5話目 3帝、進級式にご登場
「招待状?
俺たちのチームにそんなのが来てたのか。
おばちゃん知ってるか? 」
「えっ、そんなもの知らないわよ。
今、初めて聞いたわよ。
ボルバーナちゃんは? 」
「見てねぇな。招待状何てたいそうなものが届いていたらチームの皆には必ず知らせんぞ。」
俺を含めて、お淑やかな大男さんチームメンバーは全員首を傾げている。
お淑やかな大男さんもそうなんだからきっと知らないのだろう。
その中でエンだけはミノタウルス♀様様の爆乳をガン見して、ニタニタしている。
お前がそんなんだから・・・・・、招待状なんてものが来るはずがないと思い込んでいたんだろうが。
その時、土壁の不落城のリーダーがおばちゃんの肩をちょんちょんとつついていたのを俺は目の端で捉えた。
「えっ、届いてねぇのか。マジで。
全ての演習見学会が終わったその日に、招待状の送付解禁日にソンバトの肉壁の穴に送ったぞ。
リュウの手元に届いてねぇのか。
どういうこった。」
「と言うことはシュリさんは俺たち"お淑やかな大男さん"チームを招待してくれたなだな。
まずはお礼を言わせてくれ。
ありがとう。
知らなかったとはいえ、返事を出さずに悪かったよ。
返事をもらわないと次にどうしたらいいかわかんないもんな。」
俺の言葉を聞いたミノタウルス♀爆乳帝様はなぜか驚愕に打ち震えていた。
「ちょっと待て、リュウたちのチームは"お淑やかな大男さん"チームなのか。
それってマジ。
"土壁の不落城"じゃないのか。
マジかぁ、そこがかぁ。」
ミノタウルス♀爆乳帝様がよくわからないけど何か驚愕の事実を突きけられて、その巨〇とでっかいケ〇をプルプルさせている横で、おばちゃんは何か真剣な表情で考え事をしているようだ。
変な集団になっている俺たちの横を他の生徒が胡乱な目で見て、近づくのを避けて回り込むように校舎の方に急いで歩いて行く。
ちなみに、生徒のうちでも魔法学校の女生徒はエンを見つけるとダッシュで逃げて行く。
何か微妙な沈黙の後におばちゃんがキリっとした表情で口を開いた。
「今、土壁の不落城のリーダーと念話してたんだけど。
どうも、シュリさんの招待状らしきものが土壁の不落城に届いたみたいなの。」
「招待状らしきものって、どういうことなんだ、おばちゃん。」
「通常の招待状には招待者の詳しいプロフィールが付いていて、それをもとに招待を受けるかどうか肉壁ちゃんチームが検討するんだけどね。
シュリちゃんの招待状らしきものにはプロフィールが付いていなくて・・・・・。」
「ジェンカちゃん、どうしたんだ。
何か言いづれぇことがあんのか。」
「別に言い難くはないんだけど。」
おばちゃんの言葉にミノタウルス♀爆乳帝様がハッとして、先ほどとは別の戸惑った表情、何か顔が赤くなったぞ。
招待状の宛先を間違ったのが恥ずかしいのか。
「えっと、プロフィールの代わりに招待状に同封されていたのはね。」
「うぁぁぁぁぁ、やめてくれぇぇぇ。恥ずかしいぃぃぃぃ」
「シュリさん、今更止めてってと言ってもね。
私も土壁の不落城の皆はもう知ってるわよ。
ここで止めてもいずれは私のチームメンバーには知れてしまうと思うよ。
それに私たち"お淑やかな大男さん"チームに向けた招待状だったなら、それを私たちのチームメンバー全員で確認しなきゃなんないじゃないのかな。
招待状に同封されていた例のブツも含めてね。
それを見て招待を受けるかどうか相談しなきゃなんないし。」
「あれはリュウだけに向けたモノなんだ。
お前らチームには招待状だけで、あれはリュウへの土産みたいなもんだ。」
おばちゃんはどうしようか困った顔を俺に向けた。
「土壁の不落城宛てに3帝から招待状が届いた時にはすごく興奮して、スナイパーさんなんて2カ月ぶりに声を出したらしいんだけどね。
"えっ"だけだったらしいけど。
招待状の同封物がプロフィールじゃなくてあれだったんで、その意味や招待状の真意が分からなくて、招待状への返信が出来なかったんだって。
しょうがないから返信を先延ばしにして、あれの意図を直接聞いてから招待状への返事をすることにしたんだって。
それにもう一通・・・・・。」
おばちゃんが話を続けようとしたときに、俺の後ろから怒声が聞こえてきた。
「てめぇなにしゃがんだぁ。
だからここは俺の占有地なんだって言っただろぉぉぉぉ。
