001 サンタクロース恋をする(バトルもあるよ!)
二度目の注意。
責任は取れません。P15は、保険。
能力部育成専門ゼイロド学園、通称ゼロ校。そこは、世界中からエリートと呼ばれる高い能力を持つ種族達が通う名門校であり、また、特に戦闘面で特化した能力を持つモノが多く居る事でも有名だ。
そんな学校では今年も華々しい入学式を迎えていた。
「ねぇ。苦しいよね。憎いよね。嫌いだよね。全部、壊したいよね。」
「……ッ。」
甘い…甘い声で、悪魔が囁いた
「…壊そうよ。貴方を受け入れてくれないこの世界を」
その甘い声はその欲望を膨張させ、その欲望は、ソレの体で暴れ回る。
「…やめっ…!」
「手伝ってあげる」
そして、ソレはそう呻き。
「うぁぁぁぁあああああ」
校内の隅々までに届く叫び声を上げた。
誰もが異変に気付き、新たな新入生達の誰もが瞳に感情を写す。あるモノは名声を。また、あるモノは血を求めて。
さて、このゼロ校には毎年、試験とは別に力を試す企画「慢心クラッシャー」と言うものがある。
校長が計画し、その「慢心クラッシャー」の強さは多少変わるものの全てそれなりの強さを秘めたものばかりだ。
建前は、祝福(笑)。本音は鼻高々の生徒の心を折り、余計な争いを起こさせないようにする為。そして、試験で測れない《力》を試すため。
だからこそ、上級生や教師は観察する。
少々の気がかりが、今回の企画の「慢心クラッシャー」は、筆記で合格した生徒。いくら強化しているとしても、弱く戦いになるのだろうか…。と。
しかし、そんな心配とは裏腹に、彼は暴れに暴れまわった。
そして、生徒は数時間暴れ続け。
その結果、校舎が半壊。彼を止める事は他の教師でも出来ず……。
結局、死人が出そうになり、主犯である校長が出てくるまで暴れ続けたのだった。
因みに、新入生たちの戦闘力への自信も慢心も奥のそこからボッキリと音を立てて崩れ落ちたそうな。あえて言うなら、ついでに上級生と教師陣の方もついでにボッキリと。
『もう、嫌だぁ…。
俺は叫び出したかった。ゼロ校に入りたくて頑張って勉強してさ、なーんとかギリギリの成績で入ったんだ。そしたら、突然意識が途切れて、起きたら保健室で拘束されていた。しかも、あの校長に』
と、言うのが今の普通生徒から見た俺の現状らしい。なんでも「慢心クラッシャー」と言うダs…企画に一般生徒なのにも関わらず巻き込まれた可哀想な被害者。
それがこの俺。黒薄 三田。
しかし、その可哀想な生徒が巻き込んだ加害者である校長に「お前は何者だ?」等と聞かれるだろうか?答えはノーだ。
以上・現実逃避でした。
「もう一度聞く。お主は何者じゃ?」
「……黒薄三田。としか言えません。」
可笑しいな…校長先生ってもう枯れてしまった老人なのにちびりそうな位に怖いや。これが殺気…。まるで、刃物を突きつけられた様な緊張感がある。
「だから言っておる。お主の一族は戦闘とは無縁のはずじゃ。だがの、お主の能力はわしの強化なしで校舎を半壊にしてしまう程の力を持っておった。どうしてじゃ?」
種族と能力と言うのは大きく関係している。
例えば、フェニクスの一族などで有れば、ほとんどが癒し系の能力や炎の能力と決まっている。
「突然変異能力…ですよ」
しかし、フェニクスの一族にも水の能力を持つ者は現れる。それが突然変異能力者。たとえ、先祖に他種族が入っていなくとも、起こるときは起こる。
しかし、突然変異能力者は、珍しくはあるが強い訳ではない。
「ふむ。……力が漏れておるぞ」
「えっ?!!!」
「ジョークじゃ。」
簡単に嵌められ過ぎだろ!俺ェ……。と、言う脱力感さえも校長の放つ殺気の前では、感じられない。校長の目は鋭さを増し刃物のように突き刺さる
「ふん。嘘をつくならもっと上手くつけ。まあ、良い。その殺気慣れしておらん様子じゃと戦闘経験も少なそうじゃしの。アレも、計画した訳ではなかろう?しかし、監視対象には入れるつもりじゃ。」
拘束を解き、立ち去ろうとする校長はこう付け加えた。
「裏にいる者も分からぬしな」
やっぱり、バレた。
バタンと、閉じられた扉を見つめ、溜息をつく。俺だって恨む人の1人や2人、3人……推定100人くらい居る。しかし、こんな所で爆発させても如何しようもないのは理解しているし、世界の理不尽など今更の話だ。
視界の端に移る艶やかな白銀の髪。甘い声。そんな女の子。その子が俺の『手伝い』とやらをしてくれたのだろう。取り敢えずーーーーー
ーーーーー次会ったら告白しよう。
あえて、一言残そう。恋とは突然であり理由が伴わない物だと。
とうとう書いちゃったよ…。次の展開まっっっったく考えてないのに…