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魔力0で最強の大賢者~それは魔法ではない、物理だ!~  作者: 空地 大乃
第三章 マゼル学園入学編

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第368話 魔力0の大賢者、クラスメートの陰と陽を知る

いつも感想や誤字脱字報告を頂きありがとうございます。

「そこまで言うからには何か理由があるのですか?」

「うむ。(やつがれ)が見るに先ずドクトルだが、此奴は陽に大分偏っている」


 それは一見すると良さそうに思えるけど陰陽の考えでは偏りすぎても良くないみたいなんだよね。バランスが大事という考えだからね。


「やっぱりあまり偏りすぎていてもよくないのですか?」

「そのとおりであるが、このドクトルという生徒の懸念材料はもう一つある。確かに陽に偏っているがその中に陰りが混じっているのだ。それもあまり良いとは言えない形でな」


 シェリー先生によるとその陰りが陰陽の陰にあたるらしい。だけどここに混じっている陰を放置していてもあまりいい方向に向かないようだ。


「メイリアを隣の席にしたのもそれと関係があるのですか?」


「一応な。あのメイリアという娘はゴーレム。故に陰陽の影響を受けにくいのが普通だ。だが彼女はゴーレムでありながら意思も持つ。本来無であるはずの物が有となるそれは陰陽の性質変化と関係性が深いのだ。よってドクトルの陰をうまく制御出来るやもしれぬと考えての事であるが、こればかりは今後の動向にもよるのでな。お主も注意して見ておくと良いであろう」

「はい。わかりました」


 メイリアがドクトルの陰をうまく制御出来るか、か。でも確かにこの学園で一緒に過ごす仲間だし僕も気をつけて見ておかないとね。


「さて残るはシアンということになるが――恐らく現状一番危ういのはこの者であろうな」


 シェリー先生が難しい顔で話してくれた。クラスメートが危ういと判断されるのは僕にとっても心苦しいよ。


「シアンが……それはやはり偏りがあるということですか?」

「うむ。しかもシアンの場合はドクトルより更に極端でな。その全て陰に偏っているのだ。陽の入る隙など一切感じさせない真っ黒な陰――それがシアンであるのだ」


 そんな――シアンがそんなことになっているなんて……。


「それは今後何か問題が?」

「その可能性は高い。だが恐らくそれは本人も自覚していると思うぞ。勿論陰陽という意味では理解していないであろうが、恐らくあの者は普段から皆と距離をとっているのではないか?」

 

 シェリー先生の考えには心当たりがあった。確かにシアンは食事の時もあまり一緒にとりたがらないし皆で出掛けようという話になっても残っていることが多い。


「確かにそういう一面はあると思います――」

「うむ。恐らく自分が与える影響を危惧しているのだろうが、それが更に危うくもある」

「なんとかならないのですか?」

「――すまぬな。先にも言ったが(やつがれ)は陰陽の性質を視ることは出来る忠告も出来る。だが現状はそこまでである。勿論陰陽魔法によって無理やり抑え込むことも可能だが、それでは本質的な解決とはならない。それにまだ実害も出ておらず今すぐ何か起きるというわけでもない。とにかく今はまだ注視しつつ様子見するしかないであろう」


 そうなんだ……もどかしい気もするけど、情報として知っておけば大分違う気もするからね。


「わかりました。ありがとうございます」

「うむ。ただ一つだけ言えることがあるのなら、恐らくシアンの現状は本人の意思とは別にある――ということであろうな。そこは考慮しておく必要があるであろう」


 なるほど――確かにシアンが距離を置いている理由が皆を気遣ってのことなら、それはシアン自身の意思とはどこか違うってことだもんね。


「ただあくまで現状はそうであろうというだけであるからな」

「はい、わかりました」


 シェリー先生の言う通りまだ何も起きていないことでそこまで推測するのは早計かもしれないね。でもシェリー先生がそれだけ言うんだから何か起きそうな気もするし気をつけておかないとね。


「さて、ではそろそろ本校舎に戻らなくてはな」


 そう言って一旦教室へと戻り改めて皆に挨拶した後、シェリー先生は本校舎に戻っていった――

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