19話目 春の嵐が来る前から身も心もあなたに捧げてます
「エン、手遅れになる前にエリカさんに謝れ。
もう二度とエロいことは口にしません。
頭の中で妄想するだけにしますと。」
「あっ、それもダメ。
私の頭の中に弩スケベな妄想がだだ漏れで入ってくるから。
私だけ犠牲になるのは無しで。」
おばちゃん、難儀なスキルを持っちまったな。
"同情するなら抱きしめろ。
あっ、勢いで、唇が重なるのも良いわね。
ラッキースケベってやつ♡ "
おばちゃんのエロい妄想が俺に流れ込んできていることに一言。
おばちゃんのたまに出るエロい発言はもしかして、エンの妄想が由来?
「あ~ぁ、やっぱりこの汚物がお荷物なのよね、このチームの。
私も"お淑やかな大男さん"に招待状を送ろうと思ったけど、この汚物がいるせいでどうしようか迷っているうちに、結局、新学期になっちゃったのよね。」
汚物が目に入らないように注意しながら腕を組んで首をゆっくり横に振っている
「えっ、そうなの。」
「エリカちゃんも私たちのチームに入ろうと思ったの。」
「うちのチームに入りたいのなら、その隠した巨〇の生写真とサイズをプロフィールのトップページに記載してもらわないと判断でき・・・・・・バキッ。
ドテッ。」
「お前は沈んでろ。」
おばちゃんの鉄パイプのフルスイングがエンの腹に決まった瞬間だった。
「さすがね、ジェンカちゃん。
これで汚物君に邪魔されずに話ができるわね。」
「任せて、エリカちゃん。
汚物は出来るだけ目に触れないように努力するから。
演習では一人で斥候に出して、敵を発見したとの報告が来たら、直ちに敵に向かって単騎特攻させるから。
演習が終了するまで、屍は放置。
万が一、私の指示に従わないで戻ってきたら、わかるわよね、スナイパーさん。」
後ろで大人しく聞いていたスナイパーさんがおばちゃんの意を汲んで、目を細めて手でズドンという合図をした。
一発で仕留める自信、満々だぁ。
「それは良いわね。
これで安心して、私もお淑やかな大男さんチームで働くことが出来るわね。」
組んだ腕の上に隠れ●乳をのせて大きくうなずくお隠れ帝様。
いゃぁ、見た目じゃあまり目立たないけど、よく見るとかなりでかいですね。
乗せた腕が半分隠れてます。
「それでちょっと聞きて良い、エリカちゃん。」
すっかりちゃん付で呼び合うほど仲の良くなったな二人とも。
ある意味、エンというG様並みの天敵がいるせいだな。
"私はよその女がリュウ君に絡んでこなければ、目くじらを立てるようなことはしないわよ。"
「リンダさんとシュリさんが私たちお淑やかな大男さんチームに招待状を送って来た理由は何となく察せられるんだけど。
エリカちゃんはどんな点を見て、私たちに招待状を送ろうと思ったのかなぁ。
まぁ、指名されたら私たちに拒否権はないと言うことだけど、一応はその理由を聞いておきたいと思って。」
「俺もおばちゃんと同じで、理由があれば知りたいな。
このままいけば実際の戦場で命を預けたり、預かったりしなければならない関係になるんだからな。」
それを聞いたお隠れ帝様は乳牛教官の方を振り返った。
「本来はもう午後の授業が始まっている時間ですが続けて良いですか。
私たちとここに居る3チームだけもきちんと話をしておきたいので。」
乳牛教官はその言葉に頷くとお隠れ帝様だけでなく、俺たちの方にも視線をくれながら話し始めた。
「もともと午後の授業は肉壁ちゃんチームと魔法学校の生徒とのマッチングのために仮のチーム組んで演習を行う予定でした。
君たちはマッチングが終わったというか、3帝の指名でチーム編成が決まったので午後の演習に参加しなくても良いわよ。
明日からはちゃんと参加してくれれば問題ありません。
むしろ、チームとしてお互いの理解を深めてほしいと思うわ。
あっ、エン君の扱いだけは満場一致で決定したようだけど。」
そう言うと乳牛教官は次に、俺たちの成り行きを固唾を飲んで見守っていた2-8のクラスメイトや演習に参加するために集まっていた魔法学校の生徒に向かって声を掛けた。
「さっ、3帝の行き先は決まったわよ。
今度は君たちのマッチングの番だわよ。
肉壁ちゃんと魔法学校の生徒のそれぞれの要望を聞いて上で仮のチームを組んで於いたから、これに従ってこれから演習を行います。
さっ、今日の演習の説明をするから向こうの方に集まってね。」
というと、エレン教官は片手に持った書類を頭上でビラビラさせながら訓練場の方にそそくさと歩み去って行った。
突然の展開に戸惑った様子を見せながらも、俺たち以外の肉壁ちゃん、魔法学校の生徒は教官の後をぞろぞろ付いて行った。
「漸く静かになったわね。
ペーター君の背中はまだ騒がしいけど。」
「ジェンカちゃんのお手柄よ。」
「エリカちゃん、どういうこと。」
「汚物を沈めてくれたから。」
「さっきの話の続きだけど、エンのことが気に入らないなら俺たちのチームを指名しなければ良かったんじゃないか。」
「まぁ、そうなんだけどね。
でも、それ以上に君たちのチームは魅力的なのよ、私にとっては。」
俺たちが魅力的なチーム?
