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DXD  「絶望に抗う戦士達」 03 0-3「楽園への使徒(パラダイス・アポストス)」

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現在参加されている「霧島大佐」「晃毅軍曹」YouTubeにてオリジナルの{DXD防衛軍}ストーリーを投稿されております。

霧島大佐の動画「東方防衛記」https://www.youtube.com/watch?v=AN1dJ2VxOtA


晃毅軍曹の動画【東方終末防衛録】https://www.youtube.com/watch?v=AIbXyaP5S9Q&t=0s


「小説を読もう」にて「とある英雄達の小話ショートストーリーも掲載されています


そちらの方もぜひ見に行ってください


エメラルド「さて、段階もいいところだし、そろそろ現在の状況をまとめて見るとしよう」


両の腕を交差するように組み、目を閉じながらおもむろに語りだすエメラルド。


エメラルド「___ことの始まりは今朝のミーティングのことだったね。ボスは各部隊・・・いや、各派閥部隊から信頼できる隊長クラスをそれぞれ招集した」


エメラルド「今回の作戦内容は魔王軍拠点の制圧ミッション。ボスと田中による陽動の後、本隊による降下強襲攻撃により敵施設を制圧するというものだ。作戦は順調に進み、なんの問題もなく終わる簡単な任務の、はずだった・・・」


近くの椅子に座ると、目の前にあった机の上にある本の一つを手に取った。

パラパラとページをめくりながらエメラルドはそっと目を閉じた。


エメラルド「『本隊の作戦』は順調だった。確実に敵勢力を排除し、制圧もそうかからないであろう___そう思われた矢先だった」


エメラルド「突然施設中に破壊の音と衝撃が響き渡る。それはこの施設の裏の支配者が仕立て上げた【対DXD防衛軍用生物兵器 ヒドラスライム】だったんだ」


エメラルドはとあるページに差し掛かると、紙をめくるのをやめた。そこに書かれていたのは『とある研究者の日誌のような研究レポート』であった。


エメラルド「ヒドラスライムの能力は我々の想像を超えていた。こちらの攻撃をいともたやすくかいくぐり、さらには反撃によりこちらを追い込みつつある状況になっていた」

本の隙間にそこらへんにあった付箋を差し込み、再びページをめくりはじめる。


エメラルド「その時だった。晃毅軍曹の『エンダードラゴン』の力により繰り出された、巨大な重力球弾幕によってヒドラスライムは大地にめり込み続け___」


霧島大佐「エメラルドさんっ! さぼってないで何かないか探してください!」

ここで、そろそろ限界を迎えた霧島大佐の一喝が部屋中に響き渡った。


エメラルド「・・・そうせっかちになっても、大切なことを見逃してしまうかもしれませんよ。霧島大佐」

場の雰囲気は元の状態に戻されたので、ひとまず・・・パタン、と本を閉じるエメラルド。



視線の先には、数多ある本や紙に目を通していく霧島大佐の姿があった。









二人がこの部屋に入ってから十数分が経過していた。


部屋の中は、荒れに荒れていた。いたるところに急増して置かれたチェストが乱雑に置かれていた。

元から設置されていたであろう本棚には本棚がギッシリと詰まっており、僅かな隙間には紙がいくつも挟み込まれている箇所がある。

しかしそれだけでは足りなかったのようで、部屋の隅には本や紙の束のタワーがいくつも積み上げられているほどだった。


霧島大佐「___これは、時間がかかりそうだ」


思わず口からこぼれてしまった愚痴を、エメラルドは聞き逃さなかった。






霧島大佐「___これだけの量から重要な情報を探さないといけないのに、一人で腰掛けて何しているんですか!」

さすがの霧島大佐もお怒りのようだ。これ以上機嫌を損なわれても困るので、ひとまず椅子から立ち上がっておくエメラルド。


エメラルド「まあまあ、そうせっかちにことを調べても見落としてしまいますよ」

先程手に取った本を弄びながら、それでも楽観的にいうエメラルド。


霧島大佐はまだなにか言いたそうな顔ではあったが、エメラルドの発言ももっともなのでそれまでにしておくことにした。

実際、あまり時間的猶予のないこの状況下でもめている場合ではない。




___現在、敵基地攻撃に参加していたメンバーを早く見つけなければならないのだ。

晃毅軍曹の巨大重力球弾幕によって床が崩れ、「晃毅軍曹」「翔」「椛兵長」「ダブル」の行方がわかっていない。

本来なら行方不明者の捜索を最優先しなければならないが・・・この部屋の存在が霧島大佐を引き止めさせた。


今は失われたはずの{DD自警団}のプレート。

{DXD防衛軍}以外に製造できないほど最先端化したオートセンサー式の自動扉。

そして、部屋の中にある生物化学に関する資料の山。


それが意味することを見極めねばならなかった。そうしなければ、あの「ヒドラスライム」、そしてその背後にいる黒幕は倒せないだろう。


霧島大佐は、再び本の山脈へと向き直った。










霧島大佐「___そういえば、エメラルドさん」

手に取った資料を手早く目を通していく霧島大佐。


その最中、ふと疑問に思ったことを思い出し、その張本人であるエメラルドへ視線だけを向けた。


エメラルド「ん? どうかしたかな霧島大佐」

次から次へと本を入れ替えている、というより散らかしているように見えるエメラルドは、横目で霧島大佐を見る。


霧島大佐「さっきのひとりごとです。なぜ、こちらの状況を知っているんですか?」

半眼でエメラルドを見る。聞いておかねばならない、いったいどこで情報を知ったのかを。


・・・エメラルドは素性を決して表に出さない男だ。


作戦時にいつの間にかふらふらとどこかに行き、人知れず自身の任務を終わらせている。休暇に日程にどこで何をしているのか、それを知るものは誰もいない。

エメラルドと親しくしている部隊の者も「気がついたら近くに現れていて、用事が済むとどこかにいなくなっていた」というのはよく聞く話だった。


霧島大佐(本当に、神出鬼没とは言ったものだな・・・)

