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魔力0で最強の大賢者~それは魔法ではない、物理だ!~  作者: 空地 大乃
第三章 マゼル学園入学編

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第357話 魔力0の大賢者と魔導球

「魔導球について教えろだと?」


 昼休みを終えた僕たちは旧校舎に戻り、早速イロリ先生に魔導球という競技についてきいてみた。先生の反応はどこか面倒くさそうでもあるんだけどね。


「いつも唐突なんだよ。なんなんだお前らは」

「そんな言い方ないじゃない」

「親睦会の代表として選ばれるのに必要な競技だと聞いたのですが……」

 

 文句を言うイロリ先生に向けてメドーサとドクトルが言葉を返した。確かに今後のことを考えたら教えて貰う必要はあると思うんだよね。


「たく、余計な知恵ばかりつけやがって。一体誰だお前らにそんなことを教えたのは」

「生徒会長ですよ先生」

「あいつか――たく生徒会ならもっと他にもやることあんだろうが」


 ドクトルに言われイロリ先生が髪を掻きむしりながら答えた。この様子だと生徒会長のことはよく知ってるみたいだね。


「先生。他にも魔導人形戦と通常の魔法戦があるとも聞いたのですが魔導球は特に馴染みが薄いので詳しく知りたいと皆も思ってるんだと思います」


 僕も自分の意見を言った。他の二つはなんとなくイメージはつくんだけどね。


「チッ、仕方ねぇな。お前らついてこい」


 先生に促され僕たちは教室を後にした。そのまま校舎の外まで出て歩いていくと、少し外れた場所に小屋があった。かなり老朽化が進んでいるのか痛みが激しい。


「……何だこれ?」

「物置だよ」


 ポカンっとした顔で口を開いたアズールに先生が答えた。


「も、物置ならこんなものなのか?」

「えっと、す、すごく使い込まれていて素敵だと思います!」


 話を聞いていたガロンは納得できそうでそうでもないような微妙な面立ちだった。アニマはどうやら気を使っているようだね。


「――基礎も含めて一昔前の作りな上、痛みも激しいですね。建築基準的にも問題があり、建て直しが必要とお伝えいたします」

「余計なお世話だよ。そんな予算もねぇんだから」


 メイリアが冷静に分析したよ! だけど直す為にはやっぱり費用がかかるものね。でも、これなら直せないこともないかな?


「とにかく入れ」

「ちょっとこれ中に入って大丈夫なんでしょうね?」

「崩れ落ちたりしないのよね?」


 イロリ先生が物置に入るよう促したけどメドーサとドクトルは心配そうだよ。


「そんときは運命だと思って受け入れろ」

「無茶苦茶だよ!」

「…………」


 イロリ先生の返答にリミットが突っ込み、シアンは無表情で黙り込んでいる。僕はと言えば若干戸惑いながらも中に入ってみた。物置の中は外観と違って整頓されていて埃っぽいなどの不快感は感じなかった。


「何だ、中は意外とちゃんとしているではない、ぬぁッ!?」


 ガロンも続いて中に入ってきたけど床が抜けて慌てているよ!


「ガロン大丈夫?」

「あ、あぁ怪我はないが」


 僕が引き上げると後頭部をさすりながらガロンが答えた。


「その辺、所々腐ってるからな。まぁ気をつけろ」

「先に言えよ!」


 イロリ先生の言葉にアズールが思いっきり叫んだ。とにかく怪我はなさそうでよかったよ。


「あぁこれだな。お前らそこにあるのが魔導球で使う道具一式だ」

 

 イロリ先生が指さした方には木製の杖が何本も入ったカゴと、土台と支えの備わった的が二つ。銀色の球体が数個あった。球は片手で持てるぐらいの大きさだね。


「後はこれだ」

 

 イロリ先生が一枚の紙を手渡してきた。どうやら簡単な魔導球のマニュアルみたいだね。


「じゃあな」

「ちょっと待てやぁああ!」


 イロリ先生は僕たちにマニュアルだけ手渡して立ち去ろうとした。アズールがすぐさま声を張り上げて引き止めたよ!


「何だうるさい奴め」

「うるさくもなるだろう! こんな一枚のペラ紙だけ渡されてどうすれってんだ!」

「うむ。せめてルールぐらい教えてもらわんと」

「だからそれに書いてあるっての。読め」


 投げやりにイロリ先生が言った。だけど皆納得はしていない。


「先生。このマニュアルだけだと不明点も出てくると思うので、どうか教えてもらえませんか?」


 僕からも先生に頼み込んだ。一応簡単なことは書いてあるみたいだけど、やっぱり先生からきちっと教わりたいよね。


「チッ。本当面倒だな」

「ねぇ、あんた本当に教師なんだよね?」


 訝しむような顔でメドーサが問いかけた。一応色々考えてはくれてると思うんだけどね……物置の作りはともかく中を整理整頓したのはきっとイロリ先生だと思うし、魔導球で扱う道具も手入れが行き届いていたからね。


「はぁ、面倒クセェな。わかったからそこの道具は各自で持ってきてついてこい」


 嘆息しながらイロリ先生が物置から出た。僕たちも道具を持って後に続く。

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