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魔力0で最強の大賢者~それは魔法ではない、物理だ!~  作者: 空地 大乃
第三章 マゼル学園入学編

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第337話 魔力0の大賢者、ラーサの演舞を見守る

いつも感想や誤字脱字報告を頂きありがとうございます!

 中央の舞台では特別学区の生徒たちによる魔法の披露が続いた。するとラーサを含めた全員がローブを脱ぎ去り衣装を変えて演舞を始めた。


 周囲には精霊たちが飛び回っていてよく見ると舞台袖に師匠の気配があった。どうやら師匠もこのお披露目会に協力しているみたいだね。

 

 演舞に参加しているのはラーサだけじゃなくて友だちのアンやフレデリカ、グリン、ブルック、シルバの姿もあった上、ラーサと一緒にアネも魔法を披露していた。

 

 多くの生徒がそれぞれの得意な魔法を披露していく。それは一つの物語を紡いているようでもあった。すると――シルバが花束を持ってラーサに求愛していたよ! 何故!


「うぅ、ラーサぁぁ」

「ちょ! マゼル何泣いてるんだよ!」

「ラーサがラーサがぁ」

「落ち着いてってただの演出でしょうあれ!」


 アズールとメドーサが困惑していた。ちょっと取り乱したけど確かに演出のようで、ラーサはシルバの花束を受け取らず、かと思えば突如ラーサを鎧騎士が取り囲んだ。


「ラーサが危ない!」

「だから落ち着けマゼル」

「そういう演技だから、ね?」


 思わず飛び出しそうになったところを後ろからガロンとドクトルに止められた。た、たしかにそうだよね……。


「お前、ちょっとシスコンがすぎるだろう。軽く引くぞ」

 

 イロリ先生に真顔でそんなことを言われてしまったよ!


「妹離れが出来てない――マゼルの情報更新しましたとお伝えします」

「いや、更新しなくていいから!」


 メイリアが淡々と言ってきて驚いたよ! 妹のラーサは家族として大切に思っているだけだからね!


「そうこうしていると鎧騎士がラーサの魔法で倒されていった。あの騎士はゴーレムなようだね。


「ラーサちゃん凄いですね。流石はマゼルの妹さんです」

「ガウ」

「ピィ~」


 アンはラーサの演舞を感心した顔で見てくれていた。シグルやメーテルも大人しくそれでいて興味深そうにラーサの活躍を見ているよ。


「……う~ん確かに凄いと思うけど、魔法が無難に纏まり過ぎているのは気になるかも」

 

 ラーサの魔法を見ていたリミットがふと、そう呟いた。ちょっと気になるセリフだね。


「無難でもあれだけの魔法使えるならすげぇだろ」

「そうね。ねぇマゼル。妹のラーサって何種の属性が使えるの?」


 アズールの言葉にメドーサが反応して僕に聞いていた。ラーサが扱える属性は前に聞いたんだよね。


「え~と確か今は五属性だったかな」

「五属性! それは凄いね。普通は二属性扱えるだけでも評価されるところなんだから」

「…………魔力も高い?」


 ドクトルが興奮気味に言っていると、シアンが僕に聞いてきた。シアンもラーサに興味があるんだね。


「そうだね。僕が知っている限り魔力は1500近かったと思うし」

 

 もしかしたら今はもっと上がってるかもだけどね。


「1500は凄いな」

「な、中々やるわね」


 魔力量を聞いてガロンが感心していた。リミットも驚いているようだね。


「お前、扱える属性も魔力量も完敗じゃねぇか」

「うっさいわね」


 アズールに言われてリミットが不機嫌そうに言い返していた。


「だいたい魔力が全てじゃないのは、ここにいるマゼルが証明しているからね。気にしないわよ」

「「「「確かに」」」」

「え! 僕!?」


 お前らもうくっちゃべるのやめろ。ゲズルがこっち睨んでてウザいんだよ。


 イロリ先生が言った。確かによく見るとゲズル先生がこっとを不快そうに見ていたよ。


 改めて特別学区の演舞に目を向けた。鎧騎士も倒されいよいよクライマックス。最後はグリンとアンが協力して花びらを舞い散らし全員で僕たちに向けて挨拶していく形で幕を閉じたよ。

 

 これはいい演出だったと思うよ。同時に特別学区の生徒が魔法の才能に長けていることもわかった。


 そして――演舞が終わったところで再びリカルドが姿を見せたんだ。

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