霧島大佐はそう思わずにはいられなかった。


そして、当の本人のエメラルドはというと___


エメラルド「う~ん、そうだね・・・。俺だって色々大変だったんだよ?」

くくく、と口からこぼれてしまったように苦笑している。


霧島大佐「何がおかしいんですか?」

もう隠すこともないので、不機嫌です。とばかりの声で言う霧島大佐。


エメラルド「・・・いやね、気づいてないんだなあって思っただけだよ」

ぼそりと、なにか言ったようだが霧島大佐には聞き取れなかった。


霧島大佐「・・・? エメラルドさん、今なんて」


エメラルド「___そういえば、ちょっと前にどこで何をしてたか聞いてきたよね霧島大佐?」


ここで話の腰を折るように、エメラルドは別の話を語りだす。


エメラルド「こっちだって大変だったんだよ、冗談抜きで。何をやっていたかというと、実はここの施設に仕掛けられてた罠解除したり___とかさ」

いきなり、とんでもないことを平然と言ってのけるエメラルド。


その発言に霧島大佐は驚きを隠せなかった。

霧島大佐「えっ!? どういうことですか、エメラルドさん?」


エメラルド「まあ、少しばかり聞いてくれよ。あれはそう___一時間前くらいだったかな」

霧島大佐の反応に気分を良くしたのか、エメラルドは饒舌に語りだした。










エメラルドは薄暗い石レンガの通路を歩いていた。


通路には、レッドストーントーチの明かりがポツポツとまばらに置いてある程度で視界は悪い。所々にクモの巣が張り付いていたり、老朽化の影響なのかひび割れた石レンガのもチラホラと見かけるようになった。


そんな中、エメラルドは目的地へと黙々と歩いていく

そして___、鉄の両扉で施錠された部屋の前までやってきた。

扉のそばにレバーやボタンの類は見当たらない。設計者が毎回設置するのか、それとも二度と開くことを想定してなかったのかはわからないが。


しかたない、とばかりにパチンと指を鳴らす。

鉄製の扉がカチャリと開放される。その中へと、エメラルドはなんのためらいもなく入っていった。


中に入ると、レッドストーン回路が連動するけたたましい騒音に包まれていた。

ガチャガチャガチャと点滅する赤い光が目に眩しい。装置は既に作動しており、光の速度は徐々に早まりつつある。

上を見ると天井の石レンガから赤いしずくがポタポタと染み出している。上はマグマ部屋かなにかだろうか。


エメラルド「・・・全く、時限装置で基地ごと{DXD防衛軍おれたち}を抹殺しようなんてどうかしてるよ」

エメラルドの視線の先、奥に詰め込まれているTNT爆弾の山を見つめる。


___数十分前、秘密脱出口から逃げようとした奴らを始末した時のことだ。

その中の一人が、本来この世界にはないはずのタブレット端末を所持していた。中身を閲覧していると、それはそれは『色々なこと』が書かれていた。数々の改造モンスターのデータ、この世界では作り出せないような機械技術、そして最後に見つけたのは___施設に設置された自爆装置のカウントダウンの画面だった。