早く離れろ。降りろぉぉぉぉぉ。
てめぇ、なかすぞぉぉぉぉ。」
凶暴幼女がその名に恥じない凶暴な声を上げている。
俺はおばちゃんが言いかけたミノタウルス♀爆乳帝が俺に宛てたモノ以外にもう一通とは何んのことだが気になったが、凶暴幼女が凶行に走るとただでさえエンのおかけで周りの評価がダダ下がりの俺たちチームにトドメを刺されるような気がしたので、仕方なく後ろを振り向いた。
あぁ、また、お淑やかな大男さんの首が3つになってる。
左から凶暴幼女、お淑やかな大男さん、雪ん子帝の顔が並んでいた。
雪ん子帝、どっから湧いた。
ミノタウルス♀様の爆乳やでっかいケツの後ろにでも隠れていたのか。
「はぁ~っ、やっぱりねぇ。」
おばちゃんがあきらめ顔でつぶやいた。
「何がやっぱりなんだ? 」
「これも土壁の不落城のリーダーから聞いたんだけど、実は招待状がもう一通来ていたんだって。」
「えっ、2通も来ていたの。すごい人気だな土壁の不落城。
まぁ、一通はミノタウルス♀爆乳帝の誤爆だったようだけどな。
それでもやっぱり、招待状が届くなんてすごいよ。」
それを聞いた土壁の不落城のリーダーとスナイパーさんが同時に、横に首をゆっくり2度振った。
まさか、また誤爆なのか。
「もう一通の招待状には宛先だけが書かれていて、招待状の主については一切情報がなかったんだって。
もちろんプロフィールのような添付資料も付いてなかったらしいわ。
ただ、宛先の字がかわいい丸文字だったんでおそらく魔法学校の女生徒が出したんじゃないかとは思っていたんだって。」
「それって、招待状の意味ないよな。」
「まぁね。
でも正式な招待状だったから、返信はしないといけないと思って、こっちも肉壁の穴本校に来てから招待状の主を探すつもりだったんだって。」
とっ、凶暴幼女と雪ん子帝のお淑やかな大男さんの背中を巡る騒ぎを呆れた目で見ながらおばちゃんが俺に情報を教えてくれた。
「んっ、待ってくれ。
それでおばちゃんのやっぱりと言うのは何を悟ったんだ。」
「リンダさん、氷帝とボルバーナちゃんの淑やかな大男さん、ペーター君の背中を巡る争いを見て思もったの。
差出人のない招待状を出したのはリンダさんじゃないかって。
ミノタウルス・・・・、おっほん、シュリさんと同じように、ペーター君がいる肉壁ちゃんチームはお淑やかな大男さんじゃなくて"土壁の不落城"と勘違いして招待状を出したんじゃないかと思うの。」
おれはまだ顔を赤くしてもだえ苦しんでいるミノタウルス♀爆乳帝様に問いかけた。
しっかし、乳をブルンブルン、竜巻が発生しそうなぐらい揺らしてもだえているなんて俺に何を送り着けようとしたんだ
「シュリさん、そうなのか。
リンダさんと一緒に招待状を土壁の不落城チーム宛に送ったのか。」
「そうよ、二人とも勘違いしたまま送っちゃたのよ。
まったく、もう。
進級初日から皆で大騒ぎして。」
ミノタウルス♀爆乳帝様の後ろから声が聞こえた。
声の主は爆乳とでっかいケツに隠されて良く見えないなぁ。
あっ、なんだぁ、今度は雷帝様か。
3帝劇場のトリを飾るために登場ですかな。
雷帝様は何をやっていただけるのでしようか。
あっ、もうやらかしちゃった後とか。
ここまでの成果
魔力回復: 17%
次にスキルを発動するまでのクールタイム: 29時間54分
(えっ、3帝に困惑させられて、スキルdown。
大トリの雷帝様は何をやらかす気だぁぁぁぁぁぁ。)
活動報告に次回のタイトルを記載しています。
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本作品は前作「聖戦士のため息」シリーズのパラレルワールドの位置付けとしています。
本「聖戦士のめまい」とともに「聖戦士のため息」シリーズも合わせてお楽しみいただけたら幸いです。
"聖戦士のため息シリーズ "
シュウとエリナ、イリーナ、輪廻の会合に集いし面々が活躍するサーガをお楽しみください。
・本編 : 聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます
・別伝1 : 死神さんが死を迎えるとき
・別伝2 : 優しさの陽だまり
・別伝3 : 陽だまりからの贈り物 優しさの陽だまりから
・外伝 : アラナの細腕繁盛記 越後屋の守銭奴教繁盛記
・別伝4 : 炎の誓い