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4話目 春風がさらに大きな疑惑を運んできちゃったよ

エンのあり得ない素直な対応に、勘違いした腐女帝様が湧いてしまった。

ソンバトの肉壁の穴での演習見学会で初めて会った頃のクールビューティさは見る影もなく、すっかり腐った〇子の本性を丸出しになってますよ。


「エリカちゃん、シュリちゃんたちはもう魔法学校に登校したわよ。

こんなところで、汚物のエン君を見て腐ってても良いの。」

「えっ、もうそんな時間なの。

もう少し覗いていたいんだけどなぁ。

汚物君と弩阿呆君の絡み。」


俺とエンの絡みだとう。

あんたが期待するようなことはこれまでも、これからも全く起こらない思うぞ。


"私たち、「ノーマル」なカップルには理解できない感性があるのよ。

だから気にしないのが良いと思うの。

腐ったものと、汚物にしかわからないものなのよ。"


俺たちがノーマルな「カップル」と言うのかおばちゃんは。


"そうでしょ。清く正しい男女交際。

まぁ、もうすぐ「清く」は取っ払う予定だけどね。"


まずは「カップル」というところを問いただしいたんだけど。

どちらかというと餌付けされたポチと飼い主って感じだけど。

ポチと飼い主の"清くない"関係って、まさかおばちゃん。

俺をバ〇ー●にするつもりなのか。


"あっ、それも良いわね。

その方が良いの、リュウ君♡。"


えっと、"清く正しいポチでお願いします。"


"えぇっ、「カップル」はどこに行っちゃったのぉ。"


そんな俺たちのカップル談義をよそに、弩S腐女帝様は軽く舌打ちをした。


「新学期初日から遅刻する訳にもいなないし、しょうがないわねぇ。

ジェンカちゃん、汚物君と弩阿呆君の絡みの報告を今晩よろしく。

それじゃ私は急いで登校するわね。」

「別に、エリカちゃんの期待するようなリュウ君とエン君の絡みなんてないと思うけど。

私とリュウ君が絡むことはあっても。」

「兎に角、そんな臭いだけでも良いからなんかあったら教えて。」


というと、弩S腐女帝様は全力で魔法学校の方に走り去った。


"だから、これから絡みがあるのは私とリュウ君よね。"


そうだよな、おばちゃんとはいつも絡んでいると思うけど。


"そっそ、もうすぐ心だけでなく、あっちもね。"


これ以上、突っ込んではいけない。

なんとなくそのまま引き返せなくなるぞという、俺の心の警報が盛大に鳴った。


"もうっ、わかってるくせにぃ。

知らないふりして。

いけずなんだからぁ。"


ここは話を俺から早急に逸らさねば。


「エン、今日はずいぶん素直じゃないか。

いつもはウダウダ言って玄関から離れようとしないのにな。」

「俺も最終学年の3年生だ。いつまでも子供じゃいらんねぇぜ。」


「あぁ、確かにな。

毎朝玄関で女子生徒にパンツの色を聞くなんて、これまでは変態扱いだったが、18歳になったら立派な犯罪者だからな。

確かにこれまでと同じじゃいらんないよな。」

「違うぞ、リュウ。

俺も成長してるっていうことを言いたいんだよ。」

「だから、変態から変質者、犯罪者に進化すんだろ。」

「そういう身分の問題じゃなくて、頭の問題なんだよな。

弩阿呆のリュウにはわかんないと思うけどな。」


おばちゃん、わかるか、こいつの言ってること。

腐った方と汚い方の思考には付いて行けないんだけど。


"身分は変態から犯罪者。

頭は弩スケベから変質者ということじゃないの。"


おおっ、さすがはおばちゃんだ。

何となく、エンの言いたいことが分かったような気がする。


「弩スケベから変質者に頭が進化したということを自慢したいと言うことだな。

しかしだな、良いか、エン。

それって、間違いなく憲兵に捕まって、軍法会議行きだから。

悪い事は言わん、弩スケベまでにしておけ。」


俺は諭すようにエンの肩を軽く叩いた。

エンは俺の腕を振り払って、真剣な顔つきに変わって、俺の正面に立ちはだかった。


"おぉっ、これがエリカちゃんのいうところの絡みね。"


