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28話目 実地訓練は実戦に変更か?!

「問題は最前線を密かに突破して、緩衝地帯に魔族軍の偵察隊として侵入している場合ね。」


「その場合は偵察隊の規模によるよな。

大きな部隊が入り込んでいたら、俺たちの第2中隊はまだしも、他の中隊や大隊本部に相応の被害が出るかもな。」

「逆に、小規模だったら、私たちのことを発見しても手を出してこないんじゃないかしら。

いずれにせよ、まだ相手に発見されていないのならこのまま見送るのが良いかもよ。

でっ、どうしようか、ジェンカちゃん。」

「手を出さないのは良いけどよぉ、人類領で好き勝手されんのも面白くねぇよな。なっ、ジェンカ。」

「俺はその後方で魔物を操っていると思われる魔族の情報を少しでも第17師団に持ち込むのが俺たちに課せられた役目だと思うぜ。

どうだ、ジェンカちゃん。」


「私たちの全容を把握させずに、相手のことを探り出し、場合によっては殲滅するかぁ・・・・・・」


おばちゃん、いろいろ思い悩むことはあるかもしれないけどな。

俺はおばちゃんが最終的に下した決定が正しいと信じて、やれることをやるだけだ。


"ありがと、リュウ君、私を信頼してくれて。

よし、じゃぁ、やるかぁ。

二人の将来のために。"


えっ、オーガとクマさんの対応だよね。


「まずは危険な魔物であるオーガとクマさんは退治しようか。

もし操られているなら余計に第17師団の後ろをうろうろされるのはまずいからね。」


「よし、それでこそジェンカだぜ。

聞いたな、火力バカ共、魔物を殲滅する準備をしな。」


張りきった魔牛爆乳振動帝様が腕を上げて飛び跳ねたため、プルン、プルン。

案の定、火力バカ共が体育座りから正座に移行し、土下座状態に。

こいつら使いもんになんのか。


「シュリちゃんチームは二手に分かれて、オーガとクマさんを同時殲滅して。」

「おぉ、わかった。

俺と火力バカ2号、3号はオーガを、火力バカ1号をサブリーダーとし、4号と5号も合わせてクマをやれ。」


土下座のためうなずくことができない、火力バカな肉壁ちゃんたち。


「リンダさんの土壁ところも二手に分かれて、火力バカチームの補助。

万が一魔物を打ち漏らしたら火力バカ共チームを築いた防御拠点に収容し、そこからスナイパーさんとリンダちゃんで掃除して。」


・・・・・ 全く動きがない、だんまり童帝様

・・・・・ うなずくスナイパーさん

・・・・・ うなずく土壁のリーダー

・・・・・×3 うなずく残りの肉壁ちゃんたち


無言のままで、だんまり童帝様とリーダー、肉壁ちゃん1名と、スナイパーさんと残り2名肉壁ちゃんのクループに分かれた。

無言のうちに班分けが終わったらしい。

まさかこいつらも念話が使えんのか。


おばちゃん、俺たちはどうする。


「想定する敵の現状としては、魔物を使って緩衝地帯、第17師団の後方を魔族軍の偵察部隊が探っているとします。

そこで、魔物を殲滅しつつ、敵に一番知られたくない情報を隠匿することを目標に動こうと思います。」

「ジェンカちゃん、敵に一番知られてたくない情報ってなんだ。

大隊一番の火力のリュウが弩阿呆って言うことか。」

「ボルバーナちゃん、それは知られてもいいわよ。

私が手取り足取り、腰取り、思い通りに動かせばいいことだから。

一番知られたくないのは、大隊の中に雷帝、エリカちゃんがいるって言うことよ。」


「ジェンカちゃん、私の存在を秘匿とする理由は何なの。

シュリちゃんやリンダちゃんは存在を知られても構わないの?」

「どいうことだ、ジェンカ。」

「・・・・・・」


「雷の魔法術士は貴重なのよね、エリカちゃん。」


んっ、隠れ弩S帝様は珍獣なのか?