エメラルドは、タブレットを草むらに無造作に放り捨てる。それから、これからどうするか少し考えた。

ふと、敵基地で戦う仲間の顔が頭をかすめた。


共に戦ったり、仲間の死を悼んだり、ときに喧嘩して笑いあった顔が・・・


エメラルドには、『とある理由』があって現在DXD防衛軍に身をおいている。それだけだ、それだけだったはず、なのだ。


だが、気づいたときには逃亡を図った奴らが乗り捨てたトロッコに乗り込んでいた。






エメラルドは、再び指をパチンッ!と指を鳴らした。


___パンパンパンパンパンッ!!


何かが弾ける音とともに、レッドストーン信号の光も一斉に消えていく。

なにもTNT爆弾を撤去する必要はない。回路に使われているレッドストーンを弾いてしまえば、回路は役に立たなくなるのだから。


ふう、とエメラルドは一息ついた。

ひとまずこれで、この場所が吹き飛ぶことは食い止められただろう。


だが、これで終わりではない。まだ始末しておかなければならないことが残っている。


エメラルドは足早に部屋から出ていった___











エメラルド「___といった感じさ。それから少しして、急に通路が崩落ししたときは驚いたもんだよ。その後、霧島大佐と合流したのは」

身振り手振りを合わせながら、まるで世間話でもしているエメラルド。


霧島大佐はその光景を唖然とした表情で聞いていた。

霧島大佐「降下の時に姿が見えないと思ったら・・・まさかそんなことをしていたなんて」


エメラルド「ま、この話はこんなところで切り上げておくとして。そろそろ他の人達でも探しに出かけるとしますか」


そういうとエメラルドは最初に手に取った本を霧島大佐に投げ渡す。


霧島大佐「・・・これは?」

本をキャッチした霧島大佐は本を開いた。所々に傷や亀裂があり、かなり長い間使われているもののようだ。中身の内容は・・・どうやら日記のようだった。


エメラルド「おそらくここの部屋の持ち主のモノかな。索敵は俺がやっておくから、移動しながら確認、お願いしますね」

そういうとエメラルドはそのまま部屋から出て行き、霧島大佐もそのあとを追った。











___実を言うと、エメラルドは先程の話には続きがあった。


施設の時限爆弾を解除した後、エメラルドはとある場所に足を運んでいる。


そこは複数の通路の合流地点となっており、一見広場のような場所だった。その中央部に四角く切り取られた空間が掘り下げられており、中の壁面にはそれぞれ鉄格子と鉄の扉がはめられた部屋が四つある。


