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27話目 実地訓練がやばいことに

「汚物君の報告を信用するなら、何かきな臭いことが起こっているようね。」

「確かにな、エリカ。

魔物のありえない集団が闊歩している。

それもゴブリンやコボルトのような弱っちい奴じゃなく、オーガやマウントベアーみたいな比較的危険な奴な。

ここではいったい何が起こっているんだ。」

「ジェンカちゃん、マウントベアーの件も大隊本部には報告済みなんだよね。

本部は何と言っているのかな。」

「クマさんの件なら報告済みよ。

大隊本部からは、さっきから検討中、指示を待ての一点張りのなの。

おそらく、向こうもこの状況に戸惑っているんじゃないのかなぁ。」


その時、中隊の後方で暴れる御子息様を落ち着かせるため、体育座りをしていた火力バカ1号がやってきた。

あっ、もう前かがみじゃない。御子息様をなだめるのに成功したらしい。


「もう突っ込んでいいかぁ、小隊長。

良いよなぁ。

ファイヤーボールでいいんで転写おねぇ。」


御子息様は制御できても己の性癖までは制御できていなかったかぁ。


「ちょっと待ってろって言ってんだろう。

俺だって、一発ぶっ放すのを我慢してんだ。

下僕肉壁ちゃんは黙って、俺の指示を待ってろ。

んっ、もう我慢できないってか。

しょうがねぇ、これでもくらぇぇぇぇ。」


胸をプルンと一振り。

プルン、プルン、プルン。

一度のジャンプでなかなか振動が収まんない。


あっ、火力バカ共の御子息様が、また。

あぁぁぁぁ、俺もやべぇ。


"リュウ君の御子息さまぁぁぁ、そんな魔牛の垂れ乳でなんて元気になっちゃだめぇぇぇ。

私ので元気になって。"


対抗してジャンプするおばちゃん。


プルン。

し~ん。


あぁっ、なんというか。

暴れる元気が低下しているというかぁ。

なくはないんだけど。

まぁ、相手が悪かったということであきらめろ。


"お黙り、ポチ。"


「火力バカ共も限界じゃないの。

あまりじらすと、別の意味で爆発しそうだわよ。

こ汚いものが。」

「でも、エリカちゃん。

異常なことが起きているか、起きそうなところにむやみに突っ込んで行っても。

無駄死にするかも。」

「無駄にはならないと思うわよ。

あちらに敵意があれば攻撃して来るでしょ。

相手の動きを引き出して、殉職。

これこそが正しい肉壁ちゃんの役目だと思うの。

火力バカ共も皆の役に立ててさぞかし満足でしょうよ。」


お隠れ帝様、やはり弩Sでしたね。


「そうねぇ。待っててもらちが明かないわよね。

オーガの方をつついてみようか。

そして、マウントベアーの動きや隠れている何かがいないか見てみましょうか。

どうせ、逝くのは火力バカ共だしね。

ここで役に立たないのなら一生役立たずかもしれないし。」


おばちゃんも火力バカ共には容赦がないよな。


「わかった、大隊本部にエリカちゃんの意見を具申してみるね。」

「お願い。」


今から死地に送られようとしているかもしれないのに、火力バカ共は魔牛♀爆乳帝の揺れるナニにくぎ付けになり、自分の御子息共がアレになったのを隠すように体育座りして、さらに足の間に頭を挟んでいた。


