのよ……」


 拳を突き上げて叫ぶアズールに、メドーサがジト目を向ける。

 でも、こうして盛り上げてくれるのも悪くない。空気が一気に締まった。


 僕たちは互いに頷き合い、三年生の待つリングへ向かった。


「待ちわびたぜ。この時をな」


 ギャノンを中心に、五人の三年生が横一列に並んでいた。

 眼鏡を掛けた白髪の男子。金髪の女子。無表情な茶髪の男子。

 そして一際体格のいい、坊主頭の男。全員一筋縄ではいかなそうだ。


「まったく、急にルールを変えるなんて……何を考えているんだ」


 ウィンガル先生がため息をつきつつも、両手を広げて宣言した。


「これよりバトルロイヤル方式での試合を始める! 三年Dクラス、一年Zクラス――どちらかが残り続けた方の勝利とする! 試合開始!」


 その合図と同時に、空気が一気に張り詰めた。

 最初に動いたのは――メイリアだ。


「おいおい、一人で全部片付ける気じゃないだろうな!」

「否定はできませんとお答えします」


 アズールのツッコミにも表情を崩さず、メイリアは一直線に前進した。

 その姿勢はまるで歴戦の騎士のように凛々しく速い。


「メイリア――」

「え?」


 だけど、次の瞬間、メイリアの動きがぴたりと止まる。

 その前に立っていたのは――ゲシュタル教授。


 あまりにも突拍子もない光景に、僕たちは息を呑んだ。

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