・・・そこは、現状不採用となった実験体の保管エリアであった。


エメラルドはそこに行き着くと、躊躇せずその中へと降り立つ。

___カチッ。と足元に敷き詰められた石の感圧板が起動し、鉄の扉が開放される。


その中から、四体のモンスターが不気味な声を上げながら現れる。


あるものは王冠を被り、緑色の宝石のついた杖を持つ金色の骸骨___


あるものは巨大なダイアモンドの斧を持った、体中に赤キノコが生えている木製ミノケンタウロスのような怪物___


あるものは角付き兜と鎧をまとい、猛毒の風と魔法の鎌を持つ炎のゴースト___


あるものは白い体毛から生える六本の角があり、口からは煮えたぎる火炎を吹き出す巨大なモンスター___


それぞれが降りてきた獲物エメラルドを我先にとばかりに見つめる異形の怪物達。

その状況下の中で、エメラルドは服のポケットに手を入れたまま平然と立っていた。


だが化物共には、そんなことは関係ない。あるのは、目の前の獲物をグチャグチャにすることだけだった。


怪物達は、おぞましい咆哮を上げエメラルドへと襲いかかる。


そして___じっと目を閉じていたエメラルドの瞳が開かれる。蒼の光を宿した眼が暗闇の中で妖しく輝き・・・


エメラルド「さて、久々の上物だ。たんと味わうといい」

虚空に言葉が囁かれた、その直後。


ガリッ!!!・・・・・ベキリッ!!!・・・・・ボシュッ!!!・・・・・グチャリッ!!!・・・・・






その後、四体のモンスターがいったいどうなったのか、それについてはそれぞれの判断に委ねることにしよう・・・・。













場所は変わり___田中は森の中をひたすら走っていた。


場所は湖近くのマツとオーク入り交じる林、田中は一人墜落したヘリの調査へと向かっている。

これ以上ボスに危険の及ぶことがあっては、{DXD防衛軍}隊長クラスとして顔向けできない。だからこそ、田中はボスと別れてここまで来たのだ。


目的地はもうすぐのようだ。黒煙が立ち込めて辺りは息苦しく、視界も依然晴れない霧のせいで不鮮明だった。


田中「・・・・・・・一旦、探りを入れておくか」

このまま近づくのは危険と判断し、田中はすこし距離の離れた岩の陰に身を潜める。


自身の影に視線を向け___とここではたと気がつく。


田中「・・・・そうだった。[ミスト・シャドウ]は、ボスの護衛につけているんだったな」

田中はわずかに苦笑しながら、手持ちの荷物を確認する。


今回は{エアリーゼ}から降りて戦うことはないだろうと考えていたのが仇となった。

手持ちに索敵用のアイテムのたぐいはない、あくまで{DXD防衛軍}支給のモノは・・・。


アイテム欄の中から、田中は「不思議なガラス瓶」を取り出した。


ガラス瓶の中には赤と青の火の玉二つがふよふよと漂っている。瓶の蓋と開け、中に入っていた火の玉はそれぞれ外に出て田中の周りをくるくる回り始めた。


___このアイテムはエメラルドさんからもらったものだ。

少し前、敵に気づかれにくい索敵の方法を模索していたときのことだった。


エメラルド「なら、これを使うといいよ」

そう言って渡されたものが今蓋を開けた瓶だった。


使い方を教えると言って、エメラルドは同じものを実際に使って見せてくれた。といっても、一回目は何をしているのかわからなかったが・・・。


二回目として、やや半信半疑でそれを使ってみるとその性能の良さに驚いた。試しに本部の周囲を観察してみたが、それに気がついた者は誰一人いなかった。


田中はエメラルドに、「これはいったいどこで手に入れているんだ?」 と聞いた。


しかしエメラルドは目線をそらし苦笑しながら、「企業秘密だよ」としか答えなかった・・・。


田中は右手のやや上に赤い火の玉を漂わせ、次に青い火の玉に視線を移す。

今まで不規則に漂っていた青い火の玉はピタリを静止し、田中の視線に合わせておもいのままに浮遊する。


動作に問題がないことを確認すると、田中は黒煙が立ち込める方向へと青い火の玉を向かわせた。


数分後、火の玉はふよふよと浮遊しながら目的地に到着した。


辺りは墜落の影響なのかあちこちで火の手が上がっている。あとで消火しておかないと、面倒なことになるだろう。

生存者の気配は一人もなかった・・・いたらいたで、警戒はもとより尾行するなり拘束するなりしようと思ってはいたが、どうもそれは無用だったようだ。


機体も炎上していては中の物も燃えてしまっているだろう。そう考えて火の玉を帰還させようとした次の瞬間、突然映像が途絶えてしまった。

それと同時に手の上に漂っていた火の玉もそれと同時に消滅してしまう。


田中「・・・・っ!?」

異変の正体にに気づいた田中は、とっさにその場から飛び出す。


それはエメラルドにアイテムの使い方を教わっていた時、彼はこう言っていた。


エメラルド「___もしも火の玉が消えたり、映像が映らなくなったらそれは敵に見つかったっていう合図なんだ。もし両方消滅した時は、その場から一刻も早く離れたほうがいいよ。だってその時にはもう・・・」


___その刹那、先程までいた岩が弾け飛ぶ。そして岩が破壊される音よりも大きく、おぞましい咆哮が辺りに響き渡った。


____グシャアアアアアアアアアアアアッッ!!!



砕け散る破片を押しのけ、巨大なモンスターが出現したのだ。









【使い古された手帳の日誌】



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==月ーー日 

今日はとても素晴らしい日だ。

私は(DD自警団)という対魔王軍部隊に参加することになり、そこで科学研究員として働くことになったのだ。

この手帳も部隊から支給されたものだ。今まで紙もろくに手に入れることもままならず、あまつさえ研究もろくに認められなかったが、それも今日で終わりだ。

ああ、やっとまともな環境で実験ができると思うと興奮で夜も眠れそうもない。


これから多くの『人々を救う研究』に勤しむとしよう。

______________________________________________


 その数ページ後~~~~~~~~~~


=ー月==日


入団してからちょうど=ヶ月ほど経過しただろうか。


ここの仕事はやり甲斐のあるものばかりだ。今は回復のポーションや治癒のポーションの量産が現状の課題となっている。

魔王軍との戦争はなかなか手ごわい状況になっているが、我々(DD自警団)の力の前にはどうということはないだろう。

だがひとつ残念だったことも増えてしまった。私の考える『人々を救う研究』はここでさえもいい顔をされなかったことだ。

なぜなのだろう。これが成功すれば、より良い未来があると思うのだが・・・。

ひとまず、研究についてはひと目につかぬようこっそりおこなおう。なにか、非常事態でも起こった時は、このことを「ボス」に打ち明け、正式に認めてもらおう。

______________________________________________


 さらに十数ページ後~~~~~~~~~~~~


○月=日


今日はなにやら周りが騒がしい朝だった。

仕事場に出勤すると、皆が青い顔をしている。聞くところいよると、とある人身売買組織壊滅作戦の最中に予期せぬ敵襲があったらしい・・・。

出撃した幾人かの隊員が犠牲となったそうだ。今日は厄日だったのだろう。


しかし、我々の部隊を葬り去る程の力を持ったものとは、いったい何者なのだろうか?

______________________________________________


○月=☓日


何ということだっ!襲撃してきたものは恐るべき力を持っているらしい。

たしか、「トライバル」という少年が率いている部隊も大打撃を受け、我々の被害も決して軽くはない。

それほどの戦闘力を誇るものが先の者達を滅ぼすと言ったらしいのだ。

このままでは(DD自警団)も危険になる。なんとかして、ヤツに対抗する手はないだろうか・・・・

______________________________________________


 それから数ページ先~~~~~~~~~~~~


☓月ー=日


・・・今朝、やっとペンを取ることができるようになるまで回復できた。

「トライバル」及び(DD自警団)の連合軍と『エンドラ』と名乗る化物じみた人間?との戦闘は想像を絶するものとなった。

・・・・・・・あの時の戦いのことは思い出したくもない。多くの隊員が殺され、施設もことごとく破壊された。

残されたのは、実働部隊は負傷した「ボス」を含め全員ゲガを追った隊員が数名残ると言った悲惨な状況となり、研究員も同様で、私や同僚も負傷した。


その後、『エンドラ』が突如現れた『ドラック』と「トライバル」のそばにいる「博麗霊夢」に瓜二つな少女によって気絶させられたそうだが、情報があまり流れてこない。現場は負傷者だらけで混乱しているのだろうか。

なぜ、こんなことになってしまったのだろう。我々は正しいことをしているのではなかったのか?










そういえば、聞いたところによると「トライバル」のメンバーの一人が亡くなったそうだ。

その時、その少年は『エンドラ』なる化物と関わりがあるらしい・・・・。

・・・・・・一度、調査してみるとしよう________


==============================================













___再び場所は変わる。


現在、{DXD防衛軍}本部は敵からの奇襲攻撃を受けていた。


そして、まさにその最前線となっている場所は、{DXD第8偵察部隊}の一郎と次郎のいるものみの塔であったのだ。


光学迷彩のボディによってあたりの景色と同化した者達___その正体とはアイアンゴーレムの兵団だった。

合図の信号を送るアンドロイドから攻撃指示を受信したゴーレム兵団は一斉に戦闘モードへと起動する。


このアイアンゴーレムにはある特殊な機能が備えられていた。


ゴーレム達が地面の土ブロックを持つと、またたく間にその表面が凍りついていく。それは表面のみならずブロック全体に及び、数秒もかからず氷塊と変わらない硬度までに冷凍された。


