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3話目 ロード オブ 駄菓子屋

「エン君、彼女らの狙いが実家の財産が目当てって。

言ってる意味は分かるけど、美女肉壁ちゃんは5人のチームよね。

それで実家が金持ちの魔法術士は一人しかチームに居ないのよね、その魔法術士はハーレム状態で良いけど。

いずれ軍を引退して、チーム内で職場結婚なんてなった場合に魔法術士の実家の財産の恩恵にあずかるのは1人。

美女肉壁ちゃんの中でケンカになっちゃうのは確実。

肉壁ちゃんの骨肉の争いで新チームを組む前に崩壊するんじゃない。」

「ジェンカちゃんの言う通りだぜ。

エン、知ったかぶりしていい加減なことを言ってると今すぐ磔だぞ。」


そうなんだ。

まぁ、俺には関係のない世界だな。

実家の財産って・・・・、父ちゃんは弩田舎の教会の用務員、母ちゃんは同じ教会でパートの司祭さん、それに妹2人。

家は教会の用務員用の社宅の賃貸。

うぁぁぁぁ、実家に全く財産がねぇ。

俺が肉壁の穴に入る契約金というか、慰謝料を受け取って大喜びした父ちゃんが近所で踊りまくったぐらい貧乏だからな。

あっ、今年、上の妹がソンバトの幼年魔法術士育成学校に入ったけど、慰謝料をもらったのかな。

また、父ちゃんが小躍りして村の噂になっていたらどうしよう、子供を軍に売った小銭で大喜びする弩阿呆な父親って。

まっ、実家に帰らなければ関係ないか。


"私は実家とは絶縁状態だから。

私の財産と言えばその慰謝料をそのままもらってきたこと、あとはばっちゃの形見と懐剣だけね。

まぁ、リュウ君と二人で貧乏ながらも楽しい我が家計画を確実に実行して、地道に生きていこうね。

ねっ、リュウ君。

軍の退職金で小さなお店を買って、駄菓子屋をやるのもいいわね。

それで私はお店の裏で子供たちに剣術を教えるの。

幸い抜刀術は免許皆伝だし。

リュウ君は二人の間にできた赤ちゃんのおしめを替えながら、駄菓子屋の店番。

そうやって、二人で仲良く年を取って行こうね。"


おばちゃんは目をランラン輝と輝かせながら俺にグイグイ迫ってきた。

えっ、俺の将来が勝手に決まっちゃたんですけど。

駄菓子屋の店長って。

それって、何のために肉壁の穴で修業してんだ、俺。


"そんなの決まっているじゃない。

新婚生活と駄菓子屋の運営資金を稼ぐためよ。

しっかり稼いでね、リュウ君。"


えっと、実家に財産がないとちっちゃな人生を歩むということで話の流れは良いのか、おばちゃん。

実家に財産があると美女が選り取り見取りのハーレム。

俺の慰謝料でバカ騒ぎする父がいるレベルの小市民はおばちゃんと駄菓子屋。


"違うわよ。ちっちゃな人生なんてないわよ。

人それぞれに幸せの形があるって言うことよ。

私の幸せは心を通わせられるリュウ君と二人の愛の巣の駄菓子屋にあるっていうこと。

リュウ君もおんなじだからね、良く覚えといて。

反論は許さないわよ。

わかった? ポチ。

まさか、私と駄菓子屋をやるのが嫌なの。"


えっ、そうなの。駄菓子屋はちっちい人生じゃないってこと。

駄菓子屋には駄菓子屋の幸せがあるっていうことか。


"漸くわかったようね。

それでいいのよ。駄菓子屋にこそ私たち二人の幸せがあるの。

・・・・よしゃぁ、この調子でもっと私と駄菓子屋のことをリュウ君に刷り込まなきゃ・・・・・。ボソ"


「でっ、実家に財産がある魔法術士一人をねらう美女肉壁ちゃん5人。

チーム内に引き入れてから美女同士でバトルして、勝利者を決めるってことでいいのか、エン。

* ちなみにそのバトルが肉弾戦なら金払っても見みてぇよな。」

「これだから阿呆は世間知らずで困るんだよ。

* ちなみに俺も実家の全財産をはたいてもいいから最前列で見たい。」


「エン君、美女5人で一人の男(意訳: 財産、男自体は刺身の妻だな)を争うっていうことじゃないの。」

「ジェンカは確か商家の生まれだったよな。

だったらもうわかっても良さそうだけどな。

本当に財産男は一人なのか。」


エンのはっきりしない言葉に業を煮やしたのか、鞭を取り出した狂暴幼女。

そのちっちゃな体のどこにそんな鞭を隠してんだ?


