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9話目 死にスキルで大ダメージ

「年季奉公でここに入れられたのなら、理由に関わらず年季が開けるまではここでちゃんと奉公しないとな。

年季が開けた時に立派な肉壁ちゃんになれるように頑張れよ。

肉壁ちゃんに、それがだめでも紙様になれたら意地悪な養父母、大男の親からも自立できんだろ。

お金を貯めて、それから改めて小学校に入り直せば良いんじゃないか。」


悟ったように、穏やかな口様でエンが幼女に諭した。


「てめぇも俺を小学生扱いにすんのかぁ。

俺は立派なJKだぜ。見りゃあわかんだろ。」激おこの幼女様


「まぁまぁ、背伸びしたい年頃だよなぁ。

ちなみにエンはお前のことを小学生だとは思ってないぞ。」

「なにぃ、中学生か。それならまぁギリギリ良しとしようか。」

「幼稚園児。キッパリ」


「てめぇ、リュウと言ったなぁ。絶対ぶっつぶすらな。」


激おこの幼女様、ちょっとかわいい。

尚、お淑やかな大男はそのまま佇んでいた。目に生気が宿っていないのが気になるがな。


「中学生でも小学生でも幼稚園児でも、小学生でも年季奉公の間はここで訓練をしなければならないわよ。

当面一緒に訓練するチームメイトなんだからスキルを聞いても良いかなぁ。」

「このくそババァ、俺のことを小学生と思ってんだろ。」


「ババァ?

今私のことを指して、ババァと言ったの。

このチンチクリンの幼稚園児がぁぁぁ。」


黒いオーラに包まれた元女神様。


「幼女よ、それはさすがに失礼だぞ。

ババァじゃなくて、まだ、ギリギリおばちゃんだぞ。」


鉄パイプが俺の腹に食い込みました。できれば辞書でお願いします。


「まぁ、慰謝料を受け取っちまったからここでしばらく頑張るか。

俺はボルバーナ、ぴっちぴちの16歳だ。

16歳だぞ、いいな覚えたな、エン。

俺のスキルは物理防御だ。

武器はこの杖、これで殴るぜ。

リュウ、俺もジェンカみたいに殴っていいか。」


殴り幼女だったかぁ。

でも、スキルが物理防御って、殴られ幼女?


「そして、こいつはペーター、まだ15歳だ。

俺は16でこいつは15。絶対間違えんなよ、いいな覚えたな、リュウ。

こいつのスキルは魔法防御、武器は背中にしょっている大盾だ。

どんな物理攻撃も盾で受け止めるんだぞ。」


紹介されて、ペコリと頭を下げる大男。

生きてたんだぁ。ほんとにお淑やかな人だな。

俺はまた元の体勢で静かに佇む大男を見上げて、そう思った・・・・・・。

えっと、スキルが魔法防御で、大盾で物理防御が可能な大男がいれば・・・・・、幼女いらなくねぇ。


「おい、リュウ、てめぇ俺を見て感慨深げに頷いているけどなぁ、何か変な事を考えていねぇか。

あっ、そうか俺の大人の魅力に参っちまったか。」


「「「「えっ。」俺」エン」ジェンカ」教官

「・・・・・・・」静かに佇むお淑やかな大男


唖然とする俺たちに、さらに追撃の一言がもじもじして顔を赤らめた幼女から発せられた。


「責任とってくれんなら、デッ、デートぐらいしたやっても良いんだぞ。」


「「「「「・・・・・・・」」」」」


「お嬢ちゃん、責任とってとか、デートだなんて背伸びをした言葉を使いたいのはわかるけどね。

そういうのは、もっと、もっと、もっと、おっきくなってから言おうね。

意味が分かってないでしょ。

確かにリュウは変態だからイチゴとクマさんパンツの幼女でも守備範囲かもしれないがないけどな。」


エン、失礼な。

俺の守備範囲は中学生以上、おばちゃん未満だ。


「うぉぉぉぉっ、俺は16だ。小学生の低学年じゃないって言ってんだろう。」


幼女はそう言うと発言者のエンのどてっ腹にどこから出したのか自分の身長より長い杖をぶち込んでいた。


あっ、ただのクソガキだなこいつ。

その上、いらないこ子だよな。


"もともと3人でチームを組もうと思っていたんだから、一人、いえ、半分ね。

半分人ぐらいお荷物が増えても大したことないんじゃない。

それにお淑やかな大男さんが加われば守備力が確実にアップだよ。

半分人幼女はおまけ扱いで、さっきみたいにお淑やか大男の背中に張り付けて置けば良いし。

彼もそのぐらいのことでは文句も言わないでしょ、お淑やかだから。

ところで、私はおばちゃん未満だから守備範囲と言うこと? "