そして、凍りついたブロックを一斉に外壁へと投擲が行われた____









___ドカアアアアアアアアアアアアンッッッ!!!


{DXD防衛軍}執務室にもまた、その衝撃する音と振動が部屋全体に響き渡る。


ギア「___一体何事だ。状況を報告しろっ!!」

手元の無線機に叫ぶが、帰ってきたのはノイズ混じりの声だった。


{DXD所属兵士}「・・ほうこ___施設に・・・北か・・・かしらの飛来するのもによ・・・__被害不明で・・・・・・・・応答を____ジジジジッッ!!」

ノイズが先程よりも激しさを増し、とうとう雑音しか聞こえなくなってしまう。


ギア「・・・・山猫、和平!現状はどうなっているっ!!」

ギアは今度は扉の方へと視線を向けた。すぐさま扉が開き、二人の兵士が現れた。


山猫「___報告します。現在{DXD防衛軍}本部北側より投擲による弾幕攻撃を受けております。敵の数は不明、現場は混乱しています!」

和平「それともう一つ、現在{DXD防衛軍}の全電子機器類に異常があり、軍用車両及び「二足機動兵器 B・D・Uバイオ・デリート・ウォーリアー」の一切が使用不能です」


それを聞いてギアは苦虫を噛み潰したような顔をする。

{DXD防衛軍}電子機器、そして軍車両と「U・D・U」が使用不能になったのは最悪だった。このままでは、ボスと連絡を取ることも増援の部隊を送ることもできない。


ギア「・・・わかった。各部隊に口頭にて伝達、北側より攻撃する敵勢力を、速やかに殲滅せよ」

ギアは机の下の隠しチェストからアサルトライフルM4カービンを取り出すと二人の部下とともへと向かう。


___そして、この部屋に居たもう一人の人物も行動を開始する。


紫司令官「・・・ええ、そうよ。近場にいる部隊はすぐに向かってもらえる? では、頼みましたよ」

ガチャッ、と後方から無線を閉じる音が聞こえる。ギアはその方向に足を止めて、視線を向ける。


紫司令官「私の部隊にはすでに連絡しましたわ。それと、先に気がついた部隊も現場に向かっているそうよ」

そこにいるのは、{ソ連軍}を率いる人物紫司令官だ。


この緊急事態の状況化においても顔色一つ変えない彼女は、手に持った通信機を弄ぶ。

そしてギアへと視線を移すと、すこし意地悪をするような顔をする。


紫司令官「___なんで、無線がつかえるんだ。という顔をしていますよ?」

クスクスと笑う紫司令官は、苛立っているギアのそばに歩いていく。


紫司令官「時間がないので先に言っておくわ。どうも{DXD防衛軍}のモノだけがジャミングされているようね。{ソ連軍わたしたちのもの}は問題なく使えるみたいね」


さきほど紫司令官が使った無線機は{ソ連軍}開発のものだった。

彼女らの装備に異常がないとなると、問題はなぜ{DXD防衛軍}のものだけ敵のジャミングを受けているのか、ということになるのだが・・・。


ギア「・・・どうやら{DD自警団}時代の内部犯行が原因のようだな」

認めたくはなかったが、そう言わざるおえない。


{DXD防衛軍}の電子機器を搭載した兵器の多くは{DD自警団}時代のものを流用及び改修したものが大半だ。

資材不足と整備性から現在もそのまま使われていたが、それが仇となったようだ。

・・・それとも、今回の事件の犯人はそのことを知っっていたとすれば___


ギアは、ある事実が頭に浮かぶ。もしもそのことを知っている人物だとすれば、それに当てはまる者は限られている。

そうなると、その犯人というのは___


紫司令官「・・・ギア、考え事もいいですが今はそれよりもやることがあるでしょう?」

紫司令官の言葉に、はっと我に返るギア。


そうだ、それは今の現状を覆してからだ。それはその後調べればいい。

今回の事件の首謀者は必ず見つけ出す___だが、今は目の前の驚異に集中するとしよう。


ギア「紫司令官、本部防衛に協力願います」

真剣な表情で紫司令官に助力を求める。


紫司令官「ええ、こちらとしてもここを失うと厄介なことになりますしね。それで、私は何を?」

紫司令官はそれを了承し、共に部屋をあとにする。







ギアと紫司令官、それと山猫と和平とともに通路を進む。


ギア「紫司令官は各部隊に伝達をお願いします。それと、{ソ連軍}の輸送ヘリをいつでも動かせるようにしておいてください」

隣を歩く紫司令官にそう言うと、すぐにうなずいた。


紫司令官「わかりました。そうなると、部隊指揮はあなたが?」


ギア「当然です。それと「フェイト」とこれから合流し、すぐに現場に向かいます」

そう言い終えると、今度は後ろを歩く山猫に視線を向ける。

直ぐ様隣に来た山猫に、ギアはいくつか伝言を伝える。


山猫「了解しました。では、自分はここで」