「大隊本部からの指示が来たわ。

エリカちゃんの具申を可とするとのことよ。

ただし、右翼に展開している第3中隊をここに向かわせているから、到着後、非常時の援護を確保してから作戦を開始しろということよ。

なお、具体的な作戦は第2中隊で策定し、大隊本部に上申、許可を得たうえで実行すべし、という指示ね。」

「そんな悠長な、下手したら相手に先手を取られてしまうかもよ。」

「エリカちゃん、軍なんてそういうものよ。

めんどくさいの。

それも訓練の内と思ってよ。」

「まぁ、良いわ。

ここでぼ~っと指示を待っているよりも作戦を練って、実行する方が何倍もましね。」

「そういうこと。」


おばちゃんとお隠れ帝様は何かを悟ったように、お互い顔を見ながらうなずき合っていた。


「ジェンカちゃん、エリカちゃん、とにかくつついてみるのは良いんだけどよう。

俺はやっぱり、マウントベアーの集団行動というのがどうも引っかかるんだよなぁ。

どうしてあんなことをしているか、もう少し考えてから突っ込ませた方が良いんじゃねぇか。」

「ボルバーナちゃんはどうしてもクマさんの異常行動が気になるのね。」

「はちみつが大量に沸いたんじゃねぇか。」

「シュリちゃん、それだったらオーガの集団行動の説明にはならないわよ。」


おばちゃん、狂暴幼女、実は弩Sなお隠れ帝様、魔牛乳振動帝様が魔物たちの異常行動と今後について作戦会議を始めてしまった。


あまりのんびりしていると火力バカ共が爆発すんぞ。

あっ、すでに爆発しそうな御子息様の火消しに躍起になってますか。

ちなみに俺は昼のキャンプ飯のことで頭がいっぱいだ。

夕方には第17師団の最前線基地に到達して、補給が可能となるので、持ってきた食料は全部昼飯に食って良いよな。


"今日中にたどり着かないかもしれないからダメでしょ。

まぁ、昨日までのお昼よりは量があると思うけど。

いつものように私のを分けてあげるから、二人りきりで食べようね。

いつも魔牛が邪魔をしに来てゆっくり食べられなかったから。

今日は二人きりで、約束よ。"


おばちゃん、それよりも作戦はどうすんだ。

早くしないと腹がぐ~っ、ぐ~っなって、オーガに俺たちのことがばれちまうぞ。


"リュウ君の腹時計は正確、且つ、おっきな音だもんね。

もうちょっと待ってて、これからどうするか決めちゃうからね。"


「オーガとマウントベアーの異常行動ねぇ。

何かその理由に心当たりない? 」

「一つだけ思い当たるんだけど。あまり当たってほしくないなぁ。」

「ジェンカちゃん、取りあえずその心当たりってのを言ってみろよ。」


「集団行動ができないオーガとクマさんが統制の取れた動きをしているってのが気になるのよね。」

「私たちは直接見たり、聞いたりしていないけど、そんなきちんとした動きなんだ。」

「私も見ていないけど、エン君の報告を聞いているとそんな動きの様なのよ。

それに何かを探っているような、索敵のような仕草にも見えるって言ってたよ。」

「汚物君の言っていることを信じるとすると、オーガとマウントベアーは何かを探しているというか警戒しているということね、ジェンカちゃん。」


おばちゃんがお隠れ弩S帝様の言葉に、大きくうなずいた。


「そこから考えられることなんだけど、オーガとクマさんは魔族に操られて、人類の緩衝地帯を偵察しているんじゃないかと思ったのよ。」

「ジェンカ、魔族って魔物を操れんのか!! 」


"これだから魔牛は。

栄養が乳に行き過ぎ。

少しは頭に回せ。"


あっ、俺も知らなかった。


"リュウ君はそれでいいの。

私が教えてあ・げ・る♡。

栄養は頭じゃなくて、御子息様に捧げても良いわよ♡。

私たちの将来の家族計画のためにね♡。"


「そっかぁ、確か魔族の闇魔法にその手の効果、相手の意識を乗っ取ったり、制御するようなものがあるって聞いたことがあるわね。」

「エリカ、ということは、魔族に操られたオーガとクマが人類領を嗅ぎまわっている、或いは人類軍を探しているってことか。」

「オーガたちに攻撃するってことは俺たちのことが魔族軍にまるわかりになっちまうと言うとだな。

んっ、魔族のその魅了的な闇魔法はどのくらい離れていても有効なんだ。

第17師団の最前線の向こう側からなら、俺たちの大隊がいることがのことがばれても特に問題ないよな。

間に第17師団がいるわけだし。」


「問題は最前線を密かに突破して、緩衝地帯に魔族軍の偵察隊として入っている場合ね。」


ここまでの成果

魔力回復: 23%

次にスキルを発動するまでのクールタイム: 24時間58分

(魔族軍の部隊が近くにいるかも。

緊張してきた。

アドレナリンが溢れ出て、スキルUPだぁぁぁぁ。)


活動報告に次回のタイトルを記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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