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初恋
俺の初恋は幼稚園。
隣に住んでいたお姉さんだ。
彼女を忘れられず五十手前で未だ独身の男は……
初恋は隣りに居たお姉さん。
色白で赤い目の彼女を今も覚えてる。
「僕のお嫁さんになってよ」
「生意気な小僧が。ふむ。主が我好みとなってまだ覚えておったら考えてやろうぞ?」
「本当?」
「中々将来に期待がもてそうじゃしの」
「わかった。お姉ちゃんこそ忘れないでよ」
「言いよるわ」
ああ黒歴史。
まあ、そんな想いを引きずって五十歳目前という程恥ずかしい物も無いが。
「ほほほ、愛い奴よの」
「まさか、おじ専吸血鬼だったとは」