そう言うと直ぐ様山猫は脇道の通路を駆けていった。


それを見送ると、ギアは次に和平へと視線を移した。


ギア「この時間帯の北側警備は確か・・・」

隊長が作戦に参加中と知って、真っ先に志願した隊員のことを思い出す。


和平「はい。北側警備には田中 風技隊長の部隊___{第8偵察部隊}の者が二名が警備にあたっていたかと」


あの部隊か、そう思いながらギアは少しばかり歩く速さを早めた。








・{DXD北側遠見台}・


ヒュウウウウウウウ・・・ドズンッッ!! ・・・ガラガラガラガラッ・・・・・・・___

凍りついたブロックによって砕け散り、石レンガブロックが辺りにいくつも散乱していく。


一郎「___げほっ、げほげほっ!」

一瞬地面の感覚が無くなったと思えば、気づけば一郎は外壁の外に落ちていた。


思わず腹から落ちた衝撃で体中が痛いが、一郎はなんとか地面へと這い上がる。


一郎「運が良かったというべきか、ここが完成済みで助かった」

軽く20ブロックの高さから落下したが、不幸中の幸いか水を張った堀で助かったようだ。


生きていたことに一安心した一郎。だがはっとあることを思い出した。


一郎「そうだ。次郎、次郎はどこだ。まさか地面に落ちたんじゃ・・・」

顔が真っ青になり慌てて辺りを見渡した、その時だ。


___ガシャン、ガシャンガシャンッ!


後ろから近づく機械音に振り返ろうとした瞬間左腕を掴まれてしまう。

それと同時に、冷たいを通り越して鋭い痛みが走る。


一郎「う、うわああああっ!!?」

刺すような痛みに、思わず声を上げてしまう一郎。


そのまま一郎は左腕を掴まれたまま体を持ち上げられる。そこでようやく敵の正体を知った。

凍りつく左腕を持ち上げるのは、ゴーレムだった。だが、このゴーレムは見たことがなかったタイプのものだった。


この世界にも鉄でできたゴーレムがいることは知っている。しかし、凍結効果を持つもの個体なんて聞いたことがない。なにより、その姿も知っているものと違っていた。

まるで鉄の防具を着ているかのような装甲の配置をしていて、関節部のフレームはむき出しの状態だった。

大きさも知っているゴーレムよりもすこし小さく、本来黒の目は赤く輝いている。


なんとか掴まれた腕を振りほどこうとするが、なぜか体がうまく動かない。

一郎(な、なんてパワー・・・というより、まさか俺のほうが弱っているのか?)

次第に意識が朦朧としてくる一郎。


原因はかすむ目で自分の体を見たことでわかった。


先程一郎は水で堀の中から這い上がったばかりで全身ずぶ濡れの状態だった。その状態で腕を掴まれてしまい、体についた水滴が次々と凍りついてしまっているのだ。


凍りつく手によって、一郎の体力は削られていく。今にも意識を失いそうになる一郎。

そして、ゴーレムの腕へと伸ばしていた手が下がり始めた___その時だった。


次郎「___一郎を離しやがれええええっ!!」

___ダアアアッン!!!と唸りを上げるライフル弾が一郎を掴むゴーレムの頭部を砕いた。


頭部を失ったゴーレムはバチバチと火花を上げ、一郎を離したゴーレムは沈黙した。


そして地面へと倒れる体を受け止めたのは、次郎ではなく・・・。


左武郎「大丈夫か一郎。しっかりしろっ!」

同じ{第8偵察部隊}に所属する左武郎であった。


一郎「・・・さ、左武郎。来てくれたんですか?」

震える体を抱えられながら左武郎を見上げる一郎。


左武郎「ああ、そろそろ交代しようってんで来たんだが、まさかこんなことになっているなんてな。それと、来てるのはおれだけじゃないぞ」

そういう左武郎の側からまた別の声が聞こえた。


吾朗「うおおおおおおおおっ!{DXD防衛軍}の速攻建築術をなめるなあああああッ!!」

ドンドンドンドンと一郎達の周囲を囲うように、なにやら黒いブロックを次々積み重ねていく吾朗の姿がそこにいた。


そしてまたたく間に一郎達の周囲を守る拠点が完成する。

建材に何が使われたのか、それがなにかわかったその時、前方から凍りついたブロックが飛来する。

ドーーーンッ!!といきよいよく衝突するが、吾朗が積み上げたブロックが破壊されることはなかった。


士郎「流石に、黒曜石クラスの硬度ならば耐えられるようですね」


左武郎の反対側に士郎が駆け寄ると、持ってきた治癒のポーションを一郎に飲ませる。

その間も投擲による攻撃は繰り返し飛来してくる。だがそれらが一郎達の真上には落ちてこないのは、外壁から降りてきた次郎による狙撃のおかげだった。

次々と飛んでくるブロックをドラグノフ狙撃銃で狙撃する次郎。スナイパーライフルのライフル弾をもってしてもブロックを破壊することはできないが、落下位置をそらすことは可能だ。


