肉壁の学び 肉壁ちゃん本校に進級す 1話目 桜の木の下で
新章が始まります。
第2章 肉壁の学び 肉壁ちゃん本校に進級す
引き続き、お楽しみください
春。
冬のモノトーンの風景が色鮮やかな景色に代わりつつある。
ここ教会本山の聖戦士育成学校と魔法術士育成学校に続く道の両脇は特に桜色に染められていた。
俺たち淑やかな大男さんと火力バカども、土壁の不落城の各チームのメンバーはそろって肉壁の穴の本校の進級式に出席するために満開になった桜の道を歩いていた。
3帝へのお披露目演習で一緒に中隊を組んだ者たちは何とか全員ソンバトの肉壁の穴から教会本山の肉壁の穴の本校に進級することが出来た。
俺はおばちゃんとの補習で進級試験を一発で通過することが出来たが、エンの奴は追試で何とか進級できたという有様だった。
エンが追試を受ける前に、おばちゃんがばっちゃの形見を首に、凶暴幼女がいばらの鞭を剥き出しの背中に当てて、勉強を強要していた。
エンが進級できずに紙様コースに行くのが嫌だったのだろうか。
1年間とは言え同じチームで活動してきた絆の深さを改めて思い知らされた思いだった。
"エン君がいないとミノタウルス♀爆乳ケツでかと氷帝から招待状が届いちゃうでしょ。"
届くとまずい事でもあるのか。
3帝からの招待状なんてどの肉壁ちゃんチームも喉から手が出るほど欲しいんじゃないのか。
"ポチは細かいことは気にしないでいいの。
私に全て任せておけば悪いようにはならないからね。
それより、改めて進級おめでとう、リュウ君。これからも宜しくね。
進級したらこれまで以上に訓練が厳しくなるわよ。
まぁ、リュウ君の苦手なお勉強は減るけどね。"
あぁ、おばちゃん、こちらこそよろしくお願いします。
これ以上勉強が難しくなったら、おばちゃんに毎日補習してもらっても試験が通る自信がないよ。
"全く座学がないわけじゃなすから、これからも放課後の補習は続けるからね。
わかった。"
やっぱりやるの。
まぁ、いつもいろんな食い物をもらえるから、おばちゃんとの補習は嫌じゃないけどね。
"・・・・・・しめしめ、だいぶ餌付けされてきたわね。
もう少しで私も食べてもらえるかも♡ ♡ ♡・・・・・・。"
おばちゃん、ピンクの靄が飛んできたんだけど。
さくらに感動したのか。
"何でもないの。
あっ、そうねぇ。本校の桜並木は凄いね、綺麗。
今日の補習はゆっくと二人きりでこの桜の下を歩くきながらにしましょうか。
手なんか繋いだりして、キャーッ。
私って大胆♡。"
えっ、今日からもう授業があるの。
"予習よ、予習。
今日は進級式と新たなチーム編成についての説明会があるはずよ。
しっかし、誰からも紹介状が届かなかったね。
まぁ、予定通りだけどね。
これから私たちお淑やかな大男さんチームに来てくれる魔法術士候補生を探さなきゃね。"
そう、俺たちお淑やかな大男さんチームは魔法術士候補生から一通も招待状を受け取らなかったのだった。
もちろん、火力バカどもの所もだ。
土壁のところは不明だ。
基本サイレンティストの集団だからあまり雑談などはしないので、詳しいチーム事情は分からないのだ。
「新たなチーム編成かぁ。
うちのチームはやっぱり、よっちゃんのような優秀な水魔法術士に入ってほしいわね。」
「まぁな、でもジェンカちゃん、肉壁ちゃんが魔法術士を選ぶなんて、何通も招待状をもらったところじゃないと難しいんじゃねえのか。
逆だよな。
俺たちゃぁ、選ばれる方だ。」
「でも、演習見学で3帝のうち爆乳帝様と雪ん子帝様はなんか俺たちのチームを気に入っていたような雰囲気があったのになぁ。
少し期待してたのに、結局は招待状がこなかったなぁ。」
「えっ、リュウそんな話な話があったのか。
俺は何も聞いていないぞ。
何でそういう大事な話を俺にしないかなぁ。
そんな脈がありそうな感じだったら、俺だったら、魔法学校の本校に押し掛けて、追加のアピールをして、なんとしてでも爆帝様様の招待状をゲットしたのになぁ。」
エンが心底悔しそうに俺を睨む。
"エン君がいたから招待状が届かなかったのよ。"
えっ、そうなの。
"それにエン君が本校に突撃して、本来の要件も忘れて、女の子にパンツの色を聞いて回ったら、誰も私たちとチームを組む魔法術士候補生はいなくなるわよね。
それがたとえ男子であっても。
