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34話目 3帝様、風神様・雷神様がお見えです 後編

ところで、3帝ってみんな2属性魔法術士なんだな。


"げっ、ポチのくせに余計なところに気付きやがったよ。"


何か言ったか。

それにしても2属性かぁ。

それになんで爆帝とか二つ名がついているんだ。


"2属性魔法術士が貴重なのはわかっているわよね。"


えっ、そうなのか。

うちの母ちゃんと妹二人は2属性魔法術士だぞ。


"えっ、マジそれ。

どこのお貴族様よって、レベルの家族じゃないじゃない、それって。

で、お父さんはどうなのよ。"


父ちゃんは肉壁ちゃんだったぞ。

軍で同じチームを組んで戦っていた時に、ある戦いの撤退時に隠れていた洞窟で、ついに我慢できなくなった父ちゃんが母ちゃんを押し倒して・・・・・、そのまま結婚。

母ちゃんをさらうように軍を退役。

今住んでいる村の教会で母ちゃんがパートの司祭として、父ちゃんが下僕として暮らし始めたんだと。


"そして、お母さんの魔法術士としての優秀な血は妹たちに、お父さんの野獣の血はリュウ君へというわけね。

・・・・・・・これは私が野獣と化したリュウ君に押し倒されるのも時間の問題ということね。

しめしめ。

既成事実と子供を作って、まんまとリュウくん家の嫁に・・・・・

何か商売でも初めて、細々と幸せに生きて行けばいいわけね。・・・・・"


おばちゃん、どうした。

子供とか嫁とか、商売とか。

何を妄想してんだ。


"あっ、ポチは気にしなくていいの。

ポチは飼い主の私の言うことを聞いていれば良いんだからね。

わかった?

あっ、野生に帰るときは遠慮しちゃだめよ。

ガバッとやってね。"


俺はおばちゃんの勢いに押されて、"おぉっ、わかった"としか答えられなかった。


"しかし、2属性魔法術士を良く軍が手放したわね。"


洞窟で押し倒して、できちゃったのが俺らしい。

まぁ、それ以外にもいろいろあったみたいだけど、母ちゃんの活躍でうまく軍を抜け出せたらしい。


"・・・・・・洞窟で押し倒せば、既成事実と子供が授かるのね。

良いこと聞いたわ。

今度からの補習は裏山のあの洞窟でしようかしら・・・・・

おっほん、話を戻すわね。

2属性魔法術士って、人類軍で何人いるか知っている? "


うちの家族5人中で3人がそうなんだから、少なくても魔法術士の1/5ぐらいはそうなんじゃないのか。

まぁ、ここの幼年魔法学校では2属性の魔法術士候補生なんて聞いたことがないけどなぁ。

ここの幼年魔法学校って、そういう単属性魔法術士の生徒ばかりを集めているんじゃないのか。


"は~っ、リュウ君の家族はすっごいレアだから。

それを世間の基準にしてはダメよ。"


えっ、そうなのか。

世間様とうちの家族は隔絶していたのか。

道理で俺の慰謝料で桶に入った寿司を食べた時に近所のおばちゃんたちの目がなんか俺を憐れんでいたわけだ。


"リュウ君の近所の方の哀れみがどういう意味かは私は推し量れることはできないけど、あんたんちが世間とかなり違っていることは理解できたわよ。

それを今更、私がどうこう言うつもりはないけど、少しづつ世間様というものを理解していこうね、リュウ君。"


あぁ、そうするよ。


"でっ、復習なんだけど、同じ年齢の者たちで肉壁ちゃんの資質があるのはどれくらいだったか覚えている? "


おぉっ、確か10人に一人、その中で実際に肉壁ちゃんまで昇華できるのは20人に一人だっけか。


"では、軍の魔法術士の資格があるのはどうかな。"


魔法術士は肉壁ちゃん5人に一人だから、同じ年齢の者たちで言えば100人に一人か。


"正解ね。よく覚えていたわね、偉いわよ。

ご褒美に私を食べてもいいわよ。"


おばちゃんはいらないから、手作りクッキーおくれって、何度言ったら・・・。


"・・・・・ちっ、まだ食いつかないわね、早く野獣として目覚めなよぉ。

まぁ、いいわ。

進級して本校に行くまで数か月あるから、それまでには餌付けを完了させなきゃ・・・・・・。

100人に一人、魔法術士がいるわけだけど、その中で2属性魔法術士はほとんどいないの。

教会本山の魔法学校本校と各地の幼年魔法学校の6学年合わせて今は3人しか、そう、3帝しかいないのよ。"


