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二日目、戦闘準備


 テンゴクと山吹とこちの三人でチュートリアルダンジョンこと仮面の祠に来たのじゃ。

「こちのレベルは50なのでな。ここでのレベルアップは出来んのじゃ」

 予め宣言しておく。

 こちは擬人化された時からMP999のレベル50なのじゃよな。

 和堂兆にMPを与えられていたということなのじゃろう。


「えっ!? ちょっとズルいよね?」

 テンゴクはまだレベル1

 そう思うのも無理はないのじゃな。

「なに、明日には同じレベルになっとるよ」

 むうっと不貞腐れるテンゴクをたしなめる。

「レベル50なら奈落ちゃんが戦うかい?」

 確かに、レベル5もあればここの敵には苦戦はせんじゃろな。

「遠慮しておく。こちは最低限しかジョブ魂を使いたくはないのじゃ。それに、お主のようにジョブ魂を使っとらんのにその強さともいかんのでな」

 まったく、山吹は今の地球なら最強じゃろうな。

 おっと。戦いだけなら、じゃがの。


「うーん。まあ私の強さなんてそんなに誇れるものでもないけどね」

 確かに、和堂兆に与えられただけの強さだとも言えるじゃろな。


「なに。お主は仮初めの強さにも見合うよう、人格者であろうと心掛け、相応の努力もしておるじゃろ。世に強い者は多く居れど、テンゴクに認められる者はそう居らん。そこは誇れば良いのじゃよ」


 そも、テンゴクは意外と人を見ておる。

 その上、気に入らんことには存外に食って掛かる(たち)ときた。

 性根の所で敷居が高い故、テンゴクに心底好かれる者は一握りだと言えるのじゃ。


「ふーん。テンゴクって私を買ってくれてたのかい?」


 にやにやとテンゴクに聞く山吹じゃが、別にからかってるのではないのじゃよな。

 これは単に嬉しいからニヤけておる。

 然れども、テンゴクからすれば、大人のお姉さんに手玉にとられてからかわれているように感じてしまうのも無理のないことじゃ。


「そりゃあさ、山吹さんって父さんに対してもはっきりとものを言ってくれるし、凄いなーって思ってるよ」


 いつもフレンドリーに接してくる年上のお姉さん。

 しかも、美人で気っ風もよく、あの和堂兆に対して頼もしいときた。

 健全たる少年として、テンゴクがいつ甘酸っぱい感情を抱いてもおかしくはないのじゃな。


「あはは。素直に褒められると照れちゃうよ。奈落ちゃんもありがとね」


 山吹には色々と役立ってもらわんといかんしの。

 早めに好感度を稼いどかんといかん。

 何せ、今も本気で喜んどるほどのちょろい奴なのじゃ。

 頭をぽりぽりと掻く素振りをして、素っ気なく流しているように振る舞ってはいても、中身は甘過ぎる程に人情味にあふれておる。

 放っておくと直ぐに敵方に取り込まれてしまって面倒なことになるのじゃよな。


「うむ。色々と世話になる故かまわんよ。まずは此処でのテンゴクのレベル上げからじゃな」

「そうだね。それじゃあぼちぼちと先に進もうかな」


 そして、こち達はパーティーを組み、ダンジョンの奥へと進んでいった。

 道中で現れる仮面達を一瞬で粉砕していく山吹に、目を丸くして驚くテンゴクも、驚いてるうちにレベルが5まで上がっている。


 さて、颯爽とボス戦前まで到着じゃな。

「では、テンゴクよ。ここらでスキルのレベルを上げるのじゃ」

「うーん。スキルって色々あったけど、どれが良いのかな…」

 『勇者』はスキルが多彩なんじゃよな。

 初めてだと迷うのも仕方がない。

 然れど、アカシックレコードであるこちには、どのスキルでどのような技を覚えるのかも記録済みなのじゃ。


「うむ。まずは攻撃スキルが必要じゃからな『憤怒』と『熱血』をレベル3に、後は軽い補助スキルに『冷徹』をレベル1まで上げとくと良いじゃろ」


 うむうむ。

 今回のボス戦と、その後の山吹戦まではこれで十分じゃな。


「へえ。『気合い』とか『根性』ってスキルがあるんだね。面白いや」

 山吹戦で必須のスキルじゃな。

「それでは早速試してみると良いじゃろ。ほれ、丁度良さそうなボスがそこにおるのでな」

 こちは奥の部屋への扉を指差す。

 そこに居る不動の像でテンゴクのデビュー戦なのじゃ。




・以下、今回テンゴクの覚えたスキルです。


『気合い』気合いが出る

『熱願』熱く願う

『全力攻撃』次の攻撃が三倍ダメージ

『炎』ファイヤ

『打』ブロウ

『氷』アイス

『斬』スラッシュ

『岩』ロック

『突』ニードル

『根性』根性が据わる

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