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18話目 春の嵐で野焼きをすすめる

「シュリちゃん、今更なんだけど、本当にこいつらで良いの? 」

「良いも悪いも、エリカがチームを代わってくれんならそれが一番良いんだけどな。」

「そんなことしたら、朝の話に逆戻りだよ。

今度はリンダちゃんが納得しないで、また、何の前触れもなく魔法学校が吹雪に襲われ、永久凍土化するわよ。

私たちがこの様な形でそれぞれのチームに入って行くことをリンダちゃんに納得させて、吹雪をやめさせ、シュリちゃんや魔法学校の炎属性魔法術士総出で永久凍土を溶かして元に戻すのに2時間も掛ったじゃない。

それに、私は自分たちで付けたチーム名も忘れてしまった弩阿呆共とだけは組みたくないわ。」


魔牛帝様はその爆乳の下に腕を組んで何か悟った表情を、一方のお隠れ帝様は呆れたというかどこか諦めた表情をしていた。


「エリカがチームを代わってくんねぇのなら、否応なくこいつらのチームに入って、中隊として活動しないとリュウの側にいらんねぇじゃないか。」


俺と一緒に活動するために名も知れぬチームに入って、小隊はそれぞれ別だが、中隊としては俺と一緒にやれると言うことか。


"リンダさんも同じ考えと言うことね。

小隊は別でも、これから増えてくる中隊以上の訓練では私たち「お淑やかな大男さんチーム」と一緒に、土壁さんチームの一員として活動できると言うことね。"


でも、だんまり童帝様は土壁さんたちの所じゃなくて、お淑やかな大男さんの背中に引っ付いたままなんだが。


"既に中隊として活動していることを主張するつもりなんじゃないかな。

あっ、まずいわ。

魔物牛が同じ中隊の仲間として、証拠にもなくリュウ君に迫ってきたら。

リュウ君じゃ、あの猛牛の突進を躱せないかもしれないわね。

やっぱり早いうちに奴は首チョンして、枝肉にしておかないと。

ステーキは〆た直後より、熟成させた方がおいしいのよねぇ"


俺はおばちゃんの言葉に不穏なものを感じて、横を向いたら、おばちゃんの全身から黒いわかめのような靄が立ち上がって、魔牛爆乳帝様に向かってゆらゆら揺れていた。


やっべぇ、暗黒面におばちゃんが引きずり込まれて行く。

このままでは、マジでばっちゃの形見と牛刀を閃かすかもしれん。

焦った俺は話題を変える、いゃ、念話の方向性を変えることにした。


でっ、"火力がすべて、防御って何?、それ美味しいの"ってチームはどんなんだろうな。

一緒に中隊を組むんだから、すっげぇ気になるよな。

土壁チームはだいたいのところはわかっているけどな。

だろ、おばちゃん。


そのおばちゃんは、普段はどこに締まってあるのか全然見当がつかないが、ばっちゃの形見の柄に手を掛けて、不敵に笑っていた。


もう、枝肉にする気満々だぁ、まじかぁ。

もうかなりまずい状況だ。

俺はおばちゃんの気を何とか逸らそうとお隠れ帝様に話しかけた。


「で、その"火力がすべて、防御って何?、それ美味しいの"ってチームはどんなチームなんですか。

どこの肉壁の穴から来たチームなんですか。」


これから中隊を組むことになる謎のチームについては気になるらしく、漸くおばちゃんもお隠れ帝様の方に視線を移した。


よし、おばちゃんの気を逸らした。

おれって、マジ出来る子。


一方のお隠れ帝様は俺をG様を見るような眼で見下していた。


俺はなんかまずいことをやらかしたかのか?

親友の魔牛爆乳帝様が枝肉にされそうなのを救ったヒーローなんですが。

そのG様をスリッパでひっぱたく前の母ちゃんのような眼で俺を見下すのはどうしてなんだ。


「弩スケベの上に、弩阿呆だよね、君って。」


少なくても、エンのような弩スケベでないと思うぞ。

まぁ、小スケベなのは男子高校生としてはデホなんでしょうがないよな。


「そうなんです。リュウ君はどうしようもない弩阿呆なんです。

私がしっかり、横でみっちりと、手取り足取り、場合によっては腰取りして導いてあげないとだめなんですよ。

でも、3帝の皆さんは心配しないでください。

リュウ君のことは私がすべて面倒を見ますので。

皆さんの視線の邪魔にならないように教室の隅で秘かに飼いますんで。

皆さんは気にしないでというか無視してくれても、いえ、リュウ君はいないものとして扱って良いです。」


えっ、俺、エンと同じように教室の後ろの隅で正座で授業を受けんの。


"良いの、これで私だけのリュウ君に昇格。"


