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第279話 魔力0の大賢者、先輩王子との再会

あけましておめでとうございます!

いつも感想や誤字脱字報告をいただきありがとうございます。

「ふふんっ。久しぶりだねマゼル。この再会に僕はわくわくが止まらないよ」

「はいお久しぶりです。ヘンリー先輩も息災で何よりです」


 薔薇を投げながらヘンリー王子が久しぶりの再会を喜んでくれた。学園に入ってから手紙は定期的に送られてきたんだけど先輩はいい笑顔をしているし学園生活が充実してそうだよ。


「う~ん。それにしても水臭いじゃないか。僕のことはこれまで通りヘンリーと呼んでくれて構わないしもっと気軽に話してくれたまえ」

「でも、やはり学年的には先輩にあたりますからね」


 親しき中にも礼儀ありと言うしね。


「ふむ。けっして驕ることないその姿こそが大賢者の証とも言えるか」

「な、なぁマゼルこの人は一体誰なんだよ?」


 僕がヘンリー王子と話しているとアズールが若干戸惑った様子で聞いてきた。


「おっと申し遅れたね。僕はマゼルの心の好敵手(とも)であり同時に形式上は後の義兄でもあるヘンリーだ」

「「「「「義兄!?」」」」」

「いやいや違うから! ヘンリー先輩の冗談だから!」


 皆驚いていたよ。そりゃ突然こんな話聞いたらね。僕が一番驚きだし。


「先輩も悪い冗談ですよ」

「いや冗談のつもりなんてないんだが……そうだ妹にはもうあったかい?」

「はい。一緒に試験を受けていたようで驚きました」

「そうかそうか。美人になっていただろう? 僕も休みを利用して会うたびに我が妹ながら日々美しくなっているんだなと感慨深くてね」


 ヘンリー王子がアリエルについて熱く語ってくれた。それを聞いていた女性陣から、シスコン? といった声が上がっている。


「あの、ヘンリー様はもしかして」

「ふふん。僕に様なんて必要ないさもっと気軽に呼んでくれたまえ」


 ドクトルがヘンリー王子に何か聞こうとすると薔薇の花を渡して対応していた。


「えっと、それではヘンリー先輩はその、生徒会副会長の?」

「ふむ。たしかに肩書上はそうなっているね。だけどそんな堅苦しく考えることはないよ。マゼルのクラスメートで友だちなら僕にとっても心の友さ」


 パチィンっとウィンクを決めてヘンリー王子が答えた。そう言ってくれるのは嬉しいけど皆副会長と聞いてちょっと緊張してるかも。


「……私はただのクラスメートであって友だちなどではないとお答えいたします」


 少し遠くからメイリアがそう言い放った。僕と友だちと思われるのが嫌だってことなのか。


「まさか生徒会副会長が来るなんて思わなかったわね」

「はい。とてもびっくりです!」

「マゼルも凄い先輩が友だちなんだな」

「いやそんなことは」

「勿論マゼルが凄い大賢者なのは言うまでもない事実さ!」


 いやヘンリー王子話を大きくしないで!


「そんなマゼルと学園で同じ空気を吸える日が来ることを僕は待ち望んでいたよ。この思いを是非詩にして~ラララ~♪」


 ヘンリー王子が今度は謳い出してしまった。喜んでくれるのは嬉しいのだけどとても照れくさいです……。


「正直このような離れの校舎に入れられているのは納得できないがこればかりは僕でもどうしようも出来なくてね。本当に申し訳ない」


 自作の詩を披露してくれた後は今の校舎について頭を下げてきた。


「そんなヘンリー先輩が悪いわけじゃないですから」

「そうそう。それにここも慣れると悪くないしな」

「食べ物も美味しいからね」

「自然が多いからメーテルやシグルにとってはいい環境です」

「ガウ」

「ピ~」

「トレーニングも出来るしな」

「気のあった皆と過ごせればそれだけで十分です」

「住めば都ってことかしらねぇ」


 皆の話を聞いてヘンリー王子が微笑んでいたよ。


「やはりマゼルには良い相手を引き付ける力があるのだな」


 ヘンリー王子が言った。そこは僕の力というわけではないと思うけど、でもいい出会いには感謝だね。


「さてマゼル――少しいいかな?」


 そしてある程度話したところでヘンリー王子が僕に向けて切り出した。どうやら二人で話したいという意味らしい。


 すると皆が気を遣って、大事な話みたいだし、と送り出してくれた。

 

 だから言葉に甘えて場所を移動したのだけどヘンリー王子の話って――

コミック単行本5巻まで好評発売中です。

それでは今年もよろしくお願いいたしますm(_ _)m

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