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第210話 魔力0の大賢者、メイリアと再会する

色々立て込んでいて更新が遅くなってしまいました……改めて定期的に更新出来るようがんばります。

「驚いた。君だったんだね」

 

 Zクラスに入ることになった少女は、実技試験の時僕と試合をしたメイリアだった。

 この子見た目は凄い美少女だけど実は人型のゴーレムらしいんだよね。


「何だマゼルの知り合いなのか?」

「うん。試験の時に一緒だったんだ」

 

 ガロンに聞かれたから答える。試合したことや彼女の正体は明かしていいかわからないから濁しておいたけどね。


「ふ~んじゃあお前も試験の結果でこっちに来ることになったのか?」

 

 メイリアにアズールが問いかける。実際は試験を受けてないんだけど……


「私は試験を行った方ですとお答えします」

「は? 試験を行った? どういうこと?」


 メイリアは一切ごまかすこと無く回答した。聞いていたメドーサが不思議そうな顔を見せた。


 するとガララと教室のドアが開かれイロリ先生が入ってきた。


「ふぁ~全くだりぃなぁ。おいお前ら適当に席につけ」

 

 皆メイリアへの疑問が尽きないようだけど、イロリ先生がきたので一旦席につくことになった。


 先生は古めかしい教壇の横で止まり、僕たちの顔をザッと見た後、確認するようにメイリアを見た。


「どうやら最後の一人も揃ったようだな」

「あの、どうして彼女だけギリギリまで待つことになったんですか?」

 

 手を上げてドクトルがイロリ先生に質問する。メイリアは入学式にも出ていなかったから疑問に思ったのかも。


「メイリアは特別枠だ。そもそもそいつは人じゃない。アイパー教授が作成した魔導人形(ゴーレム)だ」

 

 先生がハッキリ言った。僕から皆にはハッキリ言わなかったけど別に隠してることでもなかったようだね。


「嘘! これがゴーレム!? 信じられない。だってゴーレムってもっと無骨でそれに土とか金属で錬成する場合もあるけどこの子見た目まるっきり人間だし」


 リミットがメイリアを見ながら凄く驚いていた。確かに転生前には見た目が人と変わらず会話まで出来るゴーレムなんていなかったし凄いなぁと思うよ。


「うちの学園にはそういう常識はずれのことをするのもわりといんだよ。こまけぇ事気にするな」

「常識はずれ……」

「確かに」


 あれ? 何か妙に視線を感じるような、あはは、まさかね。僕なんて大したことしてないし。


「とにかくそいつは人みたいなゴーレムでアーバン達っての頼みってことでこのクラスで受け入れることになったんだよ」

「そ、そうなんですね。あ、改めて宜しくね。メイリアさん」

「宜しくお願いしますとお答えします」

 

 アニマがメイリアに話しかけていた。中々フレンドリーな子だよね。


 うん? アニマが色々話しかけてる中、何かメイリアが合間合間にこっちを見てきてるような……


「ふぁ~面倒だがお前らに幾つか話すことがある」


 イロリ先生がアクビをしながら次の話に移った。中には先生の態度に眉を顰めてるのもいる。


「先ずお前らも既に聞いてると思うが、今年から特別学区が設置され、そこに入学する連中も来週にはやってくる。入学後は本校者の隣に建設された別校舎で授業を行うことになるって話だ」


 うん。ラーサが入学する学区だね。そうか来週にはやってくるんだね。迎えに行きたいけど小テストが終わるまでは出れないって話だからなぁ。


「まぁ基本的にこのクラスには関係ないことだが時折合同で授業を行う機会もあるらしい。はぁ面倒が増える」

「何で常にあんな気だるそうなんだよあいつ?」

「教師にあいつ呼ばわりはまずいって」

 

 アズールが不満そうに口にすると斜め後ろに座っていたドクトルが注意するように伝えた。イロリ先生の視線がアズールに注がれる。


「別に俺のことはあいつだろうがなんだろうが好きに呼べばいいさ。俺だってお前らを好きに呼ぶ。どうせこっちも適当にやってんだからな」

「いや、適当って教師がそんなことでいいの?」


 頭をボリボリ掻きながらイロリ先生が投げやりにも感じられる口調を見せる。それにメドーサが懸念を示した。


「こんな旧校舎のZクラスなんかに配属されたんだ。まさかお前ら俺がまともにお前らの相手をすると本気で思ってるのか?」


 先生の発言に全員が押し黙る。本格的に授業の始まる初日からこれだこの先不安になるのもわからなくもないんだけど……


「次の報告だ。来月末に小テストが行われる。これは本来なら実力を見る程度のテストでしかないが、このZクラスに関しては別だ」

「別? 別ってどういうことだよ?」


 アズールが怪訝な顔を見せた。小テスト……確か昨日風紀委員の子もそんな事を言っていたね。


「お前らの場合小テストの成績次第で即退学が決まるってことだ。なにせただでさえ出来損ないの集まりだ。せめて小テストでそれなりの成績を収めないことには学園に残る資格はないってことだろう。良かったなお前ら。すぐにこんな不便な場所から抜け出せるチャンスだぞ。退学になれば堂々と出ていける」


 どこか煽るようにイロリ先生が言い放った。


「ふざけるな! そんな話聞いてないぞ!」

「そうよ。だいたい教師の癖に退学になった方がいいみたいな言い方あんまりじゃない!」

 

 先生の話に反応しガロンとメドーサが反発した。いきなり退学は僕も厳しい処遇な気がする。


「あの先生。それなりの成績ってどれぐらいなんですか?」


 皆大分イライラしてしまっている。いきなり厳しそうな話だけど、ただテストの内容次第ではそこまで大変ではないかもしれない。テストなら皆で協力して乗り切ることも可能なはずだけど先ず基準を知っておきたい。


「ま、平均点以上ってところか」


 平均点……一年の中の平均点ってことなら何とか――


「あぁちなみにこの時期の小テストは全学年は勿論大陸中にある全ての魔法学園で一斉に行われる。まぁこれは中間や期末もそうだが、今言ってる平均ってのはその中の平均ってことだ。過去の例と照らし合わせると大体各教科100点満点中85点以上ってところだな」

「は、はぁあああぁあああぁああ!?」


 アズールが素っ頓狂な声を上げた。それにしてもこれは結構大変かも――

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― 新着の感想 ―
[良い点] ・イロリ先生が常識人枠のキャラだった事。 試験前に学園側が開設する情報さえロクに流してなかった特別学区に関する事柄を なんだかんだ言ってちゃんとZクラス生徒に説明しているのが普通に良い。…
2021/12/04 13:47 クウノスキー
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