えっ、ジェンカ = 掃除のおばちゃんだよね。<(未満)ってことはないよね。


ぐべぼっ。

俺の腹に鉄パイプが再びめり込んだ。


「まぁ、ほっとしたよ。

仲の良いいいチームが出来そうじゃないか。

ホームルームの時間ももう終わりそうだな。

エン、そろそろ名簿の提出をしろよ。」

「了解っす。」


教官が教壇の方に歩き始めたと同時に、エンが用紙をひらひらさせながら嬉しそうに口を開いた。


「チーム名、何にする? 」


「私たちにふさわしいチーム名が良いわね。」おばちゃん

「"いらない幼女隊"ってなちゃうぞ。」


ぐ、べ、ぼっ。

俺の腹に今度は大きな固い杖がめり込んだ。


「てめぇ、"幼女"はまだしも"いらない"って言うのはどういうことでぇ。

こんな出来る美少女を捕まえて。

デっ、デートしてやんないぞ。」


「そんなもの誰も頼んでないよ。

子守なんてするぐらいだったら、皿洗いでもして食堂のおばちゃんに媚を売った方が肉をおっきくしてもらえて自分のためになるよ。

あっ、掃除の手伝いをしても何のメリットはないよな、なっ、おばちゃん。」


俺は得意げな笑顔で、ジェンカの方を振り向いた。


ぐべぼっ。

俺の腹にまたまた鉄パイプがめり込んだ。


「このチーム名は"死ねぇ、阿呆"だ。」


「何か皆が馴染んできたな。

この調子でチーム名も一緒に考えようぜ。」


この殺気の籠った鉄パイプや杖が振り回されている状態を馴染んできたというのか、エンは。


「まずは皆の特徴を集めてみたらいいんじゃないのか。

それで余計な物を省いてみるって言うのは。」幼女様

「それって、省かれたモノの順でいらない奴ってことよね。」


おばちゃん、鋭すぎるのも時には罪って言うもんだよ。

幼女がもだえ苦しみ始めたよ。


「・・・・・・絶体に俺の特徴を幼女っだってリュウが言い出すのは間違いない。

それをまっ先に消去させるとことは、俺が一番にいらない奴ってことになっちまうな・・・・・・」


「おい、いらない幼女、何をもだえてんだ。

真剣に考えろ。」


「こいつが一番要らない奴のような気がすんだけどな・・・・・。

あっ、そうだ。

リュウのスキルをまだ聞いてなかったぞ。

てめぇのスキルは何だ。」


「ふっ、いいだろう。

いらない幼女と掃除のおばちゃん、そしてお淑やかな大男様に教えてやる。

聞いて驚け、俺のスキルは魔力回復だ。瞬時に魔力が回復するんだ。

どうだ、聖戦士になる俺にふさわしいスキルだろ。」


幼女とおばちゃんは驚愕に打たれた表情をしていた。


「くっそう、この阿呆が魔力回復持ちだとぉぉぉぉ。

頭は絶望的に悪いがスキルとしては確かに最高の部類だな。」

「くっ、この阿呆に有能な魔法術士が付けばとんでもない戦力になるわね。

魔法の打ち放題も夢じゃない。」

「・・・・・・・」お淑やかなままの方


「どうだ、俺様の偉大さが分かったか。

おい、そこの幼女とおばちゃん、俺のチームに入れたことを一生の誇りと思え。

がははははははっ。気分が良いなぁ、いらない者たちの羨望の眼差しは。ガはははははっ。」


その時、エンが俺の袖を引っ張って耳元で囁いた。


「リュウ、いい加減にしておけ。

ばれたらマジで鉄パイプとあの大杖でフクロだぞ。

二度とお天道様の下を歩けないぞ、ぼそ」


偉大な俺様に嫉妬したか、エン。

心配するな、エン。

お前のチームを抜けたりしないからよ。

がははははははっ。良きかな、良きかな。


「リュウ様、お聞きしたいことがござゃいます。」

「おぉっ、どうした幼女ボルバーナ。

ちっちゃい子には俺は親切だぞ。

それにちょっと噛んだところもかわいいし。」


「あなた様のスキルレベルはいかほど。

魔力の回復量とクールタイムを教えてくださいな。ごろごろ」


とっ、俺の胸に顔を付けてすりすりして甘えてきた幼女。

ういやつ、ういやつ。

俺は調子に乗って本当のことを言ってしまった。

あぁ、今から思えば一生の不覚。


「俺の魔力回復量は1%、クールタイムは48時間だぁ。

どうだ俺様の偉大さが分かったか。がはははははっ。」


その瞬間、俺の腹にフルスイングの鉄パイプと大杖がめり込んだ来た。

そしてなんと、お淑やかな大男までが。


「・・・・・・・ふっ・・・・・・」


「このボケがぁ、魔力なんて一晩寝れば100%に回復すんだよ。

死んだスキルをさんざん自慢しやがって、100回死ねやぁぁぁぁ。」

「この阿呆、そんな恥ずかしいスキルと堂々と口に出すんじゃないのぉ。」


2発目のフルスイングを食らったところで、俺の意識が遠のいた。


そして、チーム名が"お淑やかな大男さん"に決まったと言う話を後からエンに告げられた。


ここまでの成果

魔力回復: 0%

次にスキルを発動するまでのクールタイム: 366日と3秒

(死にスキルがばれて、大ダメージ)


活動報告に次回のタイトルを記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


感想や評価、ブックマークをいただけると励みになります。

よろしくお願い致します。


本作品は前作「聖戦士のため息」シリーズのパラレルワールドの位置付けとしています。

本「聖戦士のめまい」とともに「聖戦士のため息」シリーズも合わせてお楽しみいただけたら幸いです。


"聖戦士のため息シリーズ "

シュウとエリナ、イリーナ、輪廻の会合に集いし面々が活躍するサーガをお楽しみください。


・本編 : 聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます

・別伝1 : 死神さんが死を迎えるとき

・別伝2 : 優しさの陽だまり

・別伝3 : 陽だまりからの贈り物 優しさの陽だまりから

・外伝 : アラナの細腕繁盛記 越後屋の守銭奴教繁盛記

・別伝4 : 炎の誓い




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