えっ、6学年で3人なの。

うちは家族5人で3人なんですけど。

ちなみにすぐ下の妹は来年幼年魔法学校に入る予定だから6学年で4人になるというぐらいのレベルなんだ。

そんなに少ないの。


"・・・・・そっか、リュウ君の妹は小6なんだ。。

小姑は絶対に味方につけたいところね。

どうやって、懐柔しようかなぁ・・・・・。

そういう訳で、私たちの学年は奇跡の世代と言われているようなの。

2属性魔法術士のチームに入れるチャンスがあるんだからね。"


その超希少種の2属性魔法術士様様の3人が将来、奴隷とするための肉壁ちゃんたちを買い入れるためのオークションが今日だと言うのか。


"そういうことね。

まぁ、3帝に飼われるのがいやだったら、公開演習で良い意味で目立ったことをしないようにすればいいんじゃないの。

3帝のお目当てがなんだかわからないけど、リュウ君はどうしたい。

圧倒的な力を見せつけて3帝に認めてもらいたい? "


う~ん、そういうのはどうでもいいかな。

まぁ、魔王の奴隷になるなんてのは嫌だけどな。

おばちゃんに任せるよ。

おばちゃんは俺たちのチームがまずい立場になるようなことなんてしないだろ。


"リュウ君は私のことを信頼してくれているんだ、ありがと♡。"


でっ、今日はどうする。

エンはやたら張り切っているけどな。

俺はおばちゃんのやりたいようにやって良いと思うぞ。


"そうねぇ。目立つのも嫌なんだけど。

手を抜いて、ぼこぼこにされた挙句に馬鹿にされるのも癪だしねぇ。

う~ん。

私はリュウ君、私たちのチームの実力を3帝に、風神・雷神に見てほしと思う。

肉壁ちゃんの意地というものを超エリートの3帝に見てほしいと思う。

だから、手加減なし。

相手が即死しない程度に、全力でやり合いたいと思う。

どう、リュウ君。

今日の結果で3魔王帝から招待状をもらったとしても、いやなら断ればいいだけだしね。"


わかった。それで行こう。

世の中で最強、最凶なのはそこらへんにごろごろ転がっているおばちゃんたちだってことを小娘どもにわからせてやるってことで。


"えっ、私もか弱い小娘なんですけど。

リュウ君、私が世間一般のおばちゃんと同類だという認識は止めてほしいんだけど。

私はリュウ君と一緒じゃないとお店で買い物もできないシャイな女の子なんですけど。"


何言ってんの、おばちゃんがシャイ?

先週、隣町の市場にパン用の小麦粉を買いに行ったときに、いきなりお店のおじさんの胸倉をつかんで値引き交渉をしていたよね。

もう、値引き分は俺が払うからそんな腕力に訴えた値引き交渉は止めてと頼んだら、「ポチは黙ってて、柱にしょんぺんでもしてなって」鬼の形相ですごまれたよね。

俺、柱にたどり着く前にちびっちゃったよ。


"おほほほほっ、それは私じゃあ~りませんことよ。

美少女の私に乗り移った餓鬼がやらせたことですわよ。

おほほほほほっ。

ポチッ、ステイ、シャラップ。"


俺、今は何もしゃべっちゃいないぞ。


ここまでの成果

魔力回復: 5%

次にスキルを発動するまでのクールタイム: 33時間17分

(おばちゃんのやる気がポチに勇気をくれました。スキルUP。)


活動報告に次回のタイトルを記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


感想や評価、ブックマークをいただけると励みになります。

よろしくお願い致します。


本作品は前作「聖戦士のため息」シリーズのパラレルワールドの位置付けとしています。

本「聖戦士のめまい」とともに「聖戦士のため息」シリーズも合わせてお楽しみいただけたら幸いです。


"聖戦士のため息シリーズ "

シュウとエリナ、イリーナ、輪廻の会合に集いし面々が活躍するサーガをお楽しみください。


・本編 : 聖戦士のため息 トラブルだらけですが今日も人類が生きてく領域を広げます

・別伝1 : 死神さんが死を迎えるとき

・別伝2 : 優しさの陽だまり

・別伝3 : 陽だまりからの贈り物 優しさの陽だまりから

・外伝 : アラナの細腕繁盛記 越後屋の守銭奴教繁盛記

・別伝4 : 炎の誓い


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