"まさか、こいつもやっぱりリュウ君狙いなんじゃ。
油断ならないわ。"
あっ、また、黒いわかめがちらちらと。
「まぁ、結局、話の最初に戻っちゃうだけどね。
チームを組むんだから私の思っていることを知ってほしいな。」
そう言うとお隠れ帝様はニコッと笑って、俺たちだけでなく、土壁と火力バカ共へも視線を向けた。
なぜ火力バカ共がここに残って、一緒に話を聞いているのか今一理解できていなかった。
まぁ、乳牛教官も訓練に連れて行かなかったし、お隠れ帝様が特に何も言わないから良いか。
「私たちは朝も話したように、各肉壁ちゃんたちの紹介を見て"お淑やかな大男さん"チームに興味を持ったの。
まずはジェンカちゃん。」
「えっ、わたしに興味?
好意はありがたいけど、私の身も心もリュウ君のものだから。
そのう、お友達で良ければ・・・・・♡。」
「ジェンカちゃん、なんか変な誤解してない。
私はチーム内でのあなたの役割に興味があったのぉ。」
「そっかぁ、良かった。
私の取り合いで、リュウ君とエリカちゃんが変な争いにならなくて。」
はぁぁぁぁっ、それどういうこと?
何で俺がおばちゃんをお隠れ帝様と取り合わなければなんないんだ。
お隠れ帝様が欲したら、のしを付けて献上するのが肉壁ちゃんの正しい生き方だろ。
"もう、リュウ君のいけずぅぅぅ。
ジェンカは俺のものだ、だれにもやんねぇ、ぐらい言う甲斐性はないのぉぉぉぉ。"
そんなものはございません、きっぱり。
「通常のチームだったら、指揮は魔法術士が取ることになるよね。
でも、お淑やかな大男さんは違うでしょ。」
「まぁ、おばちゃんには念話のスキルがあるし、それに魔力が少ないから、転写魔法で活躍することは難しいよな。
それで、勉強の方を頑張って、作戦立案や作戦指揮の方を担当してるんだよな。」
「さすが私のリュウ君、私のことを隅から隅までわかっているのよね。
身も心もリュウ君のものよ♡。」
「ジェンカちゃんがリュウ君に身も心も捧げていることは私の話と関係ないから。」
「エリカちゃんのいけずぅぅぅぅ。」
「俺もリュウに身も心も捧げる覚悟はあるぞ。」
"魔牛は訓練場脇で邪魔にならないように草でも食んでろ。
何なら転写魔法の的になってろ。
そのでっかいケツなら何発でも受け止められんだろうがぁ。
兎に角、牛のくせに人様の話に割り込んでくんじゃないの。"
「話を戻すと、私は風と水、それにそれらの上位魔法属性の雷の魔法術士。
いろいろな魔法を駆使することができるわ。」
んっ、それとおばちゃんの念話のスキルや作戦指揮能力とどういう関係があるんだ。
ここまでの成果
魔力回復: 17%
次にスキルを発動するまでのクールタイム: 32時間11分
(おばちゃんに身も心も捧げられ、押し付けられて、なぜか大幅にスキルUPしたぁぁぁ。
んっ、それで合ってるのか? )
活動報告に次回のタイトルを記載しています。
お話に興味がある方はお読みくださいね。
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本作品は前作「聖戦士のため息」シリーズのパラレルワールドの位置付けとしています。
本「聖戦士のめまい」とともに「聖戦士のため息」シリーズも合わせてお楽しみいただけたら幸いです。
"聖戦士のため息シリーズ "
シュウとエリナ、イリーナ、輪廻の会合に集いし面々が活躍するサーガをお楽しみください。
・本編 : 聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます
・別伝1 : 死神さんが死を迎えるとき
・別伝2 : 優しさの陽だまり
・別伝3 : 陽だまりからの贈り物 優しさの陽だまりから
・外伝 : アラナの細腕繁盛記 越後屋の守銭奴教繁盛記
・別伝4 : 炎の誓い