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~プロローグ~視界が眩んで目の前女神様

あらすじにも書いておいたんですが、イガイガ栗(大樹)さんとのリレー小説です。

今回はイガイガ栗(大樹)の作です。

 その日も俺は家でだらだらとネット小説を読む予定だったんだ……



 その時、ホームルームも適当に聞き流し、すぐに帰ろうとしていた。


 何故か? 家でネット小説を読むのが俺が一番好む時間だからだ。 最近、俺の登録している小説投稿サイトで話題になっている異世界転移物でも読んでみるか、と思っていた。


 友達? いるにはいるが、確実に平均よりは少ないだろう。その少ない友達とだって、会話がしたいのならメールでも送ればいい。こんなことを言うと、俺の事を不幸せな暗い奴、と思うかもしれないが、俺は十分この現状で幸せだ。……暗いのは認めるが。


 っと、話がそれた、今大事なのは帰ろうとしていた(・・・・)というところだ。過去形だ、何故かって? 目の前の景色が溶け、目の前に知らない女神・・がいるからだ。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆


 帰り道を歩いていると、目の前が急にぼやけてきた。目の調子でも悪くなったか、と目を擦るが何も変わらない。 そうしているうちに景色はさらにぼやけ、もはや何が何だか分からないくらいになっていた。


「どーも! 神様やっている鬼灯っていいまーす! 今回は案内役って事で来たんだけど……いや、来てもらった?まあいいや、で、これからのことなんだけど――」


 目の前に自分は神だと言う女の子が現れた。


「いや、ちょっと待った、君は一体誰?」


「えーと……神様!兼案内役! 名前はさっきも言った通り鬼灯って言うんだけど――」


「……幻覚?」


&幻聴?


「違うよー! 神様の力だよ!」


「じゃあ、この状況も君が?」


 仮にこの子が神ならこんなことができてもおかしくないだろう、というか他がぐちゃぐちゃに見えるのにこの子だけはっきり見えるんだ、幻覚でもなければなんだというんだ? 他に説明がつかない。


「そうそう、君にはこれから異世界で生きてもらうから、そこんとこよろしく!」


「……は?」


 と、さっきの場面に飛ぶわけだ。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆


 俺は異世界転移物を読んで、この主人公みたいな状況になったらなあ……等と考えたことはある。だけどまさか本当にこんなことを体験するなどとは夢にも思っていなかった。 それに、仮に異世界へ行ったとして、実際に切り合いとか無理でしょ、とも思っていた。いくらチートな能力をもらったところで切り合いなんてごめんだ。


「ごめんねー、上からの命令でさ、でも大丈夫! 君がいなくなっても不自然じゃなようにこっちで何とかするから!」


「……自慢じゃないけど、俺、運動とかできないからいきなり異世界に放り出されても10秒で死ぬ自信があるんだけど。」


 魔物の群れの中とかだったら5秒も生き残れない気がする……


「そこも心配いらないよ! いわゆるチートな能力をあげるから!」


「……どんな?」


 自分が生き抜くための能力だ、重要すぎる。ここは真剣に聞かねば……


「それはねー、十日間魔法を使わなければ魔力が倍になる、という便利な能力だよ!」


「……どっちかっつうと微チート?」


 即戦力にならないし、時間経てばとんでもないチートだけど、それまで待つのが大変だろ……


「いやいや、世の中そんなに甘くないよ……」


 さっきチート能力上げるって言ったよねこの人、言ったよね?


「それと、向こうの世界の一般人レベルの魔力もプレゼントしてあげる。0には何をかけても0だからねー」


 ということは俺のいた世界の住人は魔力を持ってないってことか?……当たり前か。


 そんな事を考えていたら自称女神の横の景色が歪んで、スキンヘッドの大男が現れた。


「鬼灯、それだと甘い、って最高神に怒られると思うぜ? 今回は条件厳しめで、ってことなんだろ?」


「そう? んー、でもあまりこの条件から下げると真面目に死んじゃいそうだしなあ……そうだ!微妙なマイナス要素を足そう!」


 ……真面目に死んじゃいそうとか言った? 俺、真面目に死んじゃうの?


