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魔力0で最強の大賢者~それは魔法ではない、物理だ!~  作者: 空地 大乃
第三章 マゼル学園入学編

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第434話 魔力0の大賢者、Sクラスの意外な功労者を知る

「たく、まさか連戦になるとは思ってなかったぜ」


 お昼になり、食堂に向かう途中でアズールがぼやいていた。実は午前中の対抗戦ではSクラスとの試合以外にもう一試合があって、続けてEクラスとの魔法戦になったんだ。


「まぁいいではないか。連勝できたわけだし」

「確かにね。Sクラスに勝てて勢いに乗れたのがよかったのかもね」


 ガロンが笑顔で語ると、メドーサも弾んだ声で同意していた。確かに最初にSクラスに勝てたからか、次の魔法戦も自信を持って挑めたみたいだからね。


「そういえば対抗戦が始まってから、僕たちのクラスは負け知らずだね」

「おうよ! これで他のクラスの連中も俺たちをバカにできないだろうぜ」

「もしかして私たちって、結構凄い感じ?」

「え、えっと、確かに凄いけど、ゆ、油断はできませんよね」


 皆の言っている通り、今のところZクラスは全勝中だ。それは誇らしいことだけど、アニマの言う通り“慢心は厳禁”だよね。


「はぁ、いい匂いがしてきたぁ~。もう連戦でお腹ペコペコだよぉ」

「リミットはいつものことだよね」


 お腹を押さえて空腹を訴えるリミットに向かってドクトルが言った。リミットはお昼休みが何より楽しみみたいだからね。


「魔法使って気絶してたから、更に腹減ってるのか?」

「あぁ~それはあるかも~。魔法を使うと余計にお腹減っちゃうんだよねぇ」


 アズールの疑問にリミットが答えた。Eクラスとの魔法戦でリミットは魔法を行使して気絶したんだけど、それと空腹はどうやら密接な関係があるらしい。魔力の回復には食事と睡眠が大事だと言われるしね。僕は魔力を持ってないから、その感覚はわからないんだけど。


「シアンちゃんは何にするの~?」

「……何でも」

「それならオススメはね!」


 券売機でリミットがシアンにオススメを教えていた。今日はシアンも一緒だからか、リミットのテンションも高い。


「――この新発売のハニーソフトというのは?」

「あ、そうそう。ソフトクリーム用の魔導製造機が新しく導入されたんだ~。甘くて冷たくてオススメだよ♪」

「あ、本当だ! 美味しそう! メイちゃん、目の付け所がいいね♪」


 リミットがメイリアの背中に飛びつきながら言った。メイリアはソフトクリームに興味を持って購入しているようだ。


「マゼル。Sクラスとの試合はどうだった?」

「うん。何とか勝利できたよ」

「謙遜すんなって。試合は俺らの圧勝だっただろ?」


 同じ食堂にいたアイラとビロスが近づいてきて、相席することになった。二人は今日の対抗戦の結果が気になるようだ。アズールが言うように点差は倍以上ついてはいたけど、多少は運も味方してくれたと思う。


「流石マゼル。負け知らずだったSクラス相手にも余裕ってわけね」

「すご~い♪ マゼル、ほんと凄いよ!」


 アイラが微笑み、ビロスもはしゃいだ調子で僕を褒めてくれるからちょっとこそばゆい。


「ふ~ん。負け知らずねぇ」

「……何か気になることがある?」


 話を聞いていたアズールがこぼした「負け知らず」という言葉に、アイラが反応する。メドーサも少し考え込むように首を傾げた。


「少なくとも、魔導球で試合した分にはそこまでの相手には思えなかったからな。あれで本当に連勝出来たのか疑問に思ったんだよ」

「確かに連携が上手くいかない場面が多かったよね」


 アズールがそう言うと、メドーサが頷く。事実、今日のSクラスは乱れが目立っていた。


「本当に不甲斐ない試合をお見せして、申し訳ありません」

「全く返す言葉もない」


 するとイスナとクイスが近づいてきて、肩を落としながら声を掛けてくる。


「いや、別に責めてるわけじゃないけどさ」

「でも、Sクラスにしてはお粗末な試合だったのは確かよね」


 アズールがフォローしようとしたものの、メドーサはズバッと率直に言う。ガロンが一瞬ハラハラしたような顔をしたけど、メドーサ自身はあくまでも事実を述べただけといった様相だ。


「仰る通りです。誇れる試合ではなかったですね」

「けど、これまでSクラスは魔導球でも負け知らずだったって聞いたけど?」


 イスナの言葉にドクトルが不思議そうに問いかける。アイラの話では、Sクラスは無敗で有名だったらしいからね。


「はい。その大きな違いは――ラクナがいなかったこと、でしょうか」

「不本意ながら、私もそう思う」


 イスナが言うと、クイスは納得しかねる顔をしつつも認める雰囲気を見せる。今回ラクナは停学処分を受けていて試合に出られなかったのだ。


「ラクナ、あの野郎が何だってんだ」


 アズールが不機嫌そうに口にした。入学式の時にアズールとラクナの間で一悶着あったからね。アズールがラクナに良い感情を持っていないのはそれも理由だと思う。


「ビロスあいつ嫌い!」

「マゼルに対しても、やたら噛みついてくる身の程知らず……何ができるというの?」


 ラクナへの評価は散々だ。でも、イスナは少し神妙な顔で続けた。


「確かにラクナは口も悪いし性格も最悪、過剰に自尊心が強い男です」


 し、辛辣だなぁイスナも――。


「ですが、不思議なことにSクラスの皆をまとめる統率力はあったのです」


 クイスとイスナが語るラクナ像に、僕は少し意外な印象を受けた。あれだけ尖った性格でも周りをまとめる力があったんだね。


「そもそもSクラスには自己主張が強い者が多く、魔導球のように連携が必須の競技ではまとめ役がいないと機能しにくいのだ。今回はラクナが停学で不在なのが仇になったな――」

「クイスの言うように、まとめ役がいなければチームとして機能しません。今回の試合のように――」


 それがイスナとクイスのラクナへの評価だった。それで得心がいった部分もある。退場になったマリーが絵で説明してくれと言っていたけど、その相手がきっとラクナだったんだろう。


 でも、ラクナにそんな顔があったなんて知らなかった。そう考えたら、もしラクナが停学になっていなかったら試合がどうなっていたかわからないよね――。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 絵で通常プレイをできたという結果を得られたのなら 遠回しに自分のぬいぐるみプレイが反則だと指摘されてると分かるはずだろうに どうして絵がなくなって同じ過ちを繰り返すのでしょう? しい…
2025/04/16 18:10 クウノスキー
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