ドンッ!ドンッ!ドンッ!と連続で撃ちまくる次郎。

しかし、それにも限界がある。


次郎「___一体何体いるんだよ!? このままじゃさばききれない、とにかく敵を減らさねえとっ!」

狙撃を続けながらそう叫ぶ次郎。


左武郎「任せておけ!」士郎「わかった!」

二人は段差をつけた位置から牽制射撃を開始する。


そのやり取りを見ていた一郎は、ふと体が軽くなったことに気がついた。

見ると、先程まであちこち凍りついていた服が元に戻っていた。


一郎「・・・体が、もとに戻ってる?」

士郎のくれたポーションである程度体力が回復した自身の体を見渡す一郎。


吾朗「どうやら凍結されるのは触れられている間だけのようだな。一時はどうなるかと思ったが」

一郎の容態がもとに戻り、ほっと安堵する吾朗。全力でブロックを積み上げたため、ぜえぜえと激しく息切れしている。


次郎「吾朗、お前も牽制射撃に加われ! リロードもあるから三人でローテーションして___」

次郎が叫ぶその最中、再び問題が発生した。


___ガンッッ!!ガンッッ!!ガンッッ!!


周囲を囲む黒曜石の壁をゴーレム達が取り囲み、壁面を殴り始めたのだ。


次郎「ちっ、本部のすぐ側で籠城戦とはついてないぜ!」左武郎「士郎は右を頼むっ!」士郎「わかりました!」

そう言いながら狙撃を続ける三人。

次郎はいつ飛んできてもいいよう、神経を研ぎ澄ませて、左武郎と士郎はゴーレム達を壁から剥がすべく射撃を続ける。


___だめだ、このままではもたない。


そう脳裏に浮かんだ一郎は直ぐ様持ち物を確認する。

そこで気がついたのだが、どうも下に落ちた際にメインの銃は落としてしまったようだ。予備ライフル弾はは残っているが、これでは使いものにならない。


吾朗「一郎、無茶はするな。さっきまで氷漬けに近い状態だったんだぞ」

そばにいる吾朗はそう言いつつも、その顔に余裕はない。敵の数も不明な現状では気休め程度にしかならないだろう。


___だが、それでも構わない。俺も{DXD防衛軍}一員なのだ。


一郎「惨めな姿でくたばるつもりはありません。そんなことをしたら寂しがり屋の田中たいちょうを悲しませてしまいますから」

ようやく見つけたSIG SAUER-P226にマガジンをセットする。


その姿に吾朗も覚悟を決めたことを察した。そして、それは一郎だけの覚悟だけではない。


吾朗「・・・そうだったな、俺も、いや俺たちもその覚悟で来たんだったな」

こんな状況ではあったが、少しだけ笑みを浮かべる吾朗。


次郎「確かに、それは言えてるな」左武郎「ああ、まったくそのとおりだ」士郎「ええ、そうですね」

他のみんなも同じ意見だ。そうだ、みんなこんなところで終わるつもりなんてない。


希望はなくなってなんかいない。みんな無事にこのピンチをきりぬけるんだ。



そう全員が思った直後、黒曜石の壁の側に何かが激突する音と金属が破壊される音が炸裂したのだ。



全員「・・・・!?」

思わず息を呑む一同。それと同時に、黒曜石の壁の上に何かが飛び乗った。


その飛び乗った人物は___


剣崎「___なんとか間に合ったみたいだな」

秋丸「ワンッ!」٩(๑`^´๑)۶

{DXD 第8偵察部隊副隊長}剣崎と相棒の秋丸がいたのだ。


一郎「剣崎副隊長!」次郎「遅いぜ、副隊長よっ!」

一方は安堵した、もう一方はやや不満の声を上げたが、かえってきた言葉は意外なものだった。


剣崎「はー、まったくよ。折角ライブの特等席ゲットできて楽しみにしてたのに、こいつらのせいで中止になるは、払い戻しできねえは、ホントついてねえ」

心底落ち込んだ声で、なぜか愚痴をこぼし始めた剣崎。


秋丸「・・・クウン?」(・・;)

主を不思議そうな顔で見る秋丸。

皆が思った。あれ、剣崎副隊長ってそんな趣味あったっけ?とここにいる全員が考えたほどだ。


その間も剣崎の愚痴は止まらない。それどころかどんどんエスカレートしていく。


剣崎「・・・ほんとにこいつらのせいで、こいつらのせいでっ!!あああっ、もうムカついた。こうなったらとことんこいつらでストレス発散してやるぜっ!!!」


ついに顔に血管マークをいくつも浮かび上がらせている剣崎は再び壁の外へと飛び降りていった。


一郎「・・・あの、行っちゃいましたけど」

呆然とする一郎。そして帰ってきた言葉は___


次郎 左武郎 士郎 吾朗「「「「いや、知らん」」」」

その一言に尽きるのであった。


秋丸「・・・・クーーーン」(-.-;)

そして一匹残された秋丸は、壁の内側に飛び込むと一郎の側でおすわりをするのだった。








剣崎「___お前ら、全員スクラップに変えてやるぜっ!!」

剣崎はそう叫ぶとゴーレムの集団へと突き進む。


ゴーレム達は剣崎を迎撃するべくすぐさま地面を凍らせ、即席の武器(凍ったブロックの鈍器)を手にする。

しかしその行動は剣崎にとってはのろすぎる動きだった。


剣崎の両手にエンチャントされた鉄の剣を持ち、更に速度を上げる。

剣崎「くらいやがれっ! [双牙流そうがりゅう]ッ!!」

荒れ狂う猛獣の如き斬撃が次々とゴーレム達を切り伏せていく。


剣崎「まだまだこんなもんじゃないぜ、俺の怒りは、こんなもんじゃ___」


士郎「___剣崎隊長っ、危ないッッ!!」


まだまだ暴れ足りない剣崎に、突然士郎が警告を発した。

理由はすぐにわかった。突如剣崎の周辺が暗くなったと思えば、なんだか辺りが雪でも降ったように冷えてきた。


剣崎「何だ? 一体何が起こって・・・・・・・は!?」

剣崎は後ろを振り返ると、空に無数の岩があられのように降り注いだ。


ドンドンドンッ!ドンドンッ!!ドンドンドンッ!!!ドンドンドンドンッッッ!!!!


