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居眠り卿と純白の花嫁  作者: 中里勇史
ラフェルス副伯領へ

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41/76

 翌日の夕暮れ、ウィンの部屋をムトグラフが尋ねてきた。ラフェルス副伯領の家宰になるという。コーンウェも喜んで送り出してくれたのだそうだ。

 「ま、あの方には思惑もあるようですが」

 「思惑?」

 「セレイス卿……ラフェルス副伯に恩を売っておきたいのですよ。宮内伯は固有の武力を持てないから」

 「ラフェルス副伯を手駒の一つにしたい、ということか」

 「まあそんなところです」

 ムトグラフは急に真面目な顔になって、ウィンの顔をのぞき込んだ。

 「ところで、ラフェルス副伯領についてはどの程度ご存じで?」

 「それが全く……」

 ムトグラフは「だと思いましたよ」と言って、しみじみとため息をついた。

 「帝都からは10日ほどかかります。まあまあ遠い。中心の街はドルトフェイム。人口3000人くらいの商業都市です。複数の街道が通っているので交易品の集積地として割と栄えているらしい」

 「ほう、凄いね」

 「人ごとみたいに言わんでください。で、ここには多少いわくが付いてます」

 「いわく?」

 「前ラフェルス副伯家は、7年前に転封されてます。まだ詳しく調べてませんが。さらに、ラフェルス副伯領に派遣されていた帝国代官が前ラフェルス副伯の家臣だか家臣の家臣だかに刺殺されるという事件が起きてます。これが5年前。その家臣だか家臣の家臣とやらは斬首されてるようです」

 「まあ、よく聞く話だねぇ」

 「よく聞く話ですが、自分の周りではそうそう起こらない類いの話です。知り合いに転封された人なんてないでしょ」

 「そういえばそうだね」

 「だからまあまあ珍しい話ではあるんですよ」

 「ふむ、領地経営に関してはお任せしとけばいいかい?」

 「もちろん1人じゃ無理なので同僚や部下が必要ですね。ラフェルス副伯につてがあるとは思えないので私が手配しときます」


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