「じゃあねえ……あ、そうだ! 自分のマイナス要素を知らないってのも結構なマイナス要素だよね!ってことで、何か色々微妙なの足しとくね! あ、そうそう、異世界で困りそうな君に最後のプレゼント!」


 女神ちゃんが話しながら手を振ると、 その手にはごっつい携帯(無線的な感じ)があった。


「ジャジャーン! 神様通信機! これはねー、なんと! 僕と連絡できるのさ! 一日一回! で、追加機能として、君の魔力の量と、向こうの世界の地図、それと何か色々付けとくね! たまにこっちから連絡したりするかもね。で、何か色々の機能は、その時その時でアンロックしてくから! じゃっ、頑張ってー!」


 そう言って、こっちに神様通信機とやらを投げて歪みの中に消えていく女神ちゃん、


「いや、ちょっ、まっ、あぶねっ!」


 投げ渡された通信機を受け取っているうちに女神ちゃんは完璧に消えていた。


 落とさないようにしなきゃな……そうそうのことでは壊れなさそうなごっつい見た目だけど、万が一ってことがある。今のところ唯一の情報源なわけだし、大事にしないと……


 通信機が無事かどうか確認していると急にぼやけた景色に緑が多くなってくる……と思ったら、草原に立っていた。


「……これからどうしよ? てか、魔法の使い方が分からん……」


 なんて呟いていると通信機がいきなり「ピルルッ」と鳴り出す。


「っと、これどう使うんだ? えーと……あ、これか。」


 見つけた応答とかかれたボタンを押し、耳に当てると声が聞こえてきた。


「あ、つながった、ごめんねー、魔法の使い方とか伝え忘れてたよ! いや、ホントごめんねー! お詫びにほら、あれ、この世界のお金少しあげるから。」


「……で? 魔法の使い方ってどんな?」


「基本的にあれだね、呪文唱えて、ドーン! ってやつだね。」


「じゃあ何? 暗記しないといけないわけ?」


 暗記とかメンドくさ……


「何も使わなければ、ね。そこで登場! 魔法の杖! これにはだねー、あの……要するに呪文無しで使えるようになるんだよ!」


 端折はしょった! 絶対こいつ端折った! 仕組み分からなかったから端折ったぞこいつ!


「なるほど……どうやって使うんだ?」


「何かねー、えーとね……夏我智かがちー! 説明書持ってきてー!」


「お前、説明書って……具現化つかやいいだろ。」


 スキンヘッドの声だ。


「おお! その手があった! えーと何々……?」


「何故そこで説明書を出す……?」


「ん? ちょっと待って、えーと……何か、魔法の名前を言えば使えるらしいよ! 杖によって使える魔法は決まってて、一番安いのだと1つ、一番高いと千とか何か、すごい量になってる。でも、魔法の種類はこれよりもっと……五万種類あるから全然足りないねー。普通の魔法使いは何本か携帯してるのが普通なんだって。……そうだっ! この世界の全部の魔法が使える杖をあげよう!」


「マジか?!」


 それはチートすぎんだろ……いや、嬉しいけどさ! テンション上がってるけどさ!


「というわけで、はい! プレゼントー! 頑張ってねー!」


地面が歪んで、歪みが消えたと思ったら、そこには杖(というか木刀じゃね? あ、完璧に木刀だわ。)と、綺麗な布の袋があった。中には金貨が一、二、三……十枚あった。


「ありがとうなー」


「お前、何見てんの? ……ズキペディア?」


 スキンヘッドの声がする。


「あ、これはね、あの、あれ! 何か出てきたの!」


「何か出てきたって……まあいいけどよ……」


「あ! 付けっぱなしだし! ……今の聞いてた?」


「聞いてた。」


「じゃあ忘れて!」


 ええー……ていうか、俺、今かなり珍しい体験してない? 異世界転移して、神様に頼まれてるよ?


「まあ……誰にも言わないけどよ。」


 てか、言う相手いないでしょ。 こっちで知り合いができても、まさか、神の会話聞いたんだー、なんて言って信じてもらえれるとは思えない。


「ありがとね! じゃっ!」


 ……さて、こっからどうしましょうか?

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