周りにいるゴーレムをも巻き込みながら次々と岩の爆撃が落ちて来る。


剣崎「___おわああああああああっっ!!?」

慌てて黒曜石の砦に逃げ込む剣崎。


それによって、今度の投擲目標は屋根のないこの場所に変わったことになる。


一郎「これはまずいです。もう迎撃どころじゃない・・・!」次郎「こいつは撃ち落とすのも軌道をそらすのも無理だ!」

左武郎「いっそ地面掘り返して地下に逃げるとかはどうだ!?」士郎「いや、あの質量だと多分めり込むと思うけど」

吾朗「これは、終わったな・・・」秋丸「くうううん」(´;ω;`)

各々そう叫び、対策はないかと頭を絞り、そしてもうだめだと、現実を突きつけられる一同。


剣崎「・・・畜生、ここまでなのかよっ!」

流石に頭も冷えた剣崎もまたそうつぶやいた。


___かくして、{第8偵察部隊}の活躍はこれにて終了となってしまうのか。


そう皆が覚悟した、その時だった。


???「目標は降下中の岩石群、各員撃ち方はじめっ!」

その号令を合図に、無数の弾幕が岩石の雨を粉々に粉砕していく。


声高らかに放たれた一声に全員が上を見上げる。そこにいたのは___


剣崎「___あれは、{霧島大佐直課部隊 第二部隊}の比叡ひえい隊長っ!」

銀のツインテールを風になびかせる軍服を着た少女が外壁の上に堂々を立っていた。


比叡「なんとか間に合ったみたいね。飛んでくる岩石はこっちで壊すから、早くこっちまで戻ってきなさい!」

第二部隊兵A「こっちは俺たちに任せておけ!」第二部隊兵B「退路は確保した急げ!」

そう叫ぶのは、{第8偵察部隊}とよく連携を取る{第二部隊}のメンバー達。

そしてフックショットで降下している者達はその最も戦闘に長けた部隊{神風部隊}だった。


アルバトロス「各員、前線部隊の撤収を最優先せよ」

ピアーズ「了解!」山城「わかりました!」島風「了解です」


彼らの降下中も弾幕の雨は止むことはなく、岩が抜ける空きはまったくないほどだった。


剣崎「どうやら、援軍が来たようだな。お前ら、すぐにここから退避するぞ」

なにやら気づいたように大人しく撤退の指示を出す剣崎。


一郎「でも、あのゴーレム達は・・・!」

一郎はそう言うが、次の瞬間その表情が変わった。どうやらやっとわかったらしい。


剣崎「俺達の活躍はここまでのようだ。ここからさきは、あいつらが主役の番だぜ」

そう言って自身も上を見上げる。


そこにいるのは、{DXD防衛軍}が誇る最強の戦士たちだった。


翔の率いる通称{モンスター部隊}

マッスル「よおし、始めるぞ!」 

ニセチルノ「ゼイインコオラセテヤル!」(-ω☆)キラリ


晃毅軍曹直課戦闘部隊

伍長「さて、他の部隊に出し向かれるなよ!」

レン「わかってます、最近のうっぷんを晴らさせてもらいますね」

高丘上等兵「あまりはしゃぎすぎないようにしてくださいね」


ソ連軍{ボーク・スミェールチ隊}___通称(死神部隊)

エヴェンチュリー「ふふふ、今回も私達{ボーク・スミェールチ隊}が狩り尽くしますわ」

サイレンス「また負けず嫌いが始まった・・・」

エルリアー「サイレンスちゃん、そんなこと言わないの!」


紫司令官「___ふふ、久しぶりに楽しめそうね」

響兵長「司令、共回りはお任せよ」


ボス近衛兵

ギア「・・・どうやら無事だったようだな」

フェイト「まあ、彼らも{DXD}の兵士ということだな」

和平「これより戦闘を開始する。速やかに敵を殲滅する」

HUMK「さあ、反撃の始まりだ」


反撃の狼煙が、今まさに上がろうとしていた_____















___同時刻、某地下研究所。


老人「___お前こそ、真に世界に永遠の平和をもたらす存在だ。そして其の先に、『本当の楽園』が誕生するのだ」

しわがれた、それでもはっきりした声がこだまする。


老人・・・いや元(DD自警団)研究員の男は両腕を高く掲げ、愛しい我が子に言い放った。


元DD自警団研究員「『楽園への使徒パラダイス・アポストス』よ、すべての準備は整った。今こそ目覚め、愚かなる{DXD防衛軍}に復讐を果たすのだ!」


禍々しく輝く赤い目が開かれ、漆黒の巨大な双翼が広げられる。


___グオオオオオオオオオッッッ!!!


___湖に、絶望の咆哮が大地を震撼した。




メンバーの(ソ連兵椛)さんから『ソ連軍』の部隊、{リーパー部隊}を{ボーク・スミェールチ隊}に変更しますm(_ _)m


※次回予告に関しては、次回投稿前に再編集することにします

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