おばちゃんも頭の一部が腐乱した女になっちまったのか。


「良いかよく聞けよ、リュウ。

俺はこの一年で悟ったんだ。

玄関にとどまって遅刻して来る女の子を待つよりも、ほとんどの女生徒が登校してきた頃合いにだな、おもむろに教室に行って、ホームルーム前の朝のひと時にたむろっている女の子たちにパンツの色を聞く方が効率的だってな。

どうだ、凄いだろ。

こんなことに気が付くなんて俺って、日々成長しているよな。

さすがだ、俺、ザッ、成長期ってやつだ。」


・・・・・・・、俺

・・・・・・・、おばちゃん

・・・・・・・×5、火力バカ共


ちなみに、他の中隊メンバーは弩S腐女帝様が鼻息荒く登場したあたりで玄関に入って行って、今はもうここにはいなかった。

火力バカ共はリードをおばちゃんに握られているから教室に行くことが出来ない。


こいつの成長って、変質者、犯罪者を目指すってことでいいんだよな、おばちゃん。


"本人がソコを目指している自覚はないけど、確実にソコに近づいて、いえ、もうその一線を越えているかもしれないわね。"


「おらおら、リュウ、ジェンカ、火力バカ共、ボーっと突っ立てると遅刻するぞ。

ホームルームが始まっちまう。

げぇぇぇぇ、それってまずいじゃないか。

登校初日から新たな作戦を実行するはずなのに時間が無くなっちまう。」


この変質者をここでしばらく取り押さえて変質者にならないようにするのが幼馴染としての情けなのか。

それとも放置して、早く軍法会議で引導を渡してもらうのがチームメイトとしての

正しい道なのか。


"まぁ、今日は止められても、明日は無理かもよ。

それに休み時間や放課後までエン君の面倒なんて見てらんないんじゃないの。"


そうですね。おばちゃんのおっしゃる通りです。

ここはこのまま行かせましょう。

そして、早く軍法会議でこれからの身分を確定して、それにふさわしい役割を担ってもらいましょう。


"それって、真の肉壁、紙様に昇格するってこと? "


残念ではございますが、もう俺にはエンが真の肉壁、紙様への道を突き進むのを止める力がないんだぁ。

許してくれ、エンんんんんん。


"まぁ、まだ17歳だし、変質者としてとっ捕まって、即日の軍法会議、有罪の末に紙様として最前線へご出発、その日の内にち~ンにはならないと思うよ。"


おばちゃん、それって、17歳までは軍の少年法で守られているってこと?

まだ、17歳の内は更生が可能だと軍法上は判断されているってことか。

でも、エンの最強弩スケベは更生なんて不可能だぞ。

あぁっ、エンの18歳の誕生日が、紙様になる日とは。

なんと因果な日なんだ。


"う~ん、たぶんだけど、エン君なら18歳になっても特にとっ捕まることはないかも。"


えっ、人類軍は最強弩スケベに寛容ってこと。

軍のトップも弩スケベだから?


"軍のトップが弩スケベかどうかはわからないけど。

エン君に対してはそこまでのおとがめはないと思うの。

この火力バカ共が変質者になったら、間違いなく、即紙様に昇格だけど。


えっ、なにそれ。

エンは見逃されて、火力バカ共は首チョンって。

エンの奴の親戚で軍の司法部の最高幹部についている奴がいるとか。

それでもみ消しか。

エンの実家は俺んち家とおんなじ貧乏庶民だけど、御親戚にそんな立派な方がいたのかぁ。


"エン君の実家や親族がどうなっているかは知らないけど、エン君の場合、直接重大犯罪に手を染めなければある程度の事は大目に見られるってことよ。"


えっ、なんなの、そのひいきっぷりは。

エンの奴がとても愛されキャラならともかく。

ここでは汚物扱いされているのに、そのひいきはどういうことだ。


ここまでの成果

魔力回復: 11%

次にスキルを発動するまでのクールタイム: 23時間42分

(エンがそんなにひいきされているなんて。

いったいどういうことだ。

あまりの疑惑の大きさに一年掛けて地道に上げてきたスキルがどんどん下がっていくんですけど。)

(まぁまぁ、クールタイムは回復したようだから良かったんじゃない。

24時間切ったから、死にスキルから弩微妙なスキルに戻ったんじゃないの。(おばちゃんターン))


活動報告に次回のタイトルを記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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よろしくお願い致します。


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