「雷属性魔法が使える魔法術士は現役の人類軍全体でも、私以外には、一人のはずよ。

後はエルフの双子の留学生、風神と雷神が揃えば雷属性が使えると聞いているわよ。」

「雷属性魔法を発動することで魔族が得意ないやらしい闇魔法を消し飛ばすことが出来んだよな。」


「シュリちゃんの言う通り、雷属性魔法術士は魔族軍にとって非常に脅威なのよ。

魔族軍の何割かを無力化できるんだから。」

「おばちゃん、それとエリカさんの存在を知られたくないと言うのはどう関係があるんだ。」

「大隊ぐらいの小規模部隊の中にポツンと雷属性魔法術士がいるとわかったら、魔族軍はどうするかと言うことよ。」


隠れ弩S帝様は何かひらめいたような顔付きに変わった。


「そっかぁ、何が何でも私を亡き者にしたがるわね。」


「でも、そんな貴重な雷属性魔法術士様様をなんで普通の生徒と一緒に実地訓練に参加させてんだ、学校も軍も。

特に護衛が付いている様子もないよな。

何か知っているか、エリカさん。」

「特にそのようなことは聞いていないわよ。」

「もしかして、例のチーム編成時の約束を律儀に学校側が守っていんじゃねぇのか。」


「シュリちゃん、その約束ってのはチーム編成の自由と編成した3チームを常に一緒の中隊として活動するってやつだったよな。

中隊としての行動制限や特別な護衛についても断るような話はしていないんだろ。」

「そんな話はしてねぇよな、エリカ。」

「その通りよ。あの時はそこまで話はしていなかったわよ。」


「まぁ、学校と軍の意図はわからないけど、エリカがここで雷属性魔法術士だと魔族軍に知られることがまずいのはわかったよ。

で、おばちゃん、お淑やかな大男さんチームはどうすんだ。

ここで待機か。」

「そんなことはしないわよ。」


「ジェンカ、その魔族偵察部隊(仮)を全滅させるつもりとかか。

俺たち火力バカ共チームが魔物を撃った後に、急遽反転して魔族部隊を打つと言うことだろ。

そりゃぁ、面白れぇぜ。」


魔牛爆乳振動帝様が自分の言葉で興奮したのが、例のブツが揺れに、揺れる。

火力バカ共はもう立ち上がれそうにないぜ。


「シュリちゃん、敵の情報が全くないのに、そんな無謀な作戦を立てられないわよ。

まずは魔族軍の偵察部隊を炙り出すのが先決で、それをお淑やかな大男さんチームの役割とするわ。

要は、エリカちゃんが雷属性魔法を使わなければいいんでしょ。

雷属性魔法で相手を麻痺させれば一番良いんだけど、今はどこにどの程度の魔族軍が潜んでいるかわからない状態なんだから、水か風属性魔法で敵の存在を明らかにします。」


「作戦概要はわかったけど、具体的な作戦はどうなの、ジェンカちゃん。

魔族の偵察隊は闇魔法かなんかでおそらく自らの存在を外には遮蔽しているはずよね。」

「確かにな。」

「そこで、大量の水滴を風魔法で飛ばして、水滴が飛んでいく先でゆがみがないか見てもらおうと思うの、エン君のスキルで。

草木や岩なんかの存在が見えて邪魔している物以外で水滴が真っ直ぐ飛ばないところには何か潜んでいる可能性があるわ。

水滴のゆがみがある場所にアイスフィールドを、極低温にしたアイスフィールドを展開すればその歪みの原因が水滴を被っていることでも有るし、フリーズするんじゃないかしら。

フリーズしたら何が原因で歪んでいたのかを確かめに行けばいいんじゃないかと思うんだけど。

どう、エリカちゃん。」


「風と水の属性魔法を使うけど、使う側でなければ、それを一人の魔法術士がやっているとはわからないものね。

風と水の魔法術士が共同でやっているように見えるか。

わかったわ、それでいいわ。

より魔力が必要な水滴の生成と氷属性フィールドの発動魔法をリュウ君に転写するわ。

私は出来た水滴を風属性魔法の強風で拡散させると言うのでどうかしら。」

「それで行こうぜ。

俺とペーターはいつものように防御魔法でお淑やかな大男さんチームの防御担当だな。」


漸く、俺たちチームの作戦が決まったのか。

いよいよ行動開始なのか。


そのとき丁度、支援の第3中隊が到着した。


ここまでの成果

魔力回復: 24%

次にスキルを発動するまでのクールタイム: 23時間51分

(いよいよ俺たちの作戦が決まった。

さぁ、行くぞ、魔族部隊。

高揚感でスキルもクールタイムも向上した。

遂にクールタイムが24時間を切ったぜ。

"ちなみに魔族部隊がいるとは限らないわよ。")


活動報告に次回のタイトルを記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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よろしくお願い致します。


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