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魔力0で最強の大賢者~それは魔法ではない、物理だ!~  作者: 空地 大乃
第三章 マゼル学園入学編

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第371話 魔力0の大賢者、Zクラスの皆と対戦に向かう

「そういえば午後からお前らCクラスと対戦だからな」

「は?」

「ちょ、突然何よ! 初耳なんだけど!」

 

 午前中の授業が終わってイロリ先生が僕たちにそんなことを伝えてきた。確かに急な話だったからアズールもメドーサも驚いているね。


「いい忘れてたんだよ。仕方ないだろう。俺も話す時間なかったわけだしな」


 後頭部を擦りながらイロリ先生が答えた。確かに午前中殆どイロリ先生はいなかったのだけど……。


「それってずっと自習で教室にいなかったからですよね?」

「いつでも言える時間あったじゃないですか」


 ドクトルとリミットがジト目を向けて先生に指摘したよ。確かに今日も午前中は自習だったんだけどね。


「今言ったからいいだろう。とにかく昼休みが終わったら本校舎に行くからな。はぁ面倒くさい」

「い、一緒に本校舎までは行ってくれるのですね」

「ガウ」

「ピィ~」


 欠伸を掻きながら答える先生に向けてアニマが発言した。肩に乗ってるメーテルは翼をばたつかせながら鳴いていて足元のシグルも尻尾を振って吠えていたよ。


 外に出れる事が嬉しいのかもね。


「行きたくねぇが教師も同行しないといけないんだとよ。午後もゆっくり寝れると思ったってのに」

「それぐらいして当然だろう」

「本当少しは教師らしいことしなさいよ」


 頬杖をつきながらボヤくイロリ先生に呆れ顔を見せるアズールとメドーサだよ。ま、まぁ流石に他のクラスとの試合になるわけだし担任の同行は必要だよね。


「ところで何で対戦するのだ?」


 ガロンからもイロリ先生に質問が飛んだ。確かにまだ対戦内容を聞いてなかったね。


「あぁ魔導球での試合だな。ルールはこないだやったからわかってんだろう」

「まぁ、一応試合もやったからな」

「で、でも実戦となるとちょっと緊張するかも……」


 先生の発言を聞いてガロンとアニマが答えた。以前イロリ先生たちとも試合形式で練習したからね。大体のコツは掴めているけど実際の試合となると練習とはまた違ってくるよね。


 それにCクラスということは――モブマンとネガメがいるからね。二人とも成長しているし油断は禁物だよ。


「頑張ろうねシアンちゃん♪」

「…………」


 リミットが隣のシアンに明るく話しかけていたよ。シアンは明確な返事を返してはいないけどね。


 なんとなく――シェリー先生の言葉を思い出す。シアンは陰だと言っていた――だからこそ明るいリミットを隣にしたのだろうか? なんとなくシアンもリミットに打ち解けてきている気がするから確かに相性はいいのかもね。


「とにかく昼食ったら準備しておけよ。それまで俺は昼寝だ」


 そこまで言った後、先生が欠伸しながら教室を出たよ。


「結局寝るのかよ」

「よくそんなに寝れるわよね」

「ははっ――」

 

 アズールとメドーサがそんなイロリ先生をジト目で見送っていたよ。その後は僕たちも昼食を摂ってから先生を待つことになった。


 ちなみに今日は旧校舎内で自炊しての昼食だったよ。本校舎まで行くことも多いけど夕食は狩りをして食材を用意することもあるからね。


 だけど食べきれず余る場合もある。そういう時は次の日の昼食として食べてしまうんだよ。


「ふぁ~お前ら準備は出来たか? ならとっとと行くぞ」

 

 そして昼休みが終わる頃イロリ先生が戻ってきて僕たちは一緒に本校舎に向かうことになった――

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