「何言ってんだ、ザビエル弟。

一人だろ。ただでさえ、魔法術士が足りてねぇんだ。

一チームに魔法術士は一人だ。」

「世間知らずの幼女体形は黙って聞け。」

「てめぇ、納得できる答えをしなかったら、明日の朝は礼拝堂の屋根で十字架を背負って朝日を拝むことになんぜ。」


「ジェンカ、本当にわかんないか。

実家が金持ちなんだぞ。

実家が金持ち。この世の中でその家だけがそうなのか。」


考え事をしていたおばちゃんは何かに思い当たったように、はっとして顔を上げた。


「そういうことかぁ。」


"頭の大半をリュウ君と歩む駄菓子屋への道の構築に使っていたから思い至らなかったわ。"


ロード オブ 駄菓子屋から帰ってきたか。

できればもう戻らないでくれ。

おばちゃんに俺の人生が決められちゃいそうだよ。


"もう手遅れよ、リュウ君。

♡幸せにしてあげるから♡。"


その意味の分からないハートの連発は止めれって、何度・・・・・

そう思ったら、おばちゃんにすっごく睨まれた。


「ジェンカちゃん、このザビエル弟の考えが分かったというんか。

さすが俺たちの頭脳だぜ。」


なぜか火力バカ共が拍手している。


「お金持ちのネットワークということよね。」

「まっ、そういうことだ。」


おばちゃん、俺はどういうことだが全くわかってないぞ。


「お金持ちはお金同士の交流があるってことよ。」

「あぁっ、大商人同士の繋がりみたいなもんか。

同類が集まるということか。」

「リュウ君、そういうことよ。

財産男に兄弟がいるとか。

従弟の家はもっと財産があるとか。

幼馴染、お友達の実家はお金持ちである可能性が高いわよ。」

「なるほど美女チームの一人が財産持ちの魔法術士オスを絡めとれば、そのオスのネットワークを利用して、他の金持ちオスをゲットできるということか。

そういうこったろ、ジェンカちゃん。」

「多分ね。」

「類友狙いか。

確かに、俺の友達はエンのような貧乏人ばっかりだよな。」

「その中でもとりわけリュウんちはお察しだよな。

リュウのわずかばかりの慰謝料を受け取った親父さんがうれしくて踊り狂ったぐらいだからな。」


"リュウ君、実家のことなんて私は気にしないからね。

でも、そのうち連れてって。

ちゃんとご挨拶しないとね。"


俺の家族に改まって挨拶するなんて必要ないと思うけどな。


"何言ってんの、嫁としてのけじめよ。

あっ、リュウ君は私の実家には来なくていいわよ。

私、絶縁されているようなもんだから。

でも、おばあちゃんにだけは会ってほしいかな。"


えっと、なんか俺の知らないところでどんどん俺の人生の選択肢が狭まっているような気がするんですが。


"いいの、いいの、リュウ君は何も心配しなくても。

私がちゃんとロード オブ 駄菓子屋に導いてあげるからね。"


えっ、そうなの。おれ、その道を歩き始めちゃったの?


"もう後戻りはできないわよ♡。"


えっ!!!!!!!


「でっ、あの美女軍団なんだけどな、いっぱい招待状を受け取ってすべて保留にしているらしいぞ。

進級式で会いましょうっていう返事をしているらしい。」

「エン、じゃぁ、美女軍団の足元に跪いている男どもって、すべて招待状を送った奴らか。

4、50人、一クラス分はいるんじゃないのか。」

「リュウ君、イケメン軍団を取り囲んでいる魔法学校の女の子たちもおんなじくらいいそうね。」


「じゃぁ、イケメンチームと美女チームで同学年の魔法術士の招待状を独り占めってことなのか。

ジェンカちゃん、ちょっとまずくねぇ。

こんなんで俺たちのチームに来てくれる魔法術士なんていなくねぇか。」


まぁ、火力バカ共の所に行くやつはいないのは確信できたな。


ここまでの成果

魔力回復: 12%

次にスキルを発動するまでのクールタイム: 35時間51分

(やばい、魔法術士が見つかんないかも。そのストレスでスキルがdown。)


誠に勝手ながら、今後の更新は火、木、日曜日に変更させていただきます。

今後もよろしくお願いいたします。


活動報告に次回のタイトルを記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


感想や評価、ブックマークをいただけると励みになります。

よろしくお願い致します。


本作品は前作「聖戦士のため息」シリーズのパラレルワールドの位置付けとしています。

本「聖戦士のめまい」とともに「聖戦士のため息」シリーズも合わせてお楽しみいただけたら幸いです。


"聖戦士のため息シリーズ "

シュウとエリナ、イリーナ、輪廻の会合に集いし面々が活躍するサーガをお楽しみください。


・本編 : 聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます

・別伝1 : 死神さんが死を迎えるとき

・別伝2 : 優しさの陽だまり

・別伝3 : 陽だまりからの贈り物 優しさの陽だまりから

・外伝 : アラナの細腕繁盛記 越後屋の守銭奴教繁盛記

・別伝4 : 炎の誓い


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