おばちゃんのペットに降格の様に聞こえるんですけど。


「まぁ、弩スケベで弩阿呆のリュウ君をしっかりと躾けてくれれば私としても助かるわ。

あっ、まだ言っていなかったけど、お淑やかな大男さんには私が入るからね。

ジェンカちゃん、ボルバーナちゃん、ペーター君よろしくね。

あと、弩スケベで弩阿呆も一応はよろしくね。」


あっ、やっぱりお隠れ帝が俺たちのチームに入って来るのか。

いや、逆か。

俺たちお淑やかな大男さんチームがお隠れ帝様に召喚されたのか。


その時、漸く御子息のやんちゃぶりが収まったのか、前かがみ状態から立ち直ったエンが口を開いた。


「俺のことを、お淑やかな大男さんチームのリーダーであるこのエン様を忘れていますよ。

まぁ、兎に角、よろしくな、エリカ。

でっ、早速だが、今日のパンツの色は? その隠れた乳のサイズは?

お近づきの印に教えてくれよ。」


だぁぁぁぁぁぁ、こいつはお隠れ帝様に対して何という暴言を吐いているんだぁ。

周りで大人しく成り行きを見守っていたクラスの女子はもちろん、乳牛教官と、それに何といっても言われた本人のお隠れ帝様がもうG様を見るような、いや、それ以上の汚物を見るような眼でエンを凝視している。


「えっと、ジェンカちゃん、その汚物の首を自慢の大刀でスパッとやっちゃってくれないかな。

同じチームになったよしみで。

まぁ、それを貸してくれれば私がスパッとやっても良いけど。」


おばちゃんは心底いやそうな顔をお隠れ帝様に向けてして答えた。


「私のこの大刀はばっちゃの形見なの。

大切な人、リュウ君だけを守るために使いなさいとの遺言なの。

そいうわけで、この汚物を切るのに使うことなんてできないわ。

それに、こんな汚物でも一応は一年間一緒のチームでやって来たんだし、実際に首チョンというのはさすがに後味が悪くて、無理ね。

本音はそろそろ誰かがスパッとやってくれればうれしいんだけどなぁ。

そうしたら私たちも汚物と一緒のチームだと言われて変な目で見られなくなるし、普通の斥候職を入れることが出来るしね。」


遺言なの?

えっと、確かおばちゃんのばっちゃは生きてるよね。

いつの間に死んだことにされてんの、ばっちゃ。


「首がダメなら、さっきから前かがみになっている原因をスパッとやっちゃう方向でどうかなぁ。」

「あぁっん、怒。

汚物の汚物をスパッとするぐらいなら蹴ってプチっとすればいいんじゃないの。

でも、プチっとやったら靴を捨てなきゃなんないわよ。

私は駄菓子屋の開店資金を貯めなきゃなんないんだから、そんな無駄遣いはできないのよ。

エリカがやってよ、プチっと。」


おばちゃん、既にお隠れ帝様を呼び捨てだぞ。

いつの間に仲良くなったんだ。


「えぇぇぇぇぇ、汚物を踏んだら靴越しでも足に変な臭いが着きそうだよ。

無理、無理、ムリ、むり、ムリ。

私には無理。

ボルバーナちゃんお願い。」


おっとう、幼女に押し付けたぁ。

幼女がご指名された時点で、エンは御子息様の身の危険を漸く察知したらしく、内股になって手を汚物にあてて守備体勢だぁ。

きっと、ご子息様は恐怖ですっかり縮み上がっているんだろうな。

やんちゃが過ぎたな。

凶暴幼女は容赦ないから、その気で動いたら確実にぶちッとするだろうからな。


「俺は今、それどころじゃねぇ。

このだんまり幼女をペーターの背中から引きはがすのに忙しんでぇ。

俺に汚物の汚物の処理を振って来るんじゃねぇ。

こういう時は、そうだ、担任の役目だ。

エレン教官、後は頼んだぜ。」


「なんで、私にフルかなぁ。

そんなの私だって無理よ。

そんな汚物の汚物の処理何て。

汚らわしい。」


こうやって、エンの御子息様は何とか難を逃れ・・・・・


「何なら、俺が焼いてやろうか。

触らずに逝かせてやれるぜ。」


エンの御子息様が火あぶりになるのかぁ。

流石、ザビエル弟の御子息様だ。

殉教者となったかぁ。


ここまでの成果

魔力回復: 14%

次にスキルを発動するまでのクールタイム: 45時間36分

(エンの御子息様が大ピンチ。

俺まで何か内股になって、スキルdownだぁ。)


活動報告に次回のタイトルを記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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