まぁ、その時はエン君を切って、新制お淑やかな大男さんチームとして再出発するから良いけどね。"
エンを切るのかぁ。
エン、これ以上スケベな真似をしたら、自分の首を両手で持って訓練場を走り回ることになりそうだぞ。
せっかく進級できたんだから少しは大人しくしていろ。
"リュウ君、切るっって首チョンじゃないわよ。
チームから追い出すってこと。
まぁ、その後もしつこく付きまとう様なら自分の背中をじっくりと拝見できる事態になるかもだけど。"
やっぱり、それって首チョンじゃねえか。
「結局は招待状何て来なかったんだから諦めなよ。エン君。
3帝なんて奴らよりも、もっと私たちにふさわしい魔法術士を探そうよ。」
「俺はあの爆乳こそ俺たちにチームに足りないものだと思うぞ。
それを補うチャンスがぁ。」
そう言ったエンの首にはいつの間にか鞭が巻かれ、ばったゃの形見の刃が突き付けられていた。
「「私たちに何が足りないってぇぇぇぇ。」」
おおっ、見事なコンビネーション。
持たざる者同士の共鳴。
"リュウ君、わかってないわねぇ。
一年前の私だと思わない事ね。
この一年間、お小遣いを費やして牛乳を飲み続けた成果よ。
ワンサイズアップしたわよ。
どうだ、恐れ入ったかぁ。
何なら確認のため後で揉んでみる? "
えっ、パンツのサイズがUPしたのか.
腹回りに脂肪が付いたの。
それを揉み解せってか。
"いくらリュウ君でも今のは聞き捨てならないわよ。"
ばっちゃの形見が今度は俺の首に突き付けられた。
やべぇ、なんか俺が変なこと言ったか。
"安心して、リュウ君を一人であの川は渡らせないから。
私もこの懐剣で直ぐに後を追うから、ちょっと待ってて。
一緒に渡ろうね♡。"
♡の意味がわかんねぇ。
とにかく、まずはその刃物たちをしまってくれ。
どうしても使いたいならエンの頭の毛根だけにしてくれ。
いつの間にかザビエル弟じゃなくなっちまっただろ。
なんでも門前町のとある怪しい治療院で毛根を復活してもらったらしいぞ。
でもこのままじゃ、念願の教会本山の礼拝堂に就職できないな。
ザビエル兄が寂しがってんぞ。
早くエンの毛根を断ち切ってくれぇ。
"それはだめよ。"
何でだ。
ザビエル兄がかわいそうだろ。弟が来るのを首を長く伸ばして待っているぞ。
そんな兄弟愛に感動しないのか、おばちゃんは。
"エン君がいないとミノタウルス♀爆乳ケツでかが寄ってくるから。"
それって、エンは魔物避けってことか。
本人は爆乳帝様にすり寄りたいと願っているのにな。
スケベ道を極めるのもなかなか大変だってことだな。
"リュウ君は私にだけだったらエッチ道を極めても良いわよ♡。
2人で高みを目指そうか♡。"
俺はちょっとスケベ道を目指しているので、極めるつもりはないです。
"リュウ君のいけずぅぅぅぅ"
エンの毛根はこのようにして、今日のところは守られたのであった。
エンの毛根を巡る知られざるバトルが展開する中、俺たちはこれからお世話になる肉壁の穴本校の門にたどり着いた。
さぁ、これから新しい学校生活が始まる。
とっ、静かに闘志を燃やしつつある俺の耳に何やら騒々しいものが聞こえてきた。
"門の内側で何を騒いでいるのかしら? "
ここまでの成果
魔力回復: 15%
次にスキルを発動するまでのクールタイム: 28時間25分
(無事進級を果たし、スキルも大幅UPしたよぉぉぉぉぉ、おばちゃん。)
活動報告に次回のタイトルを記載しています。
お話に興味がある方はお読みくださいね。
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本作品は前作「聖戦士のため息」シリーズのパラレルワールドの位置付けとしています。
本「聖戦士のめまい」とともに「聖戦士のため息」シリーズも合わせてお楽しみいただけたら幸いです。
"聖戦士のため息シリーズ "
シュウとエリナ、イリーナ、輪廻の会合に集いし面々が活躍するサーガをお楽しみください。
・本編 : 聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます
・別伝1 : 死神さんが死を迎えるとき
・別伝2 : 優しさの陽だまり
・別伝3 : 陽だまりからの贈り物 優しさの陽だまりから
・外伝 : アラナの細腕繁盛記 越後屋の守銭奴教繁盛記
